108Hassium

数学関係の記事を書きます。毎週日曜更新予定。

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今週のフラクタル38 ((z+0.03i)^6/(z^4+0.04z^3)+c)

どうも、108Hassiumです。 今回は$${\frac{(z+0.03i)^6}{z^4+0.04z^3}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 (z+0.03i)^6/(z^4+0.04z^3)+c$${\frac{(z+0.03i)^6}{z^4+0.04z^3}+c}$$は$${z^2+c}$$を基にした摂動型関数なので、マンデルブロ集合の形状は$${z^2+c}$$のものを崩したような形になります。 臨界点は$${z=-0.03i,-0.03+0.

    • 今週のフラクタル37 (c(3z^4-4z^3)+1&c(3z^4-4z^3+1))

      どうも、108Hassiumです。 今回は$${c(3z^4-4z^3)+1}$$と$${c(3z^4-4z^3+1)}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 c(3z^4-4z^3)+1$${f(z)=c(3z^4-4z^3)+1}$$の臨界点は$${z=0}$$と$${z=1}$$の2点で、$${z=0}$$の方は多重度が2になっています。 さらに、$${f(0)=1}$$なのでこの関数は$${c(2z^3-3z^2)+1}$$のような「臨界点が実質1個しかない

      • 【2】何だこの数列?

        どうも、108Hassiumです。 以前、こんな記事を書きました。 この記事で扱った内容に関して、新たな情報がいくつか得られたのでそれを紹介します。 ローラン多項式前回の記事では、おまけとして以下の数列を紹介しました。 $${\begin{cases}b_0=b_1=1\\b_{n+2}=\frac{b_{n+1}^3+1}{b_n}\end{cases}}$$ $${b_n=1,1,2,9,365,5403014,432130991537958813…}$$ こ

        • 今週のフラクタル36 (con(z)^8+c)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${\text{con}(z)^8+c}$$($${\text{con}(z)}$$は$${z}$$の複素共役)に関するフラクタル図形をお届けします。 con(z)^8+c$${\text{con}(z)^n+c}$$のマンデルブロ集合は$${n+1}$$回回転対称なので、$${\text{con}(z)^8+c}$$のマンデルブロ集合は9回回転対称になります。 拡大図です。 $${\text{con}(z)^8+c}$$の

        今週のフラクタル38 ((z+0.03i)^6/(z^4+0.04z^3)+c)

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          今週のフラクタル35 (zB(z)+c 他)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${zB(z)+c}$$($${B(z)=|x|+i|y|}$$、$${x}$$と$${y}$$は$${z}$$の実部と虚部)に関するフラクタル図形をお届けします。 zB(z)+c$${zB(z)+c}$$は、以前「バーニングシップフラクタルと仲間たち3」で紹介した$$(x+iy)(|x|+i|y|)+c$$と同じ関数です。 この関数のジュリア集合はほぼ全部「四分円に渦巻きが1個とコブみたいのがたくさんついている」という形をし

          今週のフラクタル35 (zB(z)+c 他)

          今週のフラクタル34 ((z^5+0.5iz^4)/(z+0.18i)+c 他)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${\frac{z^5+0.5iz^4}{z+0.18i}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 (z^5+0.5iz^4)/(z+0.18i)+c$${\frac{z^5+0.5iz^4}{z+0.18i}+c}$$は$${z^4+c}$$に摂動を加えた関数なので、マンデルブロ集合の概形は$${z^4+c}$$に似ていつつも細部が崩れたような見た目になっています。 臨界点は$${z=0}$$と$${z=-0.3i}

          今週のフラクタル34 ((z^5+0.5iz^4)/(z+0.18i)+c 他)

          今週のフラクタル33 (z^4/(z+0.2i)+c)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${\frac{z^4}{z+0.2i}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 z^4/(z+0.2i)+c$${\frac{z^4}{z+0.2i}+c}$$は$${z^3+c}$$に摂動を加えた関数ですが、今まで紹介してきた$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$や$${\frac{z^9}{z+0.5i}+c}$$とは異なりマンデルブロ集合が線対称になります。 ※☟「摂動」の説明 ※☟$${\fr

          今週のフラクタル33 (z^4/(z+0.2i)+c)

          バーニングシップフラクタルと仲間たち3

          どうも、108Hassiumです。 以前、こんな記事を書きました。 1本目の記事ではバーニングシップフラクタルと同じ「$${z^2+c}$$と絶対値関数を組み合わせてできるフラクタル図形」のうち有名なものを紹介し、2本目の記事ではマイナーなものを紹介しました。 そして最近になってバーニングシップフラクタル関連図形の新たなグループを発見したので、この記事ではそれらを全て紹介したいと思います。 レア今回紹介したいグループは内部でさらに3つの小グループに分かれているので、一

