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【日記】ちょっと髪を切った

青春ごっこを今も
続けながら旅の途中

あたしには行きつけの美容室がない。就職で地元に戻ってきてからは、髪をきるときは適当にホットペッパーで探したお店に新規クーポンを使って巡っている。

ほんとうは行きつけのお店が欲しいのだけど、どこもなんとなくピンとこないし、なにより「美容師さんと仲良くする」というのがあたしにはハードルが高い。美容師さんには、「無理して話題なんか提供してくれなくていい」、「目の前の作業に集中して欲しい」とか思っちゃうタイプだ。

我ながら自意識過剰だと思うけど、会って何分かの人が無理矢理絞り出した質問に、不器用に答える自分の情けない顔が鏡にうつるのがほんとうにいやだ。ひねり出しても苦笑いしかできない。いや、そもそも自分の顔が好きじゃないからどんな表情でも同じだよ。鏡がなければ美容室はもうちょっと気楽に行けるのかもしれないな。

前置きが長くなってしまったのだけど、きょうは髪を切ったという、それだけの話なんだけど、それだけだからここに書きたいと思う。

髪を切る時は、車で1時間の佐賀市内のお店を予約して、買い物がてら、ドライブがてら行くのがほとんどだ。今日も適当に、空いていて、そこまで高くないお店を予約した。

AM11:00 お店に入って、席に案内して挨拶してくれたのが背が185cmくらいあるパーマでキメキメの男性美容師M氏。マスクだからよく見えないけどすごく声低いし40代くらいかな。とりあえず男性美容師は苦手だ。かまえた。

「今日はどうします〜?」

3ヶ月伸ばしっぱなしだったモサモサショートを、とりあえず量を減らして襟足を短くしたい旨を伝えると、髪を触りながらいきなり

「あ〜これ、前に切ったの、いつ?」

まぁびっくり、タメ口かい!と思っていたら、前に切ってくれた人の梳き方がダメだったらしく、なんか専門的なことを説明してくださった。要約すると、「変な梳き方をされたところを俺がなおしていくから、半年くらいかかるけどよろしくね」ということらしかった。

あ、これ何回か通うパターンなのか?
ようやく治療が終わったというのに、何ヶ月後かにまた見せに来てくださいねって言ってくる歯医者のやつだ。

ここを?行きつけのお店にするのか?
そういうことを勘定に入れなきゃなので、どぎまぎしていたら、話の流れで、高校時代の話になった。聞くと、あたしと同じ高校で同じ部活の子が何人か聞いてたらしい。いろんな先輩や後輩の顔が浮かんできたので、ミルクボーイばりにどんな特徴だったか聞こうとしたら

「今年25?じゃあ、同い年やん」

と、M氏とまさかの同い年だとわかって、勝手に40代と決めつけていたので拍子抜けしてしまった。10秒くらい考えたけど、その時はシャンプー中だったのですぐに顔を見られなくて、そのあとも10秒くらい固まっていたかもしれない。

そのM氏とは高校は違ったけど、あたしの高校にいた何人か名前を挙げた。2年生のときに甲子園に出た子とか、話のネタのために北京大学に入学した子とか、名前を聞けばわかるけど、たぶん向こうは絶対あたしのこと覚えてないだろう人たち。

とか、なんとか考えていたら、あっという間にカットは終了。カット自体は30分足らず、いや、軽くセットもしてもらったから20分くらいだったかも。「そもそもそんなに切るとこないから」みたいな口調で、ブローやセットの助言を頂戴した。

そうだ、そもそも髪の毛を整えたかったのは、週末に半年ぶりの主催コンサートを控えていて、全体のマネジメントや手配をしながら、なぜか司会進行もするはめになったからだ。憂鬱極まりないのだけど、月半ばには、また規模の小さな講演会の進行もしなきゃいけないことも思い出した。

同い年なのに自信満々に、次の予約は自分を指名するように迫ってくるM氏が羨ましい。ついでに、しぬほど暗かった高校時代のことまで思い出した。

髪の毛は軽くなったけど、明日からの仕事を考えるとほんとうに心が重い。叫んで逃げたいくらいやることが多くて、眠りにつく前から、もう帰りたい。帰りたい。

きょうは8月31日。梅ちゃん(大学の時の友達)の誕生日だ。気持ちはグズついていても、そんなの関係なしに空気はグラデーションのように徐々に変わっていく。LINE送ってから寝よう。

生きててよかった 生きててよかった
生きててよかった そんな夜はどこだ

♪深夜高速 / フラワーカンパニーズ


【余談】
今夜は、にわかファンをしている本屋、B &Bの配信イベント/曽我部恵一×鈴木圭介×カツセマサヒコ「下北沢に馴染めた人、馴染めなかった人」を拝見、最高でした。10代や20代でフラカン聴く人は少ないかもしれない(なんせあたしの倍いきてらっしゃる)けど、♪深夜高速 は、あからさまな名曲なので、知らない方はぜひ、おチェケ。何個か前の投稿で取り上げたあたしの親友ごんの車で勝手にめちゃくちゃ流して、ほんとうに深夜に高速走りながら聴いたときは震えました。見苦しいほどひとりぼっち!

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