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詩_ / 蛾 ◯



わたし血管糸のよう

さよならをしたいから

黒い灰が手から離れる

きみはだれなのだ、

ひらがなである。

朝昼と眠りにつく蛾を、

ぼくはおこらせた。

きみはだれなのだ、

一体この煙には何がある。

夜の寂しさに電話を消し、

後悔を枕にぶつけるのだ。

ひらがなのような関係に、

ぼくはだれかを

きみはだれかを

髪を毟りながら考えた。

やはり

きみはだれなのだ

ただ血の匂い ただ血の匂い

滲むよ滲む滑稽なわたし

血管から漏れる血を吸い

蛾は飛び立った

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