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乱読読書、備忘録

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#読書感想文

【読書】ハラスメントの境界線 白河桃子

【読書】ハラスメントの境界線 白河桃子

セクハラ、パワハラの観点から企業、社会の構造に切り込む。

たかまつななというお笑いジャーナリスト(ジャーナリズムに関してはファクトチェックなどかなりガチな人)のYouTubeチャンネルに白河桃子さんが呼ばれていて本書を知った。最新のハラスメント情報満載。

どちらかというと、会社の人事、コンプライアンス部門の人が、どう考えると、今の時流にそくした変化ができるかが書いてある。

危険な職場で、危険

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【読書】クジラの彼 有川浩(現 有川ひろ)

【読書】クジラの彼 有川浩(現 有川ひろ)

愛おしむべき短編。

バーバさんのnoteで知った。

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なんともいじらしく、読後、胸がキュンとした。

あまずっぱい感じじゃなく、ちょっとどっしりした感じ。

主人公の彼は自衛官で、潜水艦乗り。世渡りのうまさが、弱さの裏返し。そんな彼に、主人公の女性と一緒に胸の中が焼けた。

クジラの彼は期待を裏切らず、主人公に会いに来る。会えない間のつらさ

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【読書、こんなのは初めてだ!】短編集「雪沼とその周辺」の「スタンス・ドット」

川端康成文学賞’03をとった「スタンス・ドット」を読んだ。

トンネルを出たら、そこは雪国だった、で有名な川端の小説は、雪のような美しさが特徴だとかねがね思っていた。堀江敏幸の「スタンス・ドット」にも同様の美しさがあったが、ラストに向かうにつれ、しずかな興奮が立ち上がり続け、背中がぞわぞわする感じがした。

ラストはどうなったのか書いていない。主人公の老齢の紳士が幻のような時間に包まれることだけが

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乱読感想文「アレクサンダー・テクニークの学び方~体の地図作り」バーバラ・コナブル、ウィリアム・コナブル

乱読感想文「アレクサンダー・テクニークの学び方~体の地図作り」バーバラ・コナブル、ウィリアム・コナブル

アレクサンダー・テクニークとは、演劇や演奏者の姿勢に1900年代に取り入れられた、自然に動くテクニック、のようなものだそうです。

心身が解放されて、より豊かに過ごせるというようなもので、

人体の本来的な動きを突き詰めたテクニックって感じです。

絵がいっぱいある本もあるのですが、演奏中のバイオリニストやバレエダンサーのような、ちょっと不自然な姿勢が載っているので、コナブルさんの教科書的な本書を

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【読書】「仮病の見抜きかた」國松淳和

今日から読書の備忘録を書こうと思います。相互フォローのバーバさんの影響があるかもしれません!

本書は、総合内科医に、いろんな科から「仮病未満」の患者が紹介されて、主人公がそれを謎解きする小説仕立ての専門書です(笑)金原出版という医学専門書の出版社から出てる、小説(!)です!

題名の仮病を見抜いてしかりつける、というありそうな本ではなく、仮病とみなされそうな病気を丹念に診断していく、総合内科の教

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