第一印象が最悪だったものに限ってハマってしまうのはなぜ?
小学校三年生の時、ある男の子が転校してきた。
ふてくされた顔で笑顔を見せないそいつは第一印象最悪だった。
しかも、クラスで決めていたルールも守らない。雑で口数も少ない。こいつとは友達になれない。当時の僕は子ども心にそう確信していた。
だが、ある日、彼が漫画家を目指しているという事を知る。
僕も鳥山明先生のDr.スランプアラレちゃんに影響されて漫画家になりたいと思っていた矢先である。
急激に距離が縮まった。
友達にはなれないと思っていたのに、いつの間にか親友と呼び合うような仲にまでなった。
出会って38年になるが、そいつとだけは未だに友達関係が続いている。
他にも……
最近、単行本で読み始めた漫画がある。週刊少年ジャンプで連載されている「鬼滅の刃」てある。
連載開始から絵柄が苦手で読まずに飛ばしていた。
ある時、時間潰しのために単行本一巻買って読んでみると止まらなくなった。15巻まで買い漁り、一気読み。
ヤバい。面白い。なんで毛嫌いして読まなかったのだろうか?
そういえば、前に同じことがあった。
あれは確かスピリッツで連載されていた松本大洋先生の「花男」という漫画だったと思う。
これまた絵柄が苦手で読まなかったのだが、友達に勧められて読んだあとハマりにハマってしまったのを覚えている。
その後、松本大洋先生の「鉄コン筋クリート」「ピンポン」をバイブルのように読み込んだのは言うまでもない。
だから、第一印象が悪い相手を見つけると
もしかして?
ひよっとして?
と、時間をかけて付き合うことができるようになった。
逆に第一印象は良かったのに、後からダメな所が気になって疎遠になる人もいる。
不思議なものだ。