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インドネシアリーグ、IBLのCEOであるJunas Miradiarsyah氏が来日。意見交換を兼ねてのランチと千葉J VS 琉球 の観戦体験の感想とインドネシアバスケ事情を紹介します。

今日は、インドネシアリーグ、IBLのCEOであるJunas Miradiarsyah氏(以下、Junasさん)が来日ということで意見交換を兼ねてランチでした。紳士でありながらパワフルにリーグ改革も推し進めるビジネスマン。日本バスケ界とも似ている境遇もありましたので親近感がわきました。まずは、あまり知られていないであろうインドネシアバスケ界についてご紹介させていただきます。

中央 Junasさん

■インドネシア代表

○ 世界ランキング85位、アジア内ランキング17位、東南アジアではフィリピンに次いで2位。
○ FIBA WC2023の共同開催国だが、インドネシアは昨年7月のFIBA ASIA CUPでベスト8という開催国枠の条件をクリアできず、FIBA WC2023への参加できないんです。これは残念です。
○ 東南アジアにおいてはSEA GAMES(東南アジアにおけるアジア競技大会のようなもの)で、2022年5月に約30年ぶりにフィリピン以外の国として優勝しています。
○ FIBA WC自国開催出場に向けて、代表をラスベガスに合宿で派遣したり、NBA経験のある有力な選手を帰化させたりと積極的に投資をしてきました。ワールドカップ後にどれだけ代表強化に力を入れていくのか注目です。

リーグ概要

○ 2003年、今から20年前にIndonesian Basketball Association(インドネシア協会)によって設立されました。今年は20周年を迎えています。
○ 2015年にインドネシア協会はStarting Fiveという会社にリーグの運営を任せ、大幅な改革(刷新)を行い、チームを総入れ替えして、それ以降、人気は上昇傾向にあります。
○ チーム数:16(2023シーズン) 過去3年で倍増
●2016年加入 8
●2020年加入 2
●2021年加入 2
● 2022年加入 4
■ 大会方式とファン層
■ ホーム&アウェイはやっておらず、セントラル開催を複数の会場で転々としながらやっています。しかし、今後ホーム&アウェイを検討するとのことでした。
■ サッカーやバドミントンが国全体で幅広く人気を経ているのに対して、比較的都市部の中流以上をターゲットにしたブランディングを行っており、今のところ成功しているようです。

○ マネジメント
■ オーナー Erick Thohir 氏
● Mahaka Groupという巨大メディアグループのオーナー。個人資産は80億ドルとも言われています。
● 起業家でありながら、インドネシアスポーツ界隈の最重要人物
● サッカーのインテルの部分オーナー
● 2023年からインドネシアサッカー協会会長
● NBAのフィラデルフィア76ersの部分オーナー。アジア人初
● 2019年からIOCのメンバー
● 2015〜2019でインドネシアバスケットボール協会の名誉理事、IBLのSatria Mudaというチームのオーナー。他に東南アジアバスケ連盟の会長など多数
● FIBAセントラルボードメンバー
とにかく凄いオーナーが、インドネシアバスケ界という次元ではなくスポーツ界を率いる超大物です。
■ コミッショナー: Hassan Gozali 氏
■ CEO: Junas Miradiarsyah 氏
● Mahaka Groupのメディア部門で昇進し,2018年〜2019年はMahaka GroupのCOO、2019年からIBLのCEO
● その他FIBA Asia CupやFIBA World Cup事務局など、ErickThohir氏の関わったスポーツの要職を歴任しています

○ インドネシアの著名な選手
● Brandon Jawato:2016〜2020までIBLでプレー。2021に来日し、2021-22は宇都宮ブレックス、2022-23はシーホース三河でプレー。2023年のAsia All Starでもキャラクターとパフォーマンスで人気を博していますね。
● Abraham Grahita(アブラハム・グラヒタ):2015〜2022までiBLでプレー。
2020,2022にはMVP獲得。First Teamには2017〜2022まで選出。2023にVeltex静岡に加入
■ Derrick Michael Xzavierro:オーストラリアのNBA Global Academyを経てNCAA D1のGrand Canyon大に進学。将来有望な208cmのPF/C
■ Yonga Hendrick Xavi: Basketball Without Borders Asia 2019に参加した身体能力抜群の将来有望なガード。NCAA進学はせず高校卒業後、Indonesia Patriotsでプレー。

■その他普及、育成等の状況
● グラスルーツレベルから育成レベルまでバスケをする環境を改善中。
● NBAはインドネシア国内でのバスケの最初の体験を改善すべく、国のスポーツ関連省庁とタイアップしてJr.NBAプログラムとして学校の体育教師にバスケの教え方を教えることもやっています。(水戸の際に来日していたカルロスコーチは、インドネシアで5,000人の体育教師を前にバスケの教え方クリニックを実施)

私の隣がカルロス

強化のためのオンザコートルールをどうするのか、ゲームの質の向上のためにどうすべきか、オーナーが資金を投下するだけでなくクラブ単体としてチケットを販売したり、スポンサーを付けるなど、しっかり稼げるリーグ・クラブにするために改革中です。外国籍選手の年俸高騰に対応するためにサラリーキャップも設定しています。まずは、コストダウンから始めている感じですね。

規模感は違えど、その国に合った仕組みを作り上げるためにトライアンドエラーを繰り返していくという意味ではどこのリーグも同じだなとあらためて思います。ランチのあとはリーグスタッフと千葉ポートアリーナで千葉J VS 琉球戦を観戦していただきました(私は別用で行きませんでしたが)

感想は、、、(スタッフ談)

「B.LEAGUEの試合を初めて見たが、とてもいい試合だった。バスケという国際的なスポーツに地域らしさ、地域の特色を取り込んでいたところがよいと思った。また、演出、進行等のエンタメもよかった。何よりもB.LEAGUEが7年でここまできたということが、IBLの運営側としてこれから変えていく方向(ホーム&アウェイとクラブのビジネス化)が間違っていないということに対する刺激と自信にもなった」とのこと。スタッフに対しても質問攻めだったようです。とても勉強熱心ですね。

観戦中
ハーフタイム撮影中 笑

来週の中国出張でアジア枠全ての国との交流が終了します。ひとつひとつ、競技、ビジネス面での関係を強化していきます。





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