見出し画像

「ウイグル産コットン問題どう思います?」というメールに対する返信

ご無沙汰しております。

トップの写真は、11月下旬に日本三景の一つである松島を訪れた際の写真です。
寒風吹き荒れるなかではありましたが紅葉もまだギリギリ残っており、風光明媚な松島の地でゆったりとした時間を過ごしてきました(約20,000歩)。

経験上、海外の旅でも国内でどこか行くにしても、一緒に行く人によってその楽しみ方や味わいは変わるもので、またその過程で普段は見られなかった・知らなかった一面なども垣間見えたりするものですが(それが原因で過去にはブチギレられたことも)、今回はお互いを一定程度見知っていて、かつ比較的自然な形で関われる方にご一緒してもらったこともあり、特に気を遣うこともなく(すみません)穏やかな時間を過ごせました。

画像1

(人生で初めて生ガキを食べました。濃厚さとうまみに、過ぎし29年間へ後悔の念を抱きました)

さて、大学院に進学して以降、大学での課題・研究やら、仙台市の外国人在住者へのインタビューやら、外国人の子どもの日本語サポートやら、異文化交流イベントの企画やら、語学学習(TOEICとアラビア語の勉強)やらで、しばらくnoteからも距離を置いてしまっていました。
何かとやることに追われている日々ですが、そのなかでも自分の近況や日々の思ったこと・考えていることなどをこの場で言語化していきたいと思ったことから、徐々に更新を再開していきます。


研究室のメンバーから唐突に受けたメール

いきなりよく分からないトピックですが、先日、研究室のメンバーから「ウイグル産コットン問題どう思います?」という旨のメールをいただきました。

https://www.afpbb.com/articles/-/3325729?cx_part=search

国際政治学、地政学、安全保障・防衛外交に関心がある身として、新疆ウイグル自治区(以下、ウイグル)での一件は自分自身のなかで日々思うところはあっても、正直なかなか議論する機会のなかった問題です。
しかし、ウイグル産の綿花を製品の原料として使用しているアパレルメーカーが国際的にも取り沙汰され、更には中国当局によるウイグルでのジェノサイド疑惑といった問題から、2022年開催の北京五輪へのボイコットを示唆する国も現れています。

そこで改めて、現時点で知り得ている知識をもとに自分自身の考えをまとめ、メールの返信としました。以下、返信した文章(原文ママ)です。

お疲れ様です。
非常に興味深く、かつ正解を見出すことが難しいテーマですね。
ユニクロ製品しかり、世の中の不買運動のようなものにはたしかに思うところはあります。
現在はウイグルが注目されていますが、過去には以下のような事件も起こっています。
https://www.afpbb.com/articles/-/3222482
先進国の人々が扱っている安価で良質なもののために、途上国では過酷な環境下での労働を余儀なくされている人がいます。

一個人レベルでいうと、やはり安くてそれなりの品質のものがあれば手を伸ばしてしまうのが当然だと思います(かく言う自分もユニクロ製品を身に纏っています)。
ただ個人的にはそうした背景を知らず、あるいは無関心であることには人権意識の欠如という点で、いかんともしがたい思いを抱く自分もいます。
かと言って、それを他者に対して不買を強要することが果たして正しいのかは、首をかしげてしまうところもあります。

そのため、曖昧な答えにはなりますが個人レベルではそういった世界での現状に目を向けたうえで、購入するか否かはその人次第なのかな、っていうのが個人的なスタンスでした。

少し脱線しますが、それ以上に個人的に懸念しているのは日本政府としてのスタンスでした。欧米をはじめとする先進諸国と違い、中国当局による香港やウイグルでの弾圧、もっと遡るとミャンマー軍によるクーデターと一般市民への暴力などに対して日本政府が及び腰なのは由々しき事態だと考えています。
おそらくは経済、貿易、外交上の都合なのでしょうけど、他国の非人道的な行いに何も言えないのでは、欧米諸国から非難を浴びることは避けられず、長期的には違う問題をはらみうるように思えます。
特に現代は、人権保護という点で他国から眼差しを向けられることは避けられないような情勢なので、国益だけではなくグローバル・スタンダードから見た日本というのを意識した政策方針を打つ必要があると思っています。そうでなければ、安全保障や防衛外交という点でも何か有事の際に支障をきたしうるかもしれません。

長くなってしまいすみません。。
昨今は世界的に環境や人権の保護などが叫ばれるようになってきたので、「良い」ものを適正価格で、というのがこれからの流れとしてもっと増していくのかな、と思っています。

以上となります。

あくまでも一個人のスタンス・意見なので、反論などもあるかとは思います。
文章内にもあるように、個人的には集団的な不買運動および他者への強要については同意しかねるところがあります。かといって、国内外に生じている人権軽視とも取られる事象に無関心であることは、ミクロレベルでは他者への不寛容を引き起こし、またマクロレベルでは人権保護という点で他国から厳しい眼差しを向けられ、長期的には国益を損なうことになりかねません。

「国内外の事象に関心を持つ」ことが根本的な問題の解決に至らないにしても、きっかけとしては大きなものであると思います。
そうした自身の考えから、上の文章をつらつらと綴り、返信しました。

説明不足なところもあるかと思いますので、ご意見がある方は忌憚なくコメントをくだされば幸いです。

とにかく、このような日本も無関係ではない事象に関心を抱いてくださったことは間違いなく有意義なものであるし、今後もこうした機会が増えていけば、また増やしていければと思った次第です。

よろしければサポートお願い致します。今後記事を書くにあたっての活動費(書籍)とさせていただきます。