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Maximizer ? or