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うだ すいか
2020年5月4日 00:30
「お茶にでもしようか?」昨日と同じように戸棚を開ければ、やっぱり昨日と同じように目が合った。昨日と違って返事はなかった。笑顔みたいな、何か言いたげな、少し泣きそうな、曖昧な顔をしていた。まるで耽美だ、と遠くの方で思った。窓際、閉じられたなにかの本、白磁みたいにすらりとした指は、きっと美しい。「お砂糖は3つね」。しってるよ、とは言わなかった。ぼくより少しだけ甘党なのも、やっぱりいつもと変わりは無い