見出し画像

詮無い

人間であることと恋愛をすることは対で、大人と結婚は対だ。結婚と子を成すことも、多分対だ。
そういうふうに出来ている以上、きっとわたしはいつまで経っても人間たり得ない。全部を満たせない。20年以上生きているくせにだ。四半世紀!歳を取る毎に締め出されていく。社会という通念から取り残されていく。何を言っても惨めばかり残る。常識という束縛。通過儀礼という柵。恋人がいることが当たり前なんだそうだ。あなたになにを言われたって残るのは羨望と僻みばかりです。見下されていると、哀れに思われていると自虐するだけです。マッチングアプリの広告ばかり。御前は落第生だって学生時代は適当に良い成績を取っていればいい子だったのに!寂しさを人で埋められる人の方が余程、どんなに白い目で見ても結局俄然羨ましい。孤独は悪です、1人は罪ですか。悪いのはわたしですか。みんな雁首揃えて恋人の事ばかり話すじゃないか。周りに取り残される度に独りばかりが上手くなる。安い恋がしたい訳じゃないんです、誰かと添い遂げる自信も資格も度胸もありませんし子を残すなんて以ての外です、ひとりが好きです、ひとりを好きにならざるを得なかったこの自分だけが、ただただ忌々しくて、こんな世界で淡々と孤独感だけを募らせるしか無かった、その事実だけが、偏に虚しくて、寂しくて、そうして憎いだけなんです。わたしは人間ですら無いのではなかろうか。それだけが不安と焦燥感を無性に掻き立てて引っ掻いて、そうして年々心がざらついてゆく。人間になりたい、人間になりたかった、わたしだって。冬も夏も結局寂しい。何をしてもひとりはひとり。1人で死にゆくならどうか、早いうちがいい。これ以上の孤独に浸る前に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?