沖縄特産品アーサの美味しい食べ方とは!?
はいたーい!沖縄料理研究家の宮澤かおるです。沖縄の海苔と言えばアーサ。きれいな緑色で岩場に生息する海藻類です。
今回は、アーサとアオサの違い、アーサの栄養価、美味しい食べ方、琉球王国時代にも食べられていたのか?などアーサの魅力をご紹介します。
■アーサとアオサの違いとは?
沖縄方言ではアーサと呼ばれ、一部ではアオサともよばれますが、全国的に出回っているアオサとは分類上異なります。
海藻にはたくさんの種類があり、沖縄のアーサはヒトエグサ属のヒトエグサです。そのため和名では、ヒトエグサともよばれています。
上記の図のように、
植物的分類は【アオサ藻綱】で同じですが、細胞体の構造などによって分類されているのです。
アーサをアオサと言っても間違えではないですね。最近では、乾燥アーサのパッケージには、【商品名:アーサ(ヒトエグサ)】と記載していることも多いので、購入するときに確認してみてくださいね。
■アーサの旬や主な産地
アーサの旬は、1月~4月。
干潮時には、海岸で岩に生息した天然アーサが収穫でき、沖縄では春の風物詩のひとつです。また、養殖も盛んで、沖縄県内では、北中城村や、恩納村・宮古島などが主な生産地です。
■アーサの栄養素や効能
アーサの主な栄養素は、腸内環境を整える食物繊維、身体の機能調整をするミネラル類(カルシウム・カリウム)、さらに、体内でビタミンAに変換されるβ―カロテンが豊富で、皮膚や粘膜の健康を保ち美肌や病気予防の働きがあります。
他の海苔類と比較してみると、カロリーが低く、カルシウムや食物繊維が豊富な食材です。
■アーサはいつの時代から食べられていたの?
いつの時代から食べられていたのか気になって調べてみましたが、信頼できる情報は見当たりませんでした。
しかし、琉球王国時代の栄養学書 御膳本草のコケ類の欄には、乾苔(アオノリ)や、地衣(ハタケアヲサ)との記載があります。海岸で生息する食材なので、その時代より前から食べられていたことが推測できます。
御膳本草については
以下のコラムで解説しています。
https://note.com/1026okinawa/n/n394872f06212
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那覇市内にある波の上ビーチ。個人的にも好きな海の1つで、那覇でお仕事をする際は必ず立ち寄る場所です。
現在は、キレイに整備され人工ビーチとして観光スポットの一つですが、昭和初期の頃には、この波の上の海沿いでも、アーサが収穫でき、近くの市場では乾燥アーサが販売。
さらに、アーサが旬な時期には、家族総出で大量のアーサ採りをしている家庭が多かったようです。収穫したアーサを持ち帰り、よく洗い乾燥させ1年分の保存食とされていたとの記録があります。
このようにアーサは沖縄で
昔から親しまれている食材なのです。
↑ 沖縄県 岩場の天然アーサ
まるで緑のじゅうたんのようですね。天然ものを収穫するときは、砂などをよく洗うのがポイントです。
■アーサの美味しい食べ方とは?
香り豊かな生のアーサは、沖縄県内で出回りますが、県外ではなかなか手に入らない貴重な食材。しかし、乾燥タイプのアーサは他県でも販売されていて手に入りやすいですね。また乾燥タイプのアーサは、賞味期限も長いので、ストックにもおススメですよ。
アーサの香りを楽しむ美味しい食べ方は、やはり、沖縄郷土料理のひとつ アーサ汁です。
カツオ出汁に塩と醤油で味を付け、島豆腐とアーサを入れるシンプルな1品ですが、磯の香りに癒されホッとする味わいです。
また八重山では、アーサ汁を「あーさぬする」・「ゆくずる」とも呼びます。【風味ある最上の汁】とされ、お祝いや行事食などハレの日の1品として食されてきた伝統料理の1つです。(※1)
その他、卵焼きに入れたり、味噌汁・雑炊・沖縄そば・ラーメンにトッピングもおススメですよ。
今が旬のアーサ。
手に入ったら磯の香りを味わってみてくださいね〜♪
■食のレシピサイト 食ZENラボさまでは、
アーサ汁のアレンジレシピをご紹介しています。
こちらも合わせてご覧くださいませ~♪
▼ぷりぷりエビ団子のアーサスープ♪磯の香りが食欲を誘う
https://shokuzenlab.com/recipe/condition-have-poor-digestion-seaweed-soup/
▼参照
※1 農山漁村文化協会 聞き書沖縄の食事
https://www.jstage.jst.go.jp/article/conf/2K/0/2K_101/_pdf/-char/ja
https://www.hro.or.jp/list/fisheries/marine/att/o7u1kr00000019f5.pdf
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