          バーニングシップフラクタルと仲間たち3

          今週のフラクタル32 (B(z)^2+c)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${B(z)^2+c}$$($${B(x+iy)=|x|+i|y|}$$)に関するフラクタル図形をお届けします。 今までに様々な記事に出てきた関数ですが、この関数単体の記事は無かったので今回取り上げることにしました。 B(z)^2+c私の記事では今まで何度も登場している$${B(z)^2+c}$$のマンデルブロ集合、通称「バーニングシップフラクタル」です。 いかにも「バーニングシップ系」っぽい見た目のジュリア集合です。 $

          今週のフラクタル32 (B(z)^2+c)

          多変数関数のニュートンフラクタル

          どうも、108Hassiumです。 以前の記事で、「ニュートンフラクタル」というフラクタル図形を紹介しました。 ニュートンフラクタルは、ニュートン法というアルゴリズムにおいてどの初期値がどの値に収束するかで複素平面を彩色した際に現れるフラクタル図形です。 そしてニュートン法は$${f(z)=0}$$という形の方程式の解($${f(z)}$$の根)を見つけるアルゴリズムで、その内容は$${z_{n+1}=z_n-\frac{f(z_n)}{f'(z_n)}}$$という数列

          多変数関数のニュートンフラクタル

          今週のフラクタル31 ((2x-x^3/6-y^2+a,2y-x^2y/2+b))

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${(2x-\frac{x^3}{6}-y^2+a,2y-\frac{x^2y}{2}+b)}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 (2x-x^3/6-y^2+a,2y-x^2y/2+b)$${(2x-\frac{x^3}{6}-y^2+a,2y-\frac{x^2y}{2}+b)}$$は、先週の記事で紹介した「$${2z-\frac{z^3}{6}+c}$$をもとにした関数」の係数を微調整したものです。 拡大図です。

          今週のフラクタル31 ((2x-x^3/6-y^2+a,2y-x^2y/2+b))

          ハイブリッドジュリア集合

          どうも、Fractal Forumsを眺めるのが日課の108Hassiumです。 Fractal Forumsはその名の通りフラクタル関連の話題が集まるフォーラムで、様々なフラクタル図形の画像や描画方法などが投稿されています。 一年ほど前、こんなポストを発見しました。 https://fractalforums.org/share-a-fractal/22/some-old-stuff-maybe-fractal-nostalgia/4213/msg31149#msg3

          ハイブリッドジュリア集合

          今週のフラクタル30 (con(z)^2-ixy+c)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${\text{con}(z)-ixy+c}$$($${\text{con}(z)}$$は$${z}$$の複素共役、$${x}$$と$${y}$$は$${z}$$の実部と虚部)に関するフラクタル図形をお届けします。 con(z)^2-ixy+c$${\text{con}(z)^2-ixy+c}$$という関数は、以前紹介した$${z^2+ixy+c}$$を$${f(z)}$$としたときの$${f(\text{con}(z))}$$

          今週のフラクタル30 (con(z)^2-ixy+c)

          今週のフラクタル29 ((0.9+0.5i)(z+z/(3z^2-1))+c)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${(0.9+0.5i)(z+\frac{z}{3z^2-1})+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 (0.9+0.5i)(z+z/(3z^2-1))+c$${(0.9+0.5i)(z+\frac{z}{3z^2-1})+c}$$は次数が1の有理関数かつ1次の項の係数が$${0.9+0.5i}$$なので、同じ特徴を持つ$${(0.9+0.5i)(z+\frac{1}{z})+c}$$といろいろなところが似ています。

          今週のフラクタル29 ((0.9+0.5i)(z+z/(3z^2-1))+c)

          今週のフラクタル28 (B(z)^3/(B(z)+0.1i)+c 他)

          どうも、108Hassiumです。 今回は$${\frac{B(z)^3}{B(z)+0.1i}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。 ※$${B(x+iy)=|x|+i|y|}$$ B(z)^3/(B(z)+0.1i)+c$${\frac{B(z)^3}{B(z)+0.1i}+c}$$は$${z^2+c}$$に対してバーニングシップ変換($${B(z)}$$のこと)と摂動という二つの変化を同時に与えた関数ですが、マンデルブロ集合の見た目には$${B(z)}$

          今週のフラクタル28 (B(z)^3/(B(z)+0.1i)+c 他)

          分解型複素数とフラクタル

          どうも、108Hassiumです。 以下の記事で、「分解型複素数」というものを紹介しました。 この記事では、分解型複素数を使ったフラクタル図形についてもう少しだけ深堀したいと思います。 定義と計算例分解型複素数は、$${j^2=1}$$を満たす実数でない$${j}$$と2つの実数$${x,y}$$を用いて$${x+yj}$$と表せる数です。 複素数が「$${i^2=-1}$$となる数を実数に追加してできる数」であるのに対し、分解型複素数は$${j^2=1}$$を満たす

          分解型複素数とフラクタル