夢の続きを描いたあの頃。【第一章~弱気~】Part1

初見さんの方は、まずは【序章~出会い~】から読む事をオススメします。

入学式が始まる前に各クラスに集まる。

みんなが笑顔で話している中、1人静かに自分の席に座る。

誰がバスケ部?何も分からない。
もう部活どころではなかった。

誰も知らない…

不安。

「はやく誰か見つけないと…!」

そんな気持ちがずっと続いた。

入学式が終わり、数日が経った。

前後左右の人とミニバス経験者で顔馴染みの人達は何気なく会話する事ができた。

そんな時、バスケットボール部の集会が行われた。

初めて3年生と2年生を見た。

数の多さにびっくりした…
本当にみんな同じ部活動なのか…??

1年生から3年生を全員合わせて50人は超えている…

同級生も数をしっかり数えてみると20人は超えている…

バスケットボールのルールはユニフォームを着れる選手は15人。

「終わった…。」

しかし、それを上回る出来事が待っていた…

それは…

先輩の名前を全員覚えなくては行けない事。

同級生、先輩、クラスメイト、勉強…

1日でキャンパスノートがいっぱいになった。

この人がキャプテン
この人は〇〇さん
この人は〇〇さんと同じ苗字だけど兄弟じゃない
〇〇先輩はクラスメイトのお兄ちゃん

どんな覚え方をしても名前が出てこない。

それ以上に練習がキツくてついていけない。

同じ歳なのに、10分、15分と練習の差が開いていく。
みんな話しながらランニングしているのに、驚くほど速い。
いや、自分が遅過ぎるのか…

ランニングの次はトレーニング、

全く足が上がらない。

速い人達はトレーニングの次のメニュー、ドリブル練習をしている。

人生の弱気モード…

毎日差が開いていく。

数週間後、初の大会が始まった。
もちろん応援席から試合に出場する選手を応援する。


応援をしなければいけないのに、言葉が出なかった。

強すぎる。

どの選手が交代しても点差が開いていく。

どの選手が出ても上手過ぎる…

これが強豪。

あっさりと大会は優勝した。

金メダルを首にかけてもらう選手と同じチームにいる。

感情がよくわからなくなるくらい嬉しかった。

地区大会、県大会を優勝した。

勝つ事が当たり前なんだと思ってしまうほど強かった。

そんな中、北信越大会(新潟県、富山県、長野県、石川県、福井県)の上位3チーム+開催校1校の16チームで全国大会出場をかけた試合を行う。

負けたら終わり。引退。

もちろん負ける筈が無い。
ゆるい考えで応援をする。

そんな時1人の選手を発見した。

今思うと当時から風格があった。

その選手は…


富樫勇樹 選手!!!

当時2年生ながら試合で大活躍をしていた。

自分でもわかる。
あの人は上手い!!!

背が小さいのに、ドリブル、パス、シュート、どれも凄い。
最初3年生かと思っていました。

もしかしたら先輩達よりも…
なんて考えがよぎった程だった。

試合は見ていてとてもおもしろかった。

富樫勇樹選手率いる相手チームが決勝戦。

決勝戦も勝利し優勝した。

初の全国大会

人生初の全国制覇が見れると心から喜んでいた…

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