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「血流ゼロトレ」から取り入れた「いらないストレス」の向き合い方

 毎日母親を介護することに向き合っていると、どうしようもなく息がつまりそうになったり、逃げ出したくなったりすることが、たびたびやってきます。

 日々、さまざまな気持ちを書き出して整えていますが、それを上回る勢いで逃げ出したくなるときは、書店にや好きなお店に向かいます。

 書店では目的もなく、ふらふらと見て回ることが多いです。今回、手にとったのは、内臓下垂の対策に興味があったので「血流ゼロトレ」。エクササイズは5種類だけというのが、ずぼらなわたし向きです。

 運動に時間を割けないときは、多裂筋、内転筋、腸腰筋など、動かしにくいずぼらな筋肉にピンポイントでアプローチするエクササイズをスキマ時間に取り入れています。それに追加して、朝起きてすぐに血流ゼロトレを導入してから、体が温かくなるのが早く感じます。

 本書は「血流がすべて解決する」シリーズ著者の堀江昭佳さんと「ゼロトレ」シリーズ著者、石村友見さんが「血流ゼロトレ」を完成するまでの話や、心身について書かれています。
 目的は内臓下垂対策のためのエクササイズを知ることでしたが、それだけではなくストレスの向き合い方について参考になった点がありました。

 たとえどんなに小さなことでもストレス貯金をしないために、外に出して表現してもいいのだなあ、と思うことができました。

 「いらないストレス」にどう向き合うか、という項目の中に、「やりたくないことを我慢してやらされている」ときに人は強いストレスを感じるもので、例えば食器を洗い終わったあとに夫や子どもが飲んだコップを置きっぱなしにされるたびに、小さなイライラが溜まってしまう、という流れから、「いらないストレスが嫌なことなのは、自分の時間、人生を誰かのために犠牲にしているから」とありました。

 ストレス対策の提案としては、いやなことはやらない、どうやったらそれをやらずに済むか?、やらない方法を考えて実践しましょう、と書かれています。

 わたしの場合は家事関連のやりたくないことの対策は、すでに食洗機を導入しているため食器の片付けにそれほどストレスは感じません。介護についてはひとりで抱え込まないように、サービスを受けられる範囲で訪問看護や理学療法士のリハビリをお願いしてますが、母と一緒に暮らしている以上、物理的な距離は取りづらいのが現状です。

母に向き合っていると、息が詰まって逃げ出したくなる、と思ってしまうことに罪悪感を覚えるため、それがよけいに疲弊してしまうように感じます。

 本書を読みながら、この程度のストレスは外に出してはいけない、と思い込んでいた自分にふと気がつきました。いやだと感じることは、一旦そのまま受け止めて、次に進むためにどうするか考える、まずはそうしてみよう、と思います。

 外部の力を借りるという点では、ボディーワークなどで心身を整えることも有効だと感じていますが、疲弊しすぎてしまい誰かに会ってメンテナンスしてもらうことにも向き合う気力がないときは、好きな場所、空間で過ごします。

 逃げ出すことに、後ろめたさを感じる部分もありましたが、自分でさらに気持ちを追い詰めても、リセットできないばかりか、引きずるだけなので、わたしには逃げ場も必要、と今は割り切っています。

 書店以外では、思い立った時にひとりでふらっと入れるお店中心に、自分の逃げ場所リストを作っています。ホテルや和食、洋食、カフェなどジャンルは様々です。

 例えば鎌倉周辺を散歩するのが好きで、いくつかお気に入りのお店があります。先日訪れたのは、なると屋+典座です。

野菜中心の創作和食でランチは月替りの3種類のメニューになります。
7月のメニューは下記のものでした。

 小町通りにあるお店の入口から階段上り、店内に入ると喧騒から離れて静かな空間が広がります。平日に訪れているため、最近の土日の様子は把握していないのですが、ひとりで来店される方も多い印象です。

葛とじうどんと惣菜三品

 野菜をたっぷりいただき、いつもと違う空間で過ごしていると、ようやくざらざらした心が落ち着いてくるのを感じることができます。

 素材をいかした野菜本来の味を期待すると、ちょっと違う場合もあるかもしれません。母の食事にあわせて減塩の生活を送っているためなのか、久しぶりに味わったメニューは、かなりしっかりした味付けに感じました。

7月のごはん

 身体と心と食事と、同時に整えていくことが理想ですけれど、疲れているときや逃げ出したいときは、外部の力に助けてもらうことも大切です。

 忙しくても、疲れていても、自分が心地いいと思えるものを、常に思い出せるようにしておこうと思い返す時間でした。

ずぼらなわたしが、食事でも自分を整えるときに、参考にしたい本。

毎日ノートに気持ちを書き出し、心を整えることに取り組んでいます。


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