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語り継がれる「ぬちぐすい」

沖縄方言の「ぬちぐすい」とは?!

沖縄の方言でぬち『命』ぐすい『薬』ぬちぐすいとは命の薬という意味。薬になるほど効果がある食べ物、美味しい料理で心も身体も元気になるものぬちぐすいです。

食の表現だけでなく、例えば「沖縄のきれいな海をみて癒された~!」、「沖縄イベントのライブで最高に楽しかった!」など、心と身体が元気になる、薬になるほど効果があるものについてもぬちぐすいと表現されます。

ぬちぐすいは人それぞれ違いますね。この心と身体の栄養は、現代社会に必要不可欠なものだと思います。皆さんのぬちぐすいはいかがでしょうか。
是非、ぬちぐすいを日常に取り入れたいものです。しかし、毎日海や沖縄イベントには行けませんね。そこで毎日の生活「」で心も身体も元気に!ぬちぐすいを取り入れるのがおススメです。

クスイムン、クスイムンの代表料理

一方、沖縄方言にクスイムンという言葉があります。このクスイムンとは薬になるもの、食後にはクスイナタンといい、「食べたものが薬になりました」という意味。沖縄の先人が、病気の時に食材を組み合わせ、薬の代わりにしていた食の知恵です。代表的な料理や栄養素をみてみましょう。

クスイムンの代表的な料理
◆ターイユシンジ【フナとホソバワダン(ンジャナ)の煎じ汁】

鮮度の高いフナを鍋に入れ、ホソバワダン・水・酒を加え時間をかけて煎じ、その浸出エキスを飲みます。先人の知恵では、風邪などの熱覚ましに用いられていました。フナには、脳や神経を正常に保ち、糖質をエネルギーに変え疲労回復を助ける働きがあるビタミンB₁が豊富に含まれます。ホソバワダン(ンジャナ)には、喉や鼻の粘膜を細菌から守る働きがあるビタミンA、体内の水分調整をするカリウムがなどが含まれています。このように先人の言い伝え通り、疲労回復を助け、風邪の回復によい組み合わせす。

◆チムシンジ【豚レバーと島人参の煎じ汁】
鍋に、ひと口大に切り臭みをとり除いた豚レバ一、斜め切りにした島人参、薄切りにした豚肉、酒、水を加え強火で煮込み、アクを取りながら煮汁が半分になるまで煮つめる。好みで塩、にんにくを加えます。先人の知恵では滋養食、疲労回復などに効果があるといわれています。豚レバには、たんぱく質やDNAの細胞合成にかかわる亜鉛、解毒作用に必要な補酵素を作ったり・酸素を全身に運ぶ赤血球つくり貧血予防の、鉄の吸収を助けるが含まれます。島人参には、喉や鼻の粘膜を細菌から守る働きがあるビタミンAなどが含まれています。良質たんぱく質の豚肉には疲労回復のビタミンB₁、免疫力を高める良質たんぱく質が含まれ、まさに滋養食ですね。

このように煎じて薬の代わりにしていた煎じ汁のことをシンジムンといい、食材の栄養価を考えた料理です。沖縄のぬちぐすいクスイムンは、医食同源の考えで先人から語り継がれたものです。

ぬちぐすいやクスイムンの起源は琉球王国時代にあった!?

ぬちぐすいや、クスイムンはどこから伝わったのでしょうか。この原点は琉球王国時代にあります。琉球王府の医師 渡嘉敷親雲上通寛(とかしきぺーちんつうかん)は、琉球王尚灝(しょうこう)の病気を治すため、中国に渡り食材の効能や、現代の食事療法のようなことを学びました。その後、著した本が琉球食療法の指導書「御膳本草」です。この「御膳」とは王様のための膳、「本草」とは中国の伝統医学における薬物の学問を意味し、王様のための治療食本のことです。この本の内容は、大災害が続き飢餓の最中、王様が蔵をあけ救済にあたった際に一般庶民にも伝えられたとされます。
*写真は1961年當間清弘氏が出版した復刻版です。

また、当時中国では、医師にランクがあり、位の高い順に食医(現代の管理栄養士)→疾医(現代の内科医師)→傷医(現代の外科)→獣医だったという文献がありました。このように食べ物で治療する食事療法が一番重要とされていたことがわかります。毎日の食習慣が身体を作る。まさに医食同源です。ぬちぐすいクスイムンの考え方は、この薬食同源や医食同源が語り継がれたものです。現代に忘れかけている食の大切さ。次世代にも伝えていきたいですね。

*トップの写真は、食のアドバイザーをさせていただいている沖縄県北中城村にあるEMウェルネルリゾートコスタビスタ沖縄ホテル&スパの朝食コーナーです。ぬちぐすいコーナーをご提案させていただきました。自社農園で育った無農薬野菜を使用したぬちぐすいになるような料理が食べられるホテルです。訪れた時はぜひ^_^

コスタビスタ沖縄ホテル&スパ の詳細は以下のURLからご覧になれます。
https://www.costavista.jp/

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