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#32《登校拒否》男の子くんの気になる事象“キレる”

不登校になる前は無かったのに、
不登校と同時期くらいから普段の生活の中でも
ちょっとした気になる事象がある。

  • 一人で寝付けない(母が来るまで何回もリビングに見に来る)

  • 朝起きられない(一時期のみで現在解消)

  • 夫の通勤や姉たちの習い事の送迎に付いてくる(前まではひとりで家で待って、ゲームが出来る時間として喜んでた。)

  • 食事はママの隣

  • 少しの事で激しく怒り、暴言(死ね、殺す)を吐く


この中でも、
《少しの事で激しく怒り、暴言を吐く》
いわゆる“キレる”と呼ばれる事象について。

男の子くんといえば、口調や行動は優しくて穏やか。
思考は論理的で、言葉でそれを表現することも出来る。

だから、“キレる”という言葉を男の子くんに対して使うのは今でも抵抗がある。
それくらい、男の子くんがキレることに違和感があった。



始まりは父親とのやりとり。

少しの事で泣いたり、弱々しい口調になることはこれまでもよくあって、
父親はそれをよく思っておらず、注意することも度々あった。

頻度が多かったのか、内容があまりに幼稚だったのか、
父親はすぐに泣くことをいつも以上にからかった。

すると、
激しく泣いて、大声で汚い言葉を叫ぶ。
自分の良くない部分は棚にあげて、全て父親のせいにする。
しかも、母が自分の味方となり、慰めてくれるまでおさまらない。


当時は完全に不登校でもなかったし、不登校との関連は考えてもなくて、
父親があおるせいだと思ってた。


しばらくすると、姉弟喧嘩でもそんな怒り方を見かけた。
また、“そんなことでそこまで怒る?”と疑問に思うこともあった。

でも、喧嘩の原因を
一語一句逃さず聞いているわけでもないし、その時のお互いの表情や前後の話の流れなどを全て把握しているわけでもないので、
男の子くんなりに許せないポイントがあったのかな?
程度に思ってた。

それどころか、普段が優しすぎるから、
こんな自己主張もするようになったんだなぁ!
普通のワガママな小学生男子みたいじゃないか!くらいにも思っていた。


数日前、いつも通り付き添って下校中。

給食を食べられるようになったのもあり、双子の女の子ちゃんとそのお友達数人と一緒に下校してた。

その中の一人のお友達とのやり取りで男の子くんに何か不満があったようで、
(詳細は見ておらず不明)
男の子くんが怒ってる。

私の手を引き、
「先に帰ろう」
と誘ってくる。

この時は少し怒ってる程度に見えた。

何も知らない双子の女の子ちゃんが
「待って~」
と叫んでるので、男の子くんと先に帰るわけにもいかず、
一緒に道をしばらく歩いていると、男の子くんが怒って叫び出した。

私はその時、近所で女の子ちゃんが最近よく遊ぶようになったお母さんと初めて会うことが出来て、
ラインの交換を求められてたのもあり、男の子くんが叫び出したキッカケが掴めなかった。

それでもずっと横にいたし、
何かあったようにも見えなかったし、
突然怒り出す男の子くんの行為が不思議に思えた。

怒りはおさまらず、
初めましてのお母さんのお嬢様に向かって、
「シネ!!!コロス!!!」
と叫んだ。

・・・なんてことだ。


たまに家族内の喧嘩で見かけた、このパターン。
まさか、お友達に向けても。。。

男の子くんの怒りはおさまりそうもないので、
集団から抜けて、私と男の子くんの二人は別の道から帰る。

男の子くんは私から共感し寄り添ってもらえないと落ち着かない。
でも、お友達に向かって「シネ」「コロス」と発言したことがどうしても許せない。
許してはいけない。
許されたと勘違いさせてもいけない。

道端で私も大きな声で叱った。
『何か嫌なことがあったんだろうけど、それでも『死ね』とか『殺す』なんて言っちゃダメ!!!』
「悪いのはアッチだし!!!」
私は男の子くんの手を振り払ってズンズン歩く。

