今週のフラクタル37 (c(3z^4-4z^3)+1&c(3z^4-4z^3+1))
どうも、108Hassiumです。
今回は$${c(3z^4-4z^3)+1}$$と$${c(3z^4-4z^3+1)}$$に関するフラクタル図形をお届けします。
c(3z^4-4z^3)+1
$${f(z)=c(3z^4-4z^3)+1}$$の臨界点は$${z=0}$$と$${z=1}$$の2点で、$${z=0}$$の方は多重度が2になっています。
さらに、$${f(0)=1}$$なのでこの関数は$${c(2z^3-3z^2)+1}$$のような「臨界点が実質1個しかない関数」になっています。
※☟$${c(2z^3-3z^2)+1}$$に関する記事
ジュリア集合は$${z^6+c}$$のものと似た六角形の収束領域が目立ちますが、よく見ると$${z^2+c}$$のジュリア集合のような収束領域も見られます。
左側にある大きな六角形の真ん中あたりに$${z_0=0}$$の点があり、右の$${z^2+c}$$のジュリア集合のような収束領域の中に1に対応する点があります。
$${z^2+c}$$のジュリア集合のような形の収束領域は、出現しなかったり小さすぎて見えなかったりすることがあります。
いつものです。
c(3z^4-4z^3+1)
$${f(z)=c(3z^4-4z^3+1)}$$の臨界点は$${z=0}$$と$${z=1}$$の2点で、$${z=0}$$の方は多重度が2になっています。
さらに、$${f(1)=0}$$なのでこの関数は$${c(2z^3-3z^2)+1}$$のような「臨界点が実質1個しかない関数」になっています。
$${z^6+c}$$のような六角形の収束領域があるのは同じですが、$${z^3+c}$$のジュリア集合のような三角の領域がある点が$${c(3z^4-4z^3)+1}$$とは異なります。
アレです。
臨界点の重ね合わせ
$${c(3z^4-4z^3)+1}$$と$${c(3z^4-4z^3+1)}$$、そして$${c(2z^3-3z^2)+1}$$のような関数における臨界点の多重度とジュリア集合の形状について、以下のような法則を発見しました。
まず、$${f(z)}$$の臨界点のうち2つを$${\alpha}$$、$${\beta}$$とし、それぞれの多重度を$${m_{\alpha}}$$、$${m_{\beta}}$$とします。
そして$${f(\alpha)=\beta}$$が成り立つ(他の臨界点の間にはそのような関係はない)場合、$${f(z)}$$のジュリア集合は
$${\alpha}$$は$${z^{(m_{\alpha}+1)(m_{\beta}+1)}+c}$$のジュリア集合のような$${(m_{\alpha}+1)(m_{\beta}+1)}$$角形の収束領域の中にある。
$${\beta}$$は$${z^{m_{\beta}+1}+c}$$のジュリア集合のような$${m_{\beta}+1}$$角形の収束領域の中にある。
・・・というような特徴を持つようです。
例えば$${f(z)=c(3z^4-4z^3)+1}$$の場合、$${\alpha=0}$$、$${\beta=1}$$とすると$${m_{\alpha}=2}$$、$${m_{\beta}=1}$$になり、$${f(\alpha)=\beta}$$が成り立ち、ジュリア集合の形状は
0は$${z^{(2+1)(1+1)}+c=z^6+c}$$のジュリア集合のような6角形の収束領域の中にある。
1は$${z^{1+1}+c=z^2+c}$$のジュリア集合のような収束領域の中にある。
・・・というようになっていました。
$${f(z)=c(3z^4-4z^3+1)}$$の場合は$${\alpha}$$と$${\beta}$$が入れ替わり、
1は$${z^{(1+1)(2+1)}+c=z^6+c}$$のジュリア集合のような6角形の収束領域の中にある。
0は$${z^{2+1}+c=z^3+c}$$のジュリア集合のような収束領域の中にある。
・・・となります。