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オイルライター

 

 ライターのオイルが切れた。


 使っているのがZippoなので、オイルも一般的な同じくZippoの黒缶を使っていたのだが……置いてあったはずのスーパーから品物が消えていた。
 やむを得ず、コンビニに立ち寄ったのだが、ここでも置いていない。

 百均で代替品があるという噂を以前聞いていたので、ダイソーにも足を運んだが……なんでもすでに廃盤とか。

 別に煙草に火を点けるなど、百円ライターで事足りるし、実際馴染のたばこ屋でよく頂くので、ついあちこちに転がってもいる。
 とはいえ……どうもオイルライターで火を点けないことには落ち着かない。てっきり「コダワリ」という奴だろう。僕はペンは右手、箸は左手という両手使いだが、ライターは左手で扱う。これも「コダワリ」らしい。

 思えば、煙草を吸い始めた頃は、着火の道具などなんでもよかったようである。マッチでもガスライターでも……時にはガスコンロの時もあったが……なんの「コダワリ」もなかったと思う。

 はて、いつからオイルライターに「コダワリ」を持ち始めたのだろう?

 小説を書き始めてから……と考えてみると、記事として纏まりそうだが……嘘はいけない……実際、当初は百円ライターを使っていたはずである。

 そう言えば、初めてのオイルライターはZippoではなく、「マーベラス」という奴だったと思う。確かシルバー製のかなり高価な代物で……たぶん、当時ハマっていたシルバーアクセの延長にあったのかも知れない。

 蓋し、シルバーアクセにハマった理由もそうなのかも知れないが……男には子供時代からの「コダワリ」とて、持ち重りのする金属製の物体を偏愛するという気質があるらしい。

 超合金のガンダムを連想して頂ければ、分かりやすいかも知れない。

 僕にしても、重量感のあるスピーカー付属の磁石とか、町工場の近くで拾ってきたなんとも知れない金属の塊みたいなのを宝物として、後生大事に仕舞っていた覚えがある。

 ナイフのコレクションを始めたのも、たぶんルーツは同じだろう。

 ズッシリと重く、冷たい感触の金属には、何かしら男の精神を落ち着かせる要素があるのだ。想像ではあるが……たぶん女子には、そんな感性は皆無なのかも知れない。

 やはり、男が描く精神の支柱とは、手応えのある重量の、ぞっこん頼りになる武器的なモノに収斂されそうである。そう。今は昔のノスタルジーに近いとしても……

 おそらく、僕がオイルライターを手にした時、空想の戦場を意識していたに違いない。

 キーボードの音を馬の蹄の響きに準えるところ、握りしめるライターは剣に他ならず、立ち上る炎はそのまま、燃え立つ戦意の見立てなのだ!

 やはり、安っぽい百円ライターでは絵にはならない。聞くところ、ライターオイルの代替として「ベンジン」が使えるとも聞く。

 まずは、思索の戦場に向かう前に、ドラッグストアに直行することが先決らしい。
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 オイルライター愛好家への情報として……

 ライターオイルとしてベンジンは、なんとか使えそうです。何より安い!
 ただし、揮発性が高いのか、オイル切れはかなり早い……

貧乏人です。創作費用に充てたいので……よろしくお願いいたします。