図&ストーリーでわかる会計||社長が決算書を読むための超基礎知識||「商品在庫がある場合(1年目)」
難解な決算書をシンプルに理解するための記事です。 決算書は様々な会計取引が統合されたものです。そのため、ひとつひとつの取引を理解しないといけません。 このシリーズでは、シンプルに少ない取引の動きだけをとりあげ、決算書の動きを理解できるようにしました。
①M君は脱サラをして事業をはじめようと考えています。
②1,000円を元手(資本金)として事業を始めました。
③商品を売って稼ぐために、仕入を200円しました。
④結局1年目は商品を売ることができませんでした。
1年目は、売れ残りとして200円の商品が残りました。
①M君には夢があり、いつかサラリーマンをやめて何か事業をはじめたいと思っています。
今は、事業にお金入れていません。そのため、貸借対照表と損益計算書に動きはない状態です。
②その後、M君は夢を叶えるために事業を始めました。事業用に現金1,000円を用意して会社を設立しました。
事業用に現金1,000円を入れたことにより、貸借対照表には現金1,000円と資本金1,000円が計上されました。
ここで、損益計算書に動きはありません。
③会社の設立が終わり、いよいよ商売を開始します。商品を売るために現金で200円の仕入れをして、お店に並べました。
貸借対照表では、現金が200円減って800円となりました。
損益計算書では、仕入れをしたことにより仕入200円の原価が計上されました。売上高はまだないため、この仕入の分だけ当期純利益がマイナスとなりました(△200円)。
そして、この損益計算書の当期純利益のマイナスは貸借対照表の利益剰余金のマイナスとして計上されます。
④M君は、商品が売れるようにがんばりましたが、結局1年目は商品を売ることができませんでした。そのため、商品200円が売れ残りました。
売れ残った商品は、1年目の原価にならないので2年目へ商品在庫として持ち越しになります。
貸借対照表では、持ち越しとなった商品が200円あらたに計上されました。
損益計算書では、持ち越しとなった商品が200円期末棚卸高(原価のマイナス)としてあらたに計上されました。これにより、原価がゼロになり、当期純利益もゼロとなりました。
そして、当期純利益がゼロになったことにより、利益剰余金もゼロになりました。
※2年目の動きを記載した記事はこちらです。
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