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    July 2022 -

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    Oljatoのミニアルバム"Pale Blue Dot"収録曲の歌詞・和訳。

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最近の記事

また一からやり直さなければならない

 かなり久しぶりに怪我をした。自己診断なので不確かではあるのだけれど、左脚のハムストリングスが恐らく肉離れしている。最初は単なる筋肉痛だと気にしていなかったが、一週間経っても痛みが消えなかったので太腿の裏をよく見てみると、ちょっと不安になるくらい大きな青あざがあった。色々とグーグルで症状や処置方法を調べ、主にアイシングで現在は改善しつつある。  原因は明らかである。ジムでランニングを三十分した後に高重量のスクワットを行うという、ちょっと無謀なメニューの組み方をしていたせいだ。

    • 英語の成績は常に中の下くらいだった

       先日、TOEICの試験を受けた。英語でのリスニングとリーディングの能力を測るL&R Testの方である。大人になってから自分の意思で勉強してテストを受けるという経験は新鮮で結構面白かった。大学時代に一度必修で受けた際にはたしか平均点にも届かなかった気がするのだけど、なんの対策もしていなかったし大して興味も無かったのであまり良く覚えていない。  中学以降の英語の成績は常に中の下くらいだった。しかし、僕は特に苦手意識を抱いていなかった。これは完全に洋楽のお陰である。十代後半から

      • 原因に辿り着くまでに多少回り道をしなければならない

         ある朝目覚めたら右頬の上部に違和感があった。顔の一部の筋肉が動く際に軽い痛みが走るような感じで、寝ている間に訳の分からない姿勢になってどこかに押し付けでもしたのだろうと推測した。僕は特に表情豊かな人間でもないので生活にそれほど支障はなく、そのまま放っておいた。しかし次の日に起きると痛みが悪化していた。病院に行くのも何か違う気がしたので、僕はYouTubeで顔をほぐすマッサージの動画をみつけて実践してみた。本来それは眼精疲労に向けたものらしかった。血流が良くなったのか視神経が

        • 定義としてはカフェオレにもカフェラテにも該当しない

           コーヒーに牛乳を少し足して飲んでいる。ちょっと胃に優しくなる気がするし、飲み過ぎ防止のためでもある。マグカップに一センチほどの高さまで牛乳を注いで電子レンジで温め、それをタンブラーに注いだ上でペーパードリップで濃い目のコーヒーを淹れて混ぜる。これはどうやら定義としてはカフェオレにもカフェラテにも該当しないようだ。カフェオレはコーヒーと牛乳の比率が一対一でなければならず、僕の場合は八対一くらいである。一方、カフェラテはそもそもコーヒーではなくてエスプレッソと牛乳を混ぜたものら

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        記事

          古い付き合いをどんな塩梅で維持すれば良いのか

           仕事上の付き合いがある会社から「年賀状を廃止します」という葉書が届いていた。なんだか落語みたいな話である。今後はホームページに新年の挨拶を掲載するらしく、その旨を説明する丁寧で長い文章が綴られていたのだけど、要約すると「もう良くね?」ということだった。確かにもう良い。考えてもみれば個人宛で年賀状を最後に貰ったり出したりしたのがいつだったかなんて思い出せないし、もはやメールやラインですら「あけましておめでとう」の遣り取りなんてしていない気がする。  時代の流れと共にコミュニケ

          古い付き合いをどんな塩梅で維持すれば良いのか

          律儀に十八歳の誕生日を迎えてからAVを見始める男

           高校二年生くらいの時、仲間内でギャンブル系漫画の『カイジ』が流行った。誰かのロッカーが書庫と化し、休み時間にはみんなで回し読みしたりトランプや麻雀をやったりした。そしてなぜかはよく思い出せないのだけれど、作中で有名な「金は命より重い」というフレーズを紙に大きく書き出し、よく使う男子トイレの個室のドアの内側に貼っておいた。まあただの愚かな高校生のノリである。その張り紙はいつしか失くなっており、数日後に生徒指導室の壁に保管というか掲示されているのに誰かが気付いた。犯人探しをされ

          律儀に十八歳の誕生日を迎えてからAVを見始める男

          他人にいちいち弁明する手間が省ける

           かつてフクロウに対して知的なイメージを持っていた。これが世間一般に広く通ずる感覚なのかはよく分からないけれど、なんとなく他の鳥類より知能指数が高そうな品格が漂っている気がする。白く長い髭を蓄えた仙人風の老人の肩に乗り、人間の愚かな考えや数千年後の未来を見透かしているようなイメージだ。僕はその生態や特性に詳しい訳ではないのでこれは漠然とした固定観念に過ぎない。ただ、フクロウの目は球体ではなくて筒状で、それゆえに広い角度に首を振って視野を確保しているという豆知識だけはなぜか知っ

          他人にいちいち弁明する手間が省ける

          信じられないくらいポジティブな人間

           五、六年前からミラーレス一眼カメラでの動画撮影・編集をしている。もともとカメラそのものに強い興味があったわけではなく、主な目的は自らのYouTubeチャンネルでの音楽系コンテンツ制作である。僕はかつてSNSには一切顔を出しておらず、その他の個人情報もるべく載せないように配慮してきたのだが、時間の経過と共に考え方が少しずつ変わってきて今はもう少しオープンにやっている。顔も体も声も考えもダダ漏れ状態になることは自分の中では大きな挑戦だった。  正直、始める前は怖かった。誰か知り

