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わたしの本棚75夜~「空気を読む脳」

 中野信子さんの本は、難しいことを簡単に解説してくれていて、脳科学と敷居が高そうな論考を、恋愛、いじめなどの感情を絡めたことに持っていくので、読みやすいです。この本も、日本人の同調圧力は遺伝子に組み込まれたものであり、戦中の「特攻隊」の発想は、神経伝達物資セロトニンの分泌によるものだといいます。コロナ禍において、同調圧力は高まっていますが、それも日本人特有の義理と人情、恩と返礼を大切にする日本人の心的傾向によるものだといいます。

☆「空気を読む脳」中野信子著 講談社α新書 946円(税込み)

 本のなかで少し意外で面白いなあと思ったのは、「ほめて育てること」は必ずしも良い将来につながらないという論考。最近の子育ては、ほめて育てよ、とい風潮が強く、こどもを怒らない、のびのび褒めて育た方がよい、という考え方が主流なので、データを示されて論考を述べられているのは、説得力ありました。ほめ方が必要といいます。また、環境よりも遺伝子で子どもの将来が決まるという説も、アメリカの双子が違った環境で育っても同じ能力だというのもへえーっと面白くよみました。

#空気を読む脳 #中野信子 #講談社 #推薦図書 #読書感想文


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