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スローライフで恩返し🥾

 今日は休み、板橋の松永記念館へ行った。松永記念館は通勤路の脇にある。

 朝8時に家を出た。最寄りのバス停から市内の駅に出た。用を足した。そして、板橋駅までバスで行った。

 途中、駅構内アークロードの市役所出先で、"福寿カード"をもらった。このカードを持つと、市内の郷土文化施設が無料になる。昨日、職場の先輩に教えられた。箱物を批判され、今はビュジュアルを導入している。

 ただ、ボクにはそれらを必要としない。気温の極端な時期に過ごし安ければよい。たいしたことないと思わられる施設(実は貴重なものがある)に金を払う人は少ない。空調やベイシックな曲の流れる空間は、読書や思索に最良の場だ。遠回りしたが、松永記念館に癒しを求めてやって来た。

 松永記念館は、もともと松永安左衛門が1946年にこの地を求めた。いろいろ事情があったが、海の見えるこの地にしたらしい。また、住まいの目の前の一段下には欅の大木と大きな石がある。欅はお気に入りで、屋敷を老欅庵と呼ぶに因む。また、石は、本来の電力王と呼ばれた松永らしく黒部から取り寄せた。客人をそこで待ったとか。

 庭園内の建物は質素なものが多い。当たり前だが、別名耳庵といい益田鈍翁と並ぶ茶人であった。したがって、建物から石ころにいたるまで、侘び寂びで質素な景色だ。三段上がった母屋も、煌びやかではない。しかし、精巧に足し増しながら楽しく夢ある建物であった。

 以前来た時には、10分くらい見て帰った。今回は2時間ぐらい楽しんだ。ところどころのボランティア・ガイドさんの話も聞いた。パンフは簡素だが分かりやすい。

 見学が終わり路地を出ると旧街道へ出た。この道には、市内を代表するお地蔵さんがある。戦後の市町村合併でボクらも市民であるが、かつては隣り村であったところにボクは住んでいる。ボクら田舎者には、町のお地蔵さんは縁がない。ちなみに、ボクらは、在郷の観音様を頼った。

 小学校に入った時、お地蔵さんを知った。ややこしい話しだが、学区内に旧市内の一部があった。そこに住む友達から、板橋のお地蔵さんを知った。縁日の日、下校して親に頼み連れて行ってもらった。駅から、チンチン電車に乗った記憶がある。

 見たこともない大行列で、出店もたくさんあった。なぜか急に尿意を催した。我慢をしたが、トイレが見当たらなかった。親に言うと、和菓子屋さんに入り、買い物をしてトイレを借りてくれた。その後の記憶は消えている。いつか買い物をして、お礼を言いたかった。が、50年以上も実行していなかった。

 幸いにも、今日出来た。縁日の道とは違い、人気がなく蔵などがあるレトロな街並みだ。豆腐屋、パン屋、和菓子屋、宿屋、味噌屋、酒屋などがある。いずれも、風情ある癒し系の商店だ。和菓子屋に入った。季節の和菓子ときんつばを買った。そして、オシッコの話をした。無口そうな職人気質の親方も、昔話に綻んで話した。ともに、タイム・スリップをした。菓子代は、千円くらいであった。

 最寄りのバス停から駅まで230円。駅から板橋駅まで220円。都合、900円。菓子代とほぼ同じだ。ただ、この交通費は通勤定期で賄った。ちなみに、松永記念館も福寿カードで無料。つまり、文化施設を無料で行き、無料で楽しんだ。お金は唯一、菓子を買うために払ったが、これはお礼の変わりに過ぎない。

 意図的に、かつ打算的に計画した文化施設見学でない。しかし1年前に心がけた"スローライフ"が身についたようだ。これからもムダを省き、大切に意味あるお金の使い方を楽しみたい。

かわせみ💎


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