          信じられないくらいポジティブな人間

          自分の寿命より長持ちする革ジャンを着て

           昔から何度も繰り返し見ている映画の一つに『ファイト・クラブ』がある。説明する必要も感じないので内容については触れないが、見た後にはちょっと世の中に物を申したくなるというか、パンクっぽい好戦的な精神状態に一時的に陥る。日本の映画で言えば北野武の『アウトレイジ』を見た後に「なんだ、このヤロー」と言いたくなるのと同様である。多分、現状の自分自身への不甲斐なさの裏返しなのだろう。  僕はある時ふと思い立って『ファイト・クラブ』の原作小説を読んでみて驚いた。変更されている物語の筋やデ

          自分の寿命より長持ちする革ジャンを着て

          あまりにも有名過ぎて通ってこなかった作品

           先日、ずっと読まなければならないと感じていた『百年の孤独』をついに読んだ。厨二心をくすぐるなんとも格好良いタイトルである。ノーベル文学賞受賞者のガブリエル・ガルシア・マルケスの世界的な名著で、長らく日本では異様に分厚いハードカバーしか存在しなかったのだが、少し前に文庫化されたので手に取ってみたのだった。近日中にNetflixでドラマ版が公開されるようだ。あちこちで小難しい考察・解説や他人の感想に触れる前に、自分の考えをまとめるためにこの記事を書いている。  率直な感想は「

          あまりにも有名過ぎて通ってこなかった作品

          「俗世間とは一線を画する俺」というブランディング

           未だにiPhone 8を使っている。僕の認識が間違っていなければ、ホームボタンが付いている最後のモデルである。これを買った時にはiPhone 12くらいまでが発売されていたので、その時点で既にかなり型落ちしていた。その前に使っていたiPhone 6のカメラのレンズに傷が付き、全ての写真の同じ箇所に同じ歪みがあるのに気付いて仕方なく新調したのだった。契約している格安SIMのプランは月額980円の最低レベルの通信量のもので、それで特に困ってはいない。電子決済やグーグルマップなど

          「俗世間とは一線を画する俺」というブランディング

          良いものは真似され続け、世に浸透するほどに起源からは遠ざかる

           ロレックスのデザインを真似た時計は多い。丸パクリしたおもちゃみたいなファッション時計は山ほど溢れているし、ある程度歴史があるような老舗ブランドもデザインを模倣している。特にデイトナやサブマリーナのような人気モデルのデザインは、もはやパブリックドメインみたいになっていると言っても過言ではない。  おそらくそのようなロレックスを真似た時計を使っている層の中には、それがなんのオマージュなのかもよく分かっていない人が一定数いるだろう。これはなにも時計に限定せずとも、ファッションや芸

          良いものは真似され続け、世に浸透するほどに起源からは遠ざかる

          そこから先を真剣に聞く気が一瞬のうちに失せる

           最近色々なメディアで「解像度」という表現を見たり聞いたりするようになった。自分の考えや計画・構想などを他者にも伝わるように言語化したり具体化することを「解像度を上げる」と表し、逆に曖昧で抽象的な状態だと「解像度が低い」とされるのだ。調べなくとも文脈で容易に意味の察しがついたので、単に一つの例えとして秀逸だと初見では感じた。誰もがスマホやパソコンでなんらかの画像を毎日見ているのだから、ピクセル数や画素数や解像度を混同していようとも意味はなんとなく伝わる。  しかし、あまりにあ

          そこから先を真剣に聞く気が一瞬のうちに失せる

          叫びたいほど懐かしい

           少年時代から高校を出るくらいまでの自転車が主な移動手段だった頃の夏、僕はコンビニや自動販売機で飲み物を買う時にはいつも炭酸飲料を選んだ。傾向としてコンビニではサイダー、コーラ、ファンタみたいな有名どころを、自動販売機ではデカビタC、リアルゴールド、ライフガードのようなエナジードリンクっぽいマイナーなものを好んでいた。炭酸を買うのは放課後や休みの日に何人かの友達と一緒に遊んでいる時が大半で、特にそれほど喉が渇いている訳でもなかった。なんとなくあの喉越しを欲してしまうのである。

          叫びたいほど懐かしい

          どれだけ歩いても端に辿り着かない

           二十代半ばで上京した際、小金井公園の目の前に住んでいた。アパートの敷地内から走り幅跳びでもすれば届くくらいの距離である。二十三区内では家賃が高い割に狭い部屋しかなく、郊外で探していた結果たまたま見つけた物件だった。特にその周辺の土地には縁もゆかりもなかった。僕は日課のように小金井公園を散歩したものだが、その広さにはいつも驚かされた。というか、規模や全容を把握することが全然できなかった。なにせどれだけ歩いても端に辿り着かないのである。  自然豊かな園内には野球場、テニスコート

          どれだけ歩いても端に辿り着かない

          後悔がないということは結果にも勝る

           ちょっとしたタイミングの妙に小さく感動することがある。自宅から目的地まで車で運転する際に一度も赤信号で止まらなかったり、久しぶりに連絡してご飯でも行こうかと思っていた友達からラインがきたり、ほんの些細なことなのだけれど縁を感じたりする。  もちろんその逆もまた然りだ。行列に並んだ末に自分の目の前でコロッケが売り切れたり、思い立って行ってみた古着屋がたまたま臨時休業していたりする。そのような時、不思議とあえて別日に改めて訪れようとも思わないことが間々ある。多分本当には求めてい

          後悔がないということは結果にも勝る