読書と平凡な日常26 心なしかAI
どうも、紅りんごです。私の1日の始まりと終わりははソシャゲ基準なので、まだ1日は終わっていません。だから、これは22日分の更新なんです……なんて屁理屈は置いといて、さっそく紹介に移ります。
26冊目は早坂吝『探偵AIのリアル・ディープラーニング』。探偵役がAIというのは、何とも突飛な発想にも思えるが、近い将来あり得る話だと思うと面白かった。しかし、登場人物が無駄に多い気もしなくはないのが事実です。シリーズものみたいなので、次巻も読んでみたいと思います。
さて、人間らしさを見せつつも、言葉を柔軟に捉えられなかったりと、AIであるが故の壁も見せてくれる本作。それでもいつかAIは人間に並び立つのではないか、とも思わされました。AIが人間の持つ『こころ』を会得する日も近いですね、たぶん。
その人間の言動を学習させ、対面しても遜色ない見た目であれば、知り合いがAIになっていても気付けないかもしれません。電話口ならなおさらです。そうして、いつのまにか自分以外がAIに……なんて。
また、人間には『こころ』があるから人間だけが小説が書ける、なんてことはないと思います。その内、AIも良い文章を書けるようになるでしょう。それこそ、人間が書いた文章と混ぜても分からない程に。人間しかできないと思ったことさえAIができるようになった時、人間は自分達の存在意義を維持できるのか、興味が湧きますね。
ここまで、AIが人間に追いつき、やがて追い越して行くという話をしてきました。でも、AIは人間のこれまでの活動を元に学習するのですから、『それまでの人間に勝る人間』とも言える気がします。AIが進歩するというのなら、学習され尽くす前にこちらから世界を広げていけばいい。囲碁や将棋には盤面という限界はあれど、芸術や文学には限界はない。人間の発想はどこまでも自由で学習し尽くすせるものではないと思います。たとえAIが『こころ』が何たるかを理解し、人間が如く振る舞える様になったとしても共存できる。それどころか、AIから学び更に飛躍できるはずです。
自分の手に余る怪物を創り出して、初っ端に殺される博士。マッドサイエンティストあるあるですが、AIと人間の関係もまたこれと同じことになるかもしれません。しかし、いくらAIの進歩が凄まじいとしても、人間が歩みを止めなければ人間の価値が消えることはない、と思います。人間は電子の海にも想像の空へも飛び出していくことができます。その自由さこそが、AIの勝ち取れない人間の存在意義だ、なんてゆるゆると考えました。
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