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筑波山 △登山の魅力△(0037)

関東平野を一望するかのようなパノラマ風景は見事です。一番お手軽に登れる(?)日本百名山。
(本記事/ 文字数:約4800字、読了:約10分)


<筑波山の魅力>

(1)山頂からの関東平野の大展望
筑波山山頂からは標高1000mに満たない山とは思えないほど眺望に優れています。女体山からは東側が男体山からは西側が広く開けており、関東平野を広く見渡せ遠くまで見通せるほどです。
(2)ロープウェイとケーブルカー利用で山頂へのアプローチが便利
男体山へはケーブルカーが走っており、女体山へはロープウェイが通っています。体力に心配な方もほとんど山頂まで歩かずに行けますし、登りでへばってしまっても帰りはケーブルカーやロープウェイ利用で楽々と安心して下山することができます。

<概要>

筑波山 (つくばさん)
所在地: 茨城県つくば市
男体山(標高871m)と女体山(標高877m)の2つのピークを合わせた名称。
「西の富士山、東の筑波」とも賞される。
日本百名山(百名山のなかで標高が一番低い)


<登山コース>

※標準的タイムによる目安(休憩含まず)
筑波山神社を起点に御幸ヶ原コースを登って男体山に登頂後、自然研究路を回って女体山に向かい、白雲橋コースとおたつ石コースを通ってつつじヶ丘に下山するルート。
「筑波山神社入口」バス停→ 筑波山神社(15分)→ 中の茶屋跡(60分)→ 御幸ヶ原(50分)→ 男体山(10分)→ 自然研究路合流(5分)→ 御幸ヶ原(40分)→ 女体山(15分)→ 弁慶茶屋跡(40分)→ つつじヶ丘(40分)
コースタイム/ 4時間40分程度
標高差/ 670m程度  (筑波山神社入口バス停:205m、御幸ヶ原:800m、男体山:871m、女体山:877m、つつじヶ丘:542m)

[登山道の特徴]

「筑波山神社入口」バス停から筑波山神社までは舗装道路の坂道を登ります。
道標が要所にあるので迷うことはあまりないと思います。
登山道の登り始めは木の根の張出しが多い石の道ですこし歩きにくいです。やがて大きな石が増えていきます。
御幸ヶ原コースの登山道はケーブルカーに並行するように付けられており、男体山に直登気味に上がっていきます。傾斜はやや強めです。
登山道の森は針葉樹が多めの雑木林といった雰囲気ですこし暗めです。
御幸ヶ原コースのおおよその中間地点に中ノ茶屋跡があり、いまは東屋が建っています。すぐそばにケーブルカーの軌道があり、ケーブルカーの上下の交差を間近に見ることができます。
御幸ヶ原は男体山直下の平場です。ケーブルカーの山頂駅やレストハウスなどがあります。
御幸ヶ原からひと登りで男体山の山頂です。山頂は西側の展望があり、条件がよければ富士山や東京スカイツリーを見ることができます。
男体山山頂西側の展望からぐるっと回り込むと自然研究路につながる道があります(自然研究路迂回路との記載あり)。
自然研究路は男体山の山頂の周囲をぐるりと一周して御幸ヶ原にまた戻るコースです。
自然研究路の合流地点から右手にルートの奥を進みます。左手に進むと御幸ヶ原に戻ります(右に進んでも最後は御幸ヶ原になります)。
自然研究路の途中に東屋があり、その近くに分岐した小道があります。小道の先は突き出た岩棚のテラスのようになっています(富士見展望台)。西側に視界が大きく開けています。
自然研究路はすこし道が荒れているところもあるので足元に注意が必要です。
御幸ヶ原から東側に女体山があります。山頂は露岩でその先は切れ落ちたガケになっているので足を滑らさないように注意が必要です。東側に展望が開けています。
女体山から白雲橋コースへの下山は岩場の下りになります。コースは弁慶茶屋跡まで様々な奇岩巨石が連続するルートであり見応えがあります。
奇岩・弁慶の七戻りまでやってくるとその先はすぐに弁慶茶屋跡です。いまは東屋が建っています。
弁慶茶屋跡から白雲橋コースとおたつ石コースに分岐しており、白雲橋コースは筑波山神社へ、おたつ石コースはつつじヶ丘(ロープウェイの山麓駅)に下山できます。
●水場やトイレなど
御幸ヶ原コースの途中にある男女川源流が水場になっています。
トイレは筑波山神社入口バス停、筑波山神社、御幸ヶ原、つつじヶ丘にあります。

[難易度・危険箇所など]

大きな難所や危険箇所はほとんどありません。
女体山から白雲橋コースへの下山路は岩場があります。
男体山へはケーブルカーがあり、女体山へはロープウェイがあります。体力等を踏まえて必要に応じてご利用をご検討ください。

[アクセス]

●往路
つくばエクスプレス「つくば」駅から路線バス(筑波山シャトルバス/関東鉄道)で「筑波山神社入口」バス停まで約36分。
●帰路
「つつじヶ丘」バス停から路線バス(筑波山シャトルバス/関東鉄道)でつくばエクスプレス「つくば」駅まで約50分。
※往路・帰路ともに同一路線です。

[国土地理院地図]

筑波山神社

[コースマップ]

茨城県のWebサイトにおいて筑波山ガイドマップが提供されています。
リンク先:
筑波山ガイドマップ (茨城県)

<こんな方にオススメ>

(1)関東平野のパノラマ風景を楽しみたい
(2)奇岩巨石が好き
(3)体力に心配があるが眺望のよい山へ登ってみたい


<補足情報>

[売店等]

筑波山神社周辺に複数の売店等があります。
御幸ヶ原に複数のお茶屋さんがあります。
つつじヶ丘にレストハウスなどがあります。

[日帰り温泉など]

筑波京成ホテル (つつじヶ丘)
筑波山ホテル靑木屋 (筑波山神社そば)
つくばの湯 (筑波山神社近く)

[お食事処]

筑波山(男体山)山頂のお茶屋さんでは軽食の提供があります。
筑波山神社の周辺には飲食店があります。
つつじヶ丘周辺にはレストハウス内に食堂があります。

[名産品]

カリントウ饅頭
福来みかん
七味唐辛子

[お天気情報]

筑波山/山の天気 (tneki.jp)

[そのほかの補足]

筑波山から「つくば」駅に向かうバスの最終時刻は夕方に終了します(夜間運行はしていません)。最終バスの発車時刻にご注意ください。
●筑波山観光案内所
「筑波山神社入口」バス停そば。各種パンフレット等備置。
リンク先:
筑波山観光案内所 (つくば市)
●つくば市観光案内所
「つくば」駅近くにつくば市の観光案内所があります。
リンク先:
つくば総合インフォメーションセンター(BiViつくば内) (つくば市)
●筑波山梅まつり
例年2月中旬から3月中旬にかけて筑波山の山麓で”梅祭り”が開催されています。
リンク先:
筑波山梅まつり ※公式サイト


<私的な雑感>

筑波山は一番お手軽な日本百名山といえるかもしれません。標高は1000mに満たず、標高差も登山口から600m程度です。しかもロープウェイやケーブルカー利用可能。

初めて登ったとき、山頂からの風景は低山なのでたいしたことないだろうと考えていました。しかし山頂からの眺望は想像を超えていました。その独立峰のような山容や地勢のおかげで視界が大きく開け、まるで「関東平野を一望!」という光景で思わず声を上げました。目の前にはただ広く平坦な関東平野を大きく遠くまで見渡せます。関東平野の広大さを実感できるのではないでしょうか。

しいて難点を挙げますと、帰路の最終バスの時間が早い…。つくば駅に向かうバスは夕方で終わってしまい夜に運行しているバスがありません。そのため下山して登山口近くで入浴してゆっくりと夕食を楽しむ時間的余裕がないところがネックでしょうか。

個人的には男体山の山頂の周囲をぐるりと回る自然研究路が好きです。筑波山の山頂には多くの登山者や観光客で賑わっていますが、自然研究路に入ると人の数はぐっと減ります。そのため静かな山の雰囲気を楽しめます。また自然研究路の途中にある岩棚のテラスがあり、ここからも関東平野の眺望があり、ゆっくりとコーヒーでも飲みながら寛ぎたいようなロケーションです。

そのほかにも女体山側には奇岩巨石が多数存在していたり、季節の花も様々とあったりと見所は豊富です。とくに例年2月中旬から3月中旬にかけて”筑波山梅まつり”が開催されています。

筑波山は、登山初心者でも家族連れでも余裕をもって楽しめる登山入門的なハイキングコースといえると思います。


<備考>

●お得な切符
つくばエクスプレスより電車とバスやロープウェイ・ケーブルカーの利用を組み合わせた切符が販売されています。
「筑波山きっぷ」 (つくばエクスプレス)
「筑波山あるきっぷ」 (つくばエクスプレス)

<参考リンク>

つくば観光コンペンション協会 ※公式サイト
つくばエクスプレス ※公式サイト
関東鉄道 ※公式サイト
筑波山ケーブルカー&ロープウェイ ※公式サイト
筑波山地域ジオパーク ※公式サイト
山と高原地図「20.赤城・皇海・筑波 榛名山」 (昭文社)
つくば警察署 ※公式サイト


<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「登山の魅力」にまとめております。

[奥多摩]
0004/三頭山  0009/御前山  0010/雲取山  0020/浅間嶺と浅間尾根
0028/御岳山
[丹沢・箱根]
0005/大山  0030/塔ノ岳  0035/金時山
[秩父・奥武蔵]
0023/金峰山  0026/棒ノ折山  0032大菩薩嶺
[八ヶ岳]
0001/編笠山  0007/飯盛山  0014/天狗岳  0017/北八ヶ岳周遊(冬)
[北アルプス]
0012/燕岳~常念岳  0024/涸沢カール  0033/立山
[南アルプス]
0011/北岳
[関東そのほか]
0006/赤城山  0008/大楠山  0018/一ノ倉沢(冬)  0021/男体山(日光)  0025/那須岳  0031/鳴虫山  0034/戦場ヶ原  0036/奥高尾縦走路
[東海]
0016/城ヶ崎海岸  0019/幕山  0027/沼津アルプス
[山梨県そのほか]
0022/三つ峠
[長野県そのほか]
0029/黒斑山
[その他の地域]
0002/雨飾山  0003/宮之浦岳  0012/大杉谷~大台ヶ原  0015/苗場山


<ご留意点>
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(6) 不定期更新です。 毎月一度を目安に更新を予定しております。
(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。
(11) 今般の新型感染症の影響で各種施設等の利用については制限などが行われている可能性があります。ご利用の際には詳細について事前に各種施設等へご確認などをお願いいたします。

(2024/02/16 上町嵩広)

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