Kei Ogino

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シェイクスピア並みに韻を踏もうと言葉を繰り続けている

 ずっと週一で日曜日に記事を投稿してきたのだけど、この記事で百週連続となるらしい。なぜそんなことが分かるのかというと、投稿する度にnoteが教えてくれるからだ。あま…

Kei Ogino
23時間前
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傘に替わる雨具を開発すれば大儲けできる

 ちょっと前のオードリーのオールナイトニッポンで傘に関する話題があった。AIが台頭して久しいこの文明社会において、どうしてこれほど不完全な雨具がまかり通っているの…

Kei Ogino
8日前
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勿論口には出さないが多分態度には出ている

 フリーランスで働いていると平日と休日の概念が薄れる。平日の仕事中も隙さえあれば趣味に時間を費やすし、週末に遊んでいる合間にも仕事があれば関係なく対応する。とい…

Kei Ogino
2週間前
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映画を通して見られなくなってきている

 映画を通して見られなくなってきている。ネットフリックスやアマゾンプライムで面白そうな作品をみつけても、見始めてから三十分もすると一旦他の作業をしてしまう。何度…

Kei Ogino
3週間前
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根暗で猫背で友達のいないネット民

 よくインターネット上で挙げられる教師の残虐な行為として「はい、じゃあグループ作って〜」という強制イベントの施行がある。学生側に課される多大なストレスに対し、発…

Kei Ogino
4週間前
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人生におけるちょっとした伏線回収みたいな瞬間

 2006年のM-1の敗者復活枠にお笑いコンビのライセンスが出た。当時中学生だった僕はテレビの生放送で見ていたのだけれど、その際に披露されたドラえもんのネタが個人的に…

Kei Ogino
1か月前
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小さなおじさんを見た

 怪談や不思議な体験として「小さなおじさんを見た」というエピソードが語られることがある。一昔前の奇抜な売り出し路線のアイドルとか、個人占い師がついているような風…

Kei Ogino
1か月前
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実際に会ったことのないオンライン上の友達

 実際に会ったことのないオンライン上の友達がいる。インドネシア在住のリサというインドネシア人女性で、インスタグラムでたまにメッセージを送り合うだけの緩い交流がか…

Kei Ogino
1か月前
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HPが圧倒的に増えたけれど防御力はそのままみたいな状況

 「若い頃は体の傷の治りは早いが、心の傷が癒えるのには時間が掛かる。年を重ねるごとにこれは逆になっていく」。どこで聞くなり見るなり読むなりしたのか忘れてしまった…

Kei Ogino
1か月前
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悪人なのか善人なのか判然としない描かれ方

 初対面の人と手っ取り早く仲良くなる方法として「共通の知人の悪口」があるが、これは結構広く認知されている通説である。不平不満を吐露する時に人は切実になり、具体的…

Kei Ogino
2か月前
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人の声の魅力はAIには絶対に再現できない

 ここ数ヶ月くらい、AIを使った音楽制作を行ってきた。様々なアーティストのスタイルを模倣した曲をまず作り、歌詞を書き、それを歌い、最後に歌声をRVCという声変換ツー…

Kei Ogino
2か月前
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世の若者の常として時間なんて無限にあるものだと錯覚していた

 大学時代、僕は実家からキャンパスまで通っていた。バスとJRと地下鉄を乗り継いで片道で二時間くらい掛かった。親の金で定期券を買っていたのでその膨大な交通費について…

Kei Ogino
2か月前
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完全に放置された状態の極太眉毛がかなり野生的だった

 自炊でカレーをよく作る。普通に好きなのだけれど特に大好物というわけではなく、簡単で大量に作れるからである。スパイスから調合するほどの情熱はないので市販のルーを…

Kei Ogino
2か月前
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ファッションセンスに乏しい人ほど服装にこだわりが強い

 伝えたいことを適切に伝えるためには、その前後の文脈を上手く説明する必要がある。肝心な部分だけを切り取ることはできない。短距離走の前にはストレッチやウォーミング…

Kei Ogino
3か月前
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電話で上司を呼ばれた

 食券機で料金を支払うタイプの飲食店でよくお釣りを取り忘れる。普段はクレジットカードを紐付けてあるスマホのタッチ決済で全ての会計を済ませているので、お釣りをもら…

Kei Ogino
3か月前
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別に理解せずとも「そういうもの」として受け入れておく

 数年前から使っているバックパックの隅の方に"Designed in NY"という小さなプリントがある。おそらく洗練されている印象を商品に与えたかったのだと想像するのだけど、別…

Kei Ogino
3か月前
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シェイクスピア並みに韻を踏もうと言葉を繰り続けている

 ずっと週一で日曜日に記事を投稿してきたのだけど、この記事で百週連続となるらしい。なぜそんなことが分かるのかというと、投稿する度にnoteが教えてくれるからだ。あまり週単位でものを考えていないので換算してみると、百週間は七百日であり二年と三十日でもある。特に意味はない。現役時代のイチローがインタビューで、特定の期間内での日米平均安打数だか盗塁数の記録を達成したと伝えられた際に「そんな記録があったことすら知りませんでした」と答えたのを思い出す。  あるいはこの数字は誤りで実際に

傘に替わる雨具を開発すれば大儲けできる

 ちょっと前のオードリーのオールナイトニッポンで傘に関する話題があった。AIが台頭して久しいこの文明社会において、どうしてこれほど不完全な雨具がまかり通っているのかという内容だった。現代の最新技術を駆使すれば、半径数十センチくらいの範囲の雨粒をガードするバリアというかオーラみたいな装置くらい開発できるのではないかと。この何世紀にもわたって繰り返されているであろう永遠のテーマのお約束通り、傘に替わる雨具を開発すれば大儲けできるというような結論に起結していた。  例に漏れず、僕も

勿論口には出さないが多分態度には出ている

 フリーランスで働いていると平日と休日の概念が薄れる。平日の仕事中も隙さえあれば趣味に時間を費やすし、週末に遊んでいる合間にも仕事があれば関係なく対応する。というかむしろ何かと混雑を避けられる平日に個人的な予定を入れることの方が多くなり、週末はずっと家に引きこもって仕事をしている傾向がある。しかし世の中の過半数以上の人はそんな風に生活していないので、臨機応変に対応する必要が生まれてくる。オンとオフの切り替えがなくなるというよりは、スイッチをずっとカチカチ押しまくっていると表現

映画を通して見られなくなってきている

 映画を通して見られなくなってきている。ネットフリックスやアマゾンプライムで面白そうな作品をみつけても、見始めてから三十分もすると一旦他の作業をしてしまう。何度か中断を挟んだり時には日を跨いだりしながらやっとエンドロールまで辿り着くこともあるけれど、途中で見るのを止めてしまうことも最近は多い。「どうせ寝落ちするだろうな」と思いながら睡眠導入のBGMとして再生する時なんかは、最後まで見る気が初めから無い場合だってある。  昔はもっと熱心に作品を探しては食い入るように鑑賞していた

根暗で猫背で友達のいないネット民

 よくインターネット上で挙げられる教師の残虐な行為として「はい、じゃあグループ作って〜」という強制イベントの施行がある。学生側に課される多大なストレスに対し、発言する側は結構カジュアルな場合が多い。  大学時代、何かの講義でこのイベントが発生した。僕は近くに座っていたという理由だけで、全く面識のない女の子二人と同じグループになった。講義の内容については完全に忘れてしまったのだけど、その時は事前に与えられていた課題を発表してお互いに評価するという形式だった。発表後にはそれぞれに

人生におけるちょっとした伏線回収みたいな瞬間

 2006年のM-1の敗者復活枠にお笑いコンビのライセンスが出た。当時中学生だった僕はテレビの生放送で見ていたのだけれど、その際に披露されたドラえもんのネタが個人的に好きだった。翌日には学校で友達と話しながら彼らが敗退したことを惜しんだ記憶がある。  それから十年以上の月日が流れたある時、不意にそのネタが懐かしくなってYouTubeで見直してみた。当時と変わらず面白く感じたのだけれど、一つの表現がとても印象に残った。渋谷系のドラえもんという設定の中で、ジャイアンが「クラブで皿

小さなおじさんを見た

 怪談や不思議な体験として「小さなおじさんを見た」というエピソードが語られることがある。一昔前の奇抜な売り出し路線のアイドルとか、個人占い師がついているような風水とかオーラに凝っている中堅タレントなんかが話していた印象だ。怖いというよりはどこかコミカルなエピソードだけれど、不特定多数の人間が似たような経験を語るのはちょっと滑稽である。  僕はちょっと前にこの話の元ネタらしきものをたまたま見つけた。レプラコーン (leprechaun) というアイルランドの伝承に登場する妖精で

実際に会ったことのないオンライン上の友達

 実際に会ったことのないオンライン上の友達がいる。インドネシア在住のリサというインドネシア人女性で、インスタグラムでたまにメッセージを送り合うだけの緩い交流がかれこれ五年くらいになる。ちょっと不思議な縁で繋がったのだけれど、英語が使えなければこういう出会いはなかった。  コロナウィルスが世界的に大流行する一年位前の時期、僕はワーキングホリデーでオーストラリアに行くために日本で英語学習をしていた。英会話教室に一応通っていたのだけれど、そこでは単に日常会話をするだけだったので、

HPが圧倒的に増えたけれど防御力はそのままみたいな状況

 「若い頃は体の傷の治りは早いが、心の傷が癒えるのには時間が掛かる。年を重ねるごとにこれは逆になっていく」。どこで聞くなり見るなり読むなりしたのか忘れてしまったのだけれど、この人生の酸いも甘いも知っていそうな誰かの格言というか教訓を知った時の僕は十代後半くらいだった。「そういうものか」と意のままに感心させられた。  年を取ると身体的な疲労に敏感になることはよく語られる。連日のデスクワークで肩や腰が重いとか、子供の運動会で張り切り過ぎて怪我をしたとか、深酒すると翌朝にも倦怠感が

悪人なのか善人なのか判然としない描かれ方

 初対面の人と手っ取り早く仲良くなる方法として「共通の知人の悪口」があるが、これは結構広く認知されている通説である。不平不満を吐露する時に人は切実になり、具体的なエピソードがいくつも出てくるものだ。それに対して逆説的に同じようなことを表しているのが「大切な人やものは失うまでそのありがたみに気付かない」という一般論である。どんな種類の恩恵もそれが継続していると慣れてしまうもので、常日頃から同じ人や事柄に感謝し続けるのは容易ではない。  そして言うまでもないが、善悪の判断をキッパ

人の声の魅力はAIには絶対に再現できない

 ここ数ヶ月くらい、AIを使った音楽制作を行ってきた。様々なアーティストのスタイルを模倣した曲をまず作り、歌詞を書き、それを歌い、最後に歌声をRVCという声変換ツールで変えるのである。僕はもともとメタル系のバンド出身なのだけれど、ポップスやロック、ヒップホップなど一通りのジャンルをこれまで扱ってきた。  当初はAIを使っておらず、"How To Series"と称して色々なアーティストのスタイルを真似した曲を作っていた。「勝手に〇〇の新曲作ってみた」というコンセプトで制作過程

世の若者の常として時間なんて無限にあるものだと錯覚していた

 大学時代、僕は実家からキャンパスまで通っていた。バスとJRと地下鉄を乗り継いで片道で二時間くらい掛かった。親の金で定期券を買っていたのでその膨大な交通費についてはあまり考えなかったが、時間がもったいないという感覚が当初は強くあった。毎日のように数時間をただの移動に費やすことで人生における貴重な学生時代を磨耗している気がした。  しかし、それにも次第に慣れていった。世の若者の常として時間なんて無限にあるものだと錯覚していたので、その価値を低く見積もっていたのだ。通学時間中、僕

完全に放置された状態の極太眉毛がかなり野生的だった

 自炊でカレーをよく作る。普通に好きなのだけれど特に大好物というわけではなく、簡単で大量に作れるからである。スパイスから調合するほどの情熱はないので市販のルーをいつも使っており、バーモントカレーの甘口でバターチキンカレーを作るか、ジャワカレーの中辛で豚肉のカレーを作る二パターンに大体分けられる。後者にはハーブのオレガノをふんだんに投入する。というとなんだか玄人っぽいが、このオレガノは結構「それっぽい」雰囲気をお手軽に演出してくれるので便利である。額に赤い点さえ書けば立派なイン

ファッションセンスに乏しい人ほど服装にこだわりが強い

 伝えたいことを適切に伝えるためには、その前後の文脈を上手く説明する必要がある。肝心な部分だけを切り取ることはできない。短距離走の前にはストレッチやウォーミングアップなどの準備運動があるし、ゴール地点で急に静止せずに減速しながら少し流して走るのと同じだ。もちろん単刀直入に本題だけを伝えた方が良い場面は会話においてはよくある。しかし、文章にはある程度の起承転結が要求される。少なくとも僕はnoteに投稿する際、なぜ自分がそう考えるかに至ったかが分かるような具体的なエピソードや根拠

電話で上司を呼ばれた

 食券機で料金を支払うタイプの飲食店でよくお釣りを取り忘れる。普段はクレジットカードを紐付けてあるスマホのタッチ決済で全ての会計を済ませているので、お釣りをもらうという発想がほとんど無くなっているのである。メニューを選んでお金を払った時点で思考が停止するのだろう。食券と同時にお釣りが出てくる場合は問題ないのだけれど、お釣り返却用のレバーやボタンが付いているタイプだと、余計なアクションがもう一つ必要なので気付けない。店員さんに「取り忘れてましたよ」と後から渡してもらったことが何

別に理解せずとも「そういうもの」として受け入れておく

 数年前から使っているバックパックの隅の方に"Designed in NY"という小さなプリントがある。おそらく洗練されている印象を商品に与えたかったのだと想像するのだけど、別に教えてくれなくても良いと個人的には感じる。それをあえて主張することで生産地はNYではないと明白になるし、ちゃんと同じところに"But made in China"とか書いておけよと思う。別に恥じることではない。一昔前と比べると、今は中国製の製品が粗悪だという時代でもなくなってきている。  僕はデザイン