光の海
今日から世間は仕事始めで、時間の流れと人の流れが年末年始の浮ついた雰囲気から通常通りに戻った。
まだ休みである私は、買い物のため久しぶりに太陽が真上にある時間に外に出た。
空は青く、雲一つなく、柔らかい空気に包まれていた。
朝は陽が昇りきらないうちに家を出て、陽が沈んでから会社を出て家路に着く。冷たい風の中を泳ぐように生活していた。冷たい空気の匂いが鼻腔を刺すし、寒さから逃れようと肩をすくめて歩くから、視線はいつも下だった。
時間の流れも穏やかで、陽が出ていることもあってすれ違う人の防寒具の量が少なかったように思う。
いつもよりも暖かく、陽も浴びたくて目蓋を閉じて上を向く。
光が目蓋の中に溶け込んでくるようで、
まるで光の海を泳いでいるような瞬間だった。
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