どうしてダメなのか。
相手はどんな気持ちになるのか。
自分に共感してもらいたい男の子くんは、そんな母の言葉なんて入ってこないんだろう。
それでも、ダメなことをしたという事をわかってほしくて、そんな男の子くんは受け入れられない、という姿勢をまずは貫いた。
外だからって許したりしない。
人影が見えても叱った。


家に着いて、
まだ泣きじゃくる男の子くん。

抱き締めて落ち着かせる。
口調は柔らかくして、暴言がどうしてダメなのかを繰り返し伝える。
相手の気持ちになって一緒に想像してみる。

それでも、
「向こうが先にやった。それのせいだ。」
この主張は変わらない。
まだ自分は悪くないと思っているみたい。

きっかけが相手であっても、暴言が許されるわけではないことを繰り返し伝える。

男の子くんに通じたのかどうかわからないけれど、
「○○ちゃんに謝りたい。ひどいこと言った。」
と、先程までとは違うトーンで泣き出した。


自分の間違いを認められたので、
この後は改めて落ち着いて、もう一度事実確認をした。

・押されたことが嫌だった
・一年生のときからあって、転んだこともある
・押さないでほしいことを伝えたときもある
・実際の強さの再現(それほど強くないが男の子くんにとっては強い)
・女の子ちゃんの目撃確認(あまりわかってない。ふざけて遊んでる程度な感じ。)

以上のことから、
男の子くんにとってはとっても嫌なことだけど、
周りのお友達にとっては仲良く遊びたい気持ちかもしれない。

ここにギャップがあること。
男の子くんは周りのお友達より“嫌だな”って感じる気持ちが強いこと。
それは男の子くんが悪い訳じゃないこと。
でも、そんな違いを知っておいたらお友達から何かされて嫌なことがあったとき、少しだけ許せるかもしれないこと。

そんな話をした。

男の子くんからは、
自分が他の人より強く嫌だと感じてしまうことを、ママから相手のママに伝えておいてほしい。
とお願いされた。


暴言を吐いてしまったことへの謝罪と
男の子くんの特徴を
ついさっき、初めましてでライン交換したお友達ママにお伝えする。


有難いことに、、あたたかい内容の返事が来た。
お母さんも娘ちゃんも、男の子くんのことを心配してくれていた。

そして、そのお家のお兄ちゃんの話をしてくれた。

男の子くんと少し似ていて、
感情のコントロールやお友達とのコミュニケーションがうまくできずにステップ教室の経験があること。
三年生くらいまでは学校に行きづらかったこと。
ステップ教室でのサポート内容が充実してたこと。


つい数時間前の出会いから、まさかの
かなり有益な情報を得る展開。
ステップ教室の新たな側面を知ることが出来た。

また、そのお母さんの言葉の表現から、
男の子くんのこの事象は、俗に言う【キレる】なのだと理解した。

ステップ教室は勉強面の不足を補ったり、
通常生活の不便(整理整頓等)を訓練するのだと思っていたので、男の子くんの不登校とは関係ないと思い込んでいた。
し、カウンセラーの先生からもそう聞いていた。

でも、そうじゃなくて、
男の子くんの【キレる】をそこまで問題視していなかった私は、そのことをカウンセラーさんに話していないのだ!!!

・・・なんてこった。

いや、今気づけて良かった。

男の子くんがあの場所であのタイミングでキレたことで、まさかこんな新たな道が開けるなんて。




もしかして、私が知らないだけで、
今までもお友達に暴言吐いてた?
考えるとゾッとする。

いや、でも、
家で【キレる】を見かけるのも不登校ぎみになってからで頻度も少ないし、
学校へはほとんど付き添い状態だし、
学校に着いてからのお友達が駆け寄ってくる様子を見ても、
それは大丈夫な気がする。

でも、ゼロではないかもしれない。


頻度は少ないけど、
不登校が始まった時期と重なって気になっていた事象のひとつ、
【キレる】
に、気付きやっと向き合うことが出来た1日でした。

(まだなーんにも解決はしていないけれど)


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