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わたしの本棚41夜~「おらおらでひとりいぐも」

 読んだ小説が映画化されたら観にいくし、逆に映画が良ければ原作を読んでみたくなります。この小説も芥川賞受賞時に読みました。東北弁の文体が評判になり、老後の孤独感と合いまった共感できる内容でもありました。でも、これが映画化と聞いて、最初は、ストーリー性の乏しい展開、どうやって映画化するのだろうと危惧しましたが、沖田修一監督の映画の方は、寂しさ1、2、3と脳内の様子の3人を配置したりして、面白かったです。

☆「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子著(河出書房新社)1200円+税

主人公桃子さんは、毎日起きて、食事をして、薬を飲んで、近所の医院に行き、図書館で本を借り、総菜を買ってひとりでご飯を食べ・・・。と老人の日常。脳内では淋しさの声が故郷の東北弁で聞こえてきます。夫と出会ってから東京での生活、子どもたちの自立、疎遠など。誰もが通る老後の孤独を向き合って、考えて…。孤独というものの捉え方を、自由と考え愛する桃子さんの姿は、素敵でもありました。「わたしはちゃんと生きられましたか?」と誰もが考えている問いに対しても向き合っていく。生命進化の図鑑を書き写す姿と重なりました。東北弁がリズミカルな2018年の芥川賞受賞作です。

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