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午前3時から始まるプロの仕事はブラックなのか。被雇用側とは違うたった1つの考え方。

本日はとある撮影のため私の元へ多くの撮影スタッフが来てくださいました。車両はロケバス×1、機材車両×1、劇車×2、その他×1、総勢20名ほどとこれまで私の元へと来た取材の類では最大級でした。

写っているのは全てスタッフ関係者

始終業時間無視、休憩なし、食事は移動中、「明日の現場4:30入りだから3:00集合・出発ねー」こんな職場絶対嫌ですよね?ところが世のフリーランスや経営者はこの状況な人がわりと多いと思います。ざっくりに言うと冒頭申した状況は考え方と立場によって変わるんです。私も雇われていたとしたら絶対嫌ですしそんな会社即辞めます。でも今の私の状況は日によってはほぼこれでお世辞にもホワイトな環境とは言えません。ではなぜそうなるのか?あまり問題視されないのはなぜなのか?そんなことを考察してみました。
※最初に言っておきますがこういった状況を良しとするものではありません。


なぜ午前3時から?

そもそもなぜ、どうしてこの時間から撮影が始まったのかをご説明します。
まず時系列から。
案件としてお話が来たのは4月下旬頃、実際にスケジュール調整が始まったのが5月下旬とこの時点で遅くない?ってなるのですがよほどのタレントでもない限り「内容よりも先に日程抑えろ!」にはなりませんから仕方ないことではあります。そして摺合せし日程が決まったのが一月前、つまり6月下旬でこの時は14:00開始。このあとの変更で1週間前に午前中になりそして祭主的には前日にAM3:00となりました。
そして今回のテーマでもありこの章のタイトルにもあるAM3:00の根本理由は天気です。
今回の撮影は雨は降らない方が当然良いのでその時間に撮りたいということですね。もちろん機材への影響もあるでしょうがそれよりも撮りたい画なんだと思います。撮影にむけてディレクションしてくれたS氏からは三度時間変更がありましてAM9:00→6:15→5:30となりましたがこれはすべて雨雲レーダーを見ながらなるべく雨の時間が無いところへと考えた末の変更ですね。そしてこれらは私の元へ来る時間でスタッフはそれよりも早いです。ちなみに最後の連絡の後、明るくなるのが4:30頃なので撮影前、先にその頃行って準備等のセッティングだけしていても良いかとw
私は出れれませんが良いですよーとだけ返しておきましたがまぁそういうわけにいかないから出ましたけどねww
といったことで当然スタッフは現場入り4:30に合わせて集合しますから冒頭の「明日の現場4:30入りだから3:00集合・出発ねー」となったわけ。
つまり納める仕事からそのための条件と時間を総合的に逆算するとこの時間になったという事です。

拘りと自分にしかできない事

今回ディレクションしていたS氏(以下SD)は変更連絡の際に幾度も「監督が」という言葉を用いて説明してくださいます。これは他責にしている訳ではなく本当にそうなんだと思います。私も昔イベント会社をやっていた時にそういった経験あります。だから全くここに他意はありません。
そしてこれはクライアントから仕事請けた広告代理店がこの監督ならクライアントの意向を表現できると選んだ監督を始めスタッフで成功のためのチームという事です。
さて、今回このことを強く感じ記事に書きたいなと思った出来事が撮影中に起こりました。この記事のTOP画に使われている機材、フィルムカメラなのですがこれだけは監督自らが撮っていたんです。基本的に監督は支持出しで自ら撮ることはしないです。私が見る限りこのカメラで監督が撮っていたのは二回だけでした。

元画はこれ。カメラ詳しい知人に聞いたら4眼構成でそれぞれ確度が数度違っていて立体的な写真が撮れるのだそう。今は使っている人はほとんど見かけないとの事でした。

形も相まって相当に目につくんです。監督にフィルムカメラですか?って聞いたらYes!と嬉々としてサムズアップ。(監督はじめ撮影陣は基本韓国人で日本人は六名ほど)出来上がりは当然まだ見ていませんのでどうなるのかはわかりませんしこのスチールが使われるかどうかもわかりませんがプロとしてのこだわりから仕事が入り、それを実現するためにまた拘る。自分の仕事がクライアントの求めるものであり、納める仕事=やりたい仕事=自分の仕事なのだと。
この監督だけが出来るから依頼するし無茶にも耳を傾けるし演者にSDは一生懸命頭下げるんだなぁ、と撮られながら考えていたわけです。

結論、誰のための仕事なのか

ここまで撮られながら考えていたことを書きました。撮影を終えて今書きながら思う事はその仕事は誰の為なのか?ということ。わたしももちろんですが依頼主の希望を叶える為に製作します。それに違いは無いんです。でもそれが自分のやりたい仕事なのかどうか?という事ですね。
雇用されている側は基本的に会社や組織の意向で仕事が決まります。これは好みじゃない、自分の仕事じゃないとは基本的に言えませんよね?私のように経営者として雇う側(今は雇ってませんが)にいると仕事は自分がやりたい事でそんな自分に、会社に仕事として依頼をくれるのです。なので前述のようにクライアントの仕事が、納める仕事=やりたい仕事=自分の仕事となるわけで自分の為にやっていることがクライアントの要望を叶えることになります。結果としてクライアントの希望が叶いますがそれは究極にいえば自己満足を買ってもらっているという事です。

チェックモニターの映像。工房での撮影シーンの準備が一番時間かかっていました。ライトや音響、スモークとおおよそスタジオではない場所でほぼ同じ機材でもやはり難しいとのこと。

業界は違えど仕事はともに「創る」というものです。そこに自身のこだわりや表現したい事を盛り込む。そしてそれを評価してもらい対価とし報酬をもらう。仕事ではありますが自身のやりたい事しかやってないので全くやらされている感が無い。だからどんなに休みがなかろうと自分の時間がなかろうと気にならないし楽しくてしょうがないのです。
非常式な時間や変更タイミング(この場合は誉めてます)はそんなこだわりの現れなんだろうと前日に思い、当日確信したので今回記事にしました。
たった一つの事、それは「自分から楽しみかつ能動的に始まり自責であること」といった感じです。あれ?三つですねw
タイトルでは経営側/被雇用側とあえて分けてますが雇われていても同じようにモチベートすることで同様の効果は得られると思います。今回の監督さんも会社員かもしれませんしそこは分かりませんが少なくともやらされてる感は全くありませんでした。

最後にもう一度。
今回の記事は気持ちの問題であってブラックな環境をお勧めするわけではありませんしそれを良しとする経営側の悪いところでもあります。しっかりと自身をマネジメントしないといけないのは大前提です。また働く側の方の場合はもっと丁寧に考えなくてはいけないところ。がしかし、そこは今回の件とはまた別問題なので悪しからず。

カチンコって撮影!ってイメージ。ちなみにハングルは左からつじえと書いてあります!初めて覚えた、書けるようになったハングルですw




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