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月イチ三題噺

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ほぼ毎月、月に1度、短めの三題噺を更新しています。
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2020年5月の記事一覧

例えばいま、淡い色に溺死するような

例えばいま、淡い色に溺死するような

「お茶にでもしようか?」
昨日と同じように戸棚を開ければ、やっぱり昨日と同じように目が合った。昨日と違って返事はなかった。笑顔みたいな、何か言いたげな、少し泣きそうな、曖昧な顔をしていた。まるで耽美だ、と遠くの方で思った。窓際、閉じられたなにかの本、白磁みたいにすらりとした指は、きっと美しい。「お砂糖は3つね」。しってるよ、とは言わなかった。ぼくより少しだけ甘党なのも、やっぱりいつもと変わりは無い

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