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あなたが消えても鳴き続ける

あなたが見えなくなろうとも
僕はあなたを思ってうたうのをやめない
この身が裂け崩れるまで踊ろう

いずれお別れだ
あなたの肉が滅びる日はすぐそこ
それより前にあなたは僕の遊び場へ
姿を見せなくなるかもしれない
いずれお別れだ

僕たちの体が
どのような形に変わっても
僕たちの思考が
どのように傷んで弱っても

心臓が赤く美しい血をこの身に巡らせて
僕の淡い魂がこの身に巣食う限り
歌をうたい
絵をえがき
詩をよみ
舞い続ける
あなたが僕を忘れても
僕があなたを忘れても
僕の淡い魂は律動を止めないから
あなたを感じる今
その熱と脈を僕の身に刻む
形が無くても踊れるように
名前を忘れても呼べるように

鳴き交わそう
今そこに声のあるならば
声でも言葉でも温度でも振動でも
何でもいいの解き放って
僕にあなたを感じさせて

今あなたがそこにあるのなら
うたって
踊って
ぼくに愛させて

たとえあなたが消え去っても
うたって
踊って
ぼくは愛してやる




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