図書館、音(2023/12/16)
休みの日に会社の仕事をやるのも大概にしておこうと思って、今日は一月ぶりに娘と図書館へ行った。
前回、内田百閒全集の六巻を借りて半分までしか読めずに返してしまったのを、もう一度借りるつもりで持って行くと、あいにくカウンターが全部塞がっていた。
自分が並んだすぐ前には品のある感じのお婆さんがいて、「これと、これと、ちょっと待ってね」と言いながら、返す本を鞄から次々出して重ねている。
全体何冊持って来たか知らないが、あれでは随分重かったろうと思っていると、お婆さんは本を出しながら「ぷぅ」と放屁した。
そうして何もなかったように本を出しては重ね、カウンターの女性は表情も変えずにそれを待っている。きっと位置のせいで「ぷぅ」が聞こえなかったのだろう。ただ自分ばかりが笑いを堪えてふるふるしていた。
お婆さんが出て行った後、借りる本を持って娘がやって来た。
「さっきいたお婆さんな、おならしてったぞ」と小声で教えてやったら、「ふーん」と言ったきり、笑いも驚きもしなかった。それで、こいつ大きくなったものだ、と随分感心した。
それから車にガソリンを入れて帰った。
よかったらコーヒーを奢ってください。ブレンドでいいです。