私は大学時代,体育学部で学び,トレーニング科学系のゼミに所属していた。体育の教員免許を取得することを目的に大学に進学したが,大学でトレーニング科学を学び,研究する内に,大学院進学も卒業後の選択の一つとして考えるようになるほど,のめり込んで勉強した。そこで出会ったトレーニング科学の基礎研究は,トレーニングに限らず,今の私の生き方のバイブルとなっている。 <テーマ> ジャンプ(垂直跳び)能力の改善 <実験1> トレーニングとして,以下の①~③のうち一種類だけの運動を選ぶと
日本中学校体育連盟(中体連)は2023年度から全国中学体育大会(全中)について,学校単位だけでなく,民間のクラブや団体としても出場できるよう,参加要件を緩和する方針を決めた。 学校の働き方改革を踏まえた部活動改革は,活動時間の適正化や教員が専門指導できない部への指導員の配置など,現場でも令和2年度より具体的な動きが始まっている。そんな中,発表された大会参加要件の緩和。記事には,「実際にどれほどのクラブが出場を希望するかふたをあけてみないと分からない」と書かれていたが,すで
「ゴミはゴミ箱にいなさい!」“鉄の女”トゥトベリーゼの元教え子が壮絶体験を告白!「誰も彼女に逆らえない」 女子フィギアスケートのワリエワ選手のドーピング問題。真相は不明で,安易なことは言えないが,この一件で注目されたのは,ワリエワ選手よりもコーチであるトゥトベリーゼ氏だ。多くのメダリストを輩出するパワハラ指導は,日本のスポーツ指導現場と無関係ではない。 近年,日本でもスポーツ現場でのパワハラ指導は,スポーツ界全体の課題として取り上げられることが多くなり,体罰や暴言について
冬季北京オリンピック。開催前から物議を醸し,始まってからもまた物議を醸し続ける大会となっているが,選手が本気でプレイする姿はやはり観戦する我々を夢中にしてくれる。男子ハーフパイプの平野選手の滑りには家族で熱狂し,女子カーリングのロコソラーレの狙い通りのショットにうっとりする。 そんな中,女子スピードスケートの高木美帆選手は,性質の違う5種目に出場するということで特に注目している。3種目が終了した現段階(2/14)で,1500mと500mの2種目でメダルを獲得した。1500m
廣中選手は、自己ベストで予選通過 田中選手は、自己ベストもコンマ4秒差で予選落ち 萩谷選手は、自己ベストも予選落ち 日本選手の狙いがハッキリしていて見応えある予選だった。 廣中選手は、予選通過ラインの組で5着に入れなくても、タイムで予選通過するために、ペースが落ちないように前半から自分が引っ張れるギリギリのペースで先頭を走り続けた。 田中選手は、世界で戦うために磨いてきた後半のペースアップに対応しての組で5着以内狙い。そのために自らペース作りはせず、いつペースが上がって
少し前の話だが,競泳の池江璃花子選手が4月に行われた日本選手権で4冠を達成し,東京オリンピック日本代表に決まった。 池江選手と言えば,2019年2月に急性リンパ性白血病と診断され,約10ヵ月間入院。入院中は,抗がん剤治療の副作用で,嘔吐を繰り返すなど,過酷な闘病生活を送り,一時は10kg以上体重が落ちたそうだ。リハビリを経て,水中練習を再開したのは2020年3月。そこから1年余りで世界屈指の水泳強豪国,日本のオリンピック代表に選出された。 池江選手の代表入りは,医師を含めた関
スポーツトレーニングの5原則に「意識性の原則」がある。 これは,そのトレーニングの目的や意味を理解して行うことで,その成果は変わるというものである。私の解釈では、理解する事はつまりは信じることに繋がり、だからこそ成果が上がるのだと思う。 この原則に基づき,トレーニング計画や内容について,選手にその意味や目的を細かく説明している指導者も少なくないだろう。 また,練習中や試合中に「考えろ」と選手に伝える指導者も多いだろう。これは種目や場面によって意味合いは様々だと思うが,場面に
先日、小学生のマラソン大会を観に行った。距離は低学年で1kmちょっと。高学年2km程度。大人の感覚でも普段運動しない人であれば、長いなと感じる距離だ。 そんな長距離を走るにもかかわらず、小学生は全速力でスタートしていく。最後は先頭でゴールする子も、最後尾でゴールする子も最初は全力。 いつも見ている高校生や我々大人は、絶対にそんな事はしない。速く走りきるためにペース配分を考えたり、キツいから最初からゆっくり走ったり、嫌いだから最初から歩いたり。マラソン大会でのスタート全力疾
現地まで見に行こうと考えていたが、コロナの影響で断念。仕事中にBSを見れる環境もなかったため、EKIDEN_MANIAさんのツイートで想像力を働かせながら、“観戦”した。 一番楽しみにしていた女子5000m。やっぱり凄かった!ヤバかった!ツイートでこんなに楽しめるレースって!これからの日本女子長距離界を牽引する若い3名の選手に脱帽!EKIDEN_MANIAさんのツイートに脱帽! というわけで、お楽しみいただきましょう!陸上日本選手権女子5000m決勝です! ※注意 展開は
2015年に行われたオックスフォード大学などの調査結果では,今後10~20年の間で約半数の仕事が消えてなくなる可能性があるという。その理由は,言わずともAI(人工知能)の発達によるところだ。 そんな時代に生きる若者は,どんな力を身につける必要があるのか。インターネットで関連記事を検索すると「なくならない仕事」が紹介されていたりもするが,『時代に即した力』を身に付けていれば,求められる人材として今後も生きていけるのではないだろうか。 では,『時代に即した力』とはいったいどう
「いや~今日の世界陸上面白すぎる!女子5000m日本代表の新谷仁美。ケニア,エチオピアが圧倒的な力を持つこの種目の決勝で,2000mまで集団を引引っ張るその気持ちは,今後の彼女の走りを期待させる。」と,私は,2011年9月2日に自身のfacebookに投稿していた。 あれから9年…新谷選手は2014年に突如現役引退を発表したが,2018年に復帰し,今や2014年以前の自身を上回る走りで他を圧倒。ハーフマラソンでは日本新記録も樹立している。そこには様々な要因があるようだが,今
サッカー指導者の佐伯夕利子さんが,スペイン一部リーグビジャレアルCFの育成をFOOT×BRAINで紹介した。 佐伯さんは,2003年当時,スペインサッカー界では女性として初めて男子ナショナルリーグの監督に就任,指揮を揮った。その後もスペインのサッカー現場で活躍し2008年にはビジャレアルCFと契約,育成部に所属した。2020年3月にJリーグの常勤理事となり,その経験を元に日本サッカー界の発展に貢献すべく,活動されている。 そんな佐伯さんが語った,ビジャレアルCFの育成に対す
「志同じ者と共に,個々の可能性を見出せる“学校”を作る」 それが私の夢です。 当然のことですが,人の「当たり前」は後天的に作られるものです。生まれてからこれまで見てきた,聞いてきた,教わってきたことがその人の「当たり前」として確立し,その「当たり前」に基づいて人は行動選択します。生まれた国の違いによる「当たり前」は,文化の違いとして解釈され,その違いを理解していきます。それが,グローバル化した今の世の中です。 ところが,日本国内に限定するとその違いは理解されません。“多様