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野村監督の語録に泣いて笑って泣く「野村克也が選ぶ 平成プロ野球 伝説の名勝負」(宝島社)
野球のことよくわからないくせに読み始めたらこれが意外と面白く、そして少し泣いてしまった。
好き放題ぼやきながらも(「私だってギャオスでは無理なことはわかっていたが…」とかほんとひどい)、印象的なフレーズがポンポン出てきて膝を打ってしまう。
ノムさんが平成時代で監督として出場したのは、ヤクルト、阪神、社会人野球のシダックス、楽天で日本シリーズやオールスター、日米野球を含めて2211試合。これにオープン戦等含めると2500試合を超えるという。
その中から「平成の31年間にちなんで、忘れられない試合を31試合厳選」。
各試合を振り返る中で出てくる語録がとにかく楽しい。声に出して読みたい日本語。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」をはじめ、
「愛と優勝は金で買えない」
「最初の勝ちは嘘の勝ち」
「MAKE DRAMA(メークドラマ)は負けドラマ」
「審判とは仲よくしたほうがいい」
「バッカじゃなかろかルンバ」
そうかと思えばじんわりくる言葉もあり。
シダックスの監督時代。
対戦相手の社会人野球チームから監督会議の際に次から次へと質問が飛んできてなかなか離してもらえなかった。プロよりよほど勉強している。
「才能には限界がある。でも、頭脳に限界はない」
プロの経験がないぶんのアマチュアの謙虚さとどん欲さへの賞賛。
楽天の監督時代。まだ創設したばかりの頃。
「プロは人気商売だから、ファンの人に興味を持ってもらわなければ」
KOされても敗戦投手にならない田中将大を見て、
「マー君 神の子 不思議な子」
他にも
「必殺仕事人・高須」
「安物の天才・草野」などなど
キャッチフレーズをつければ、(スポーツ新聞の)担当記者だって記事を作りやすい。
監督は広報も兼ねなければいけない。
最後に野村再生工場の異名を取ったノムさんの真骨頂とも言えるひとこと。
今でもよくファンの方から「どこのチームの監督をやりたいですか?」と聞かれるが、答えはいつも決まっている。
「1番弱いチームかな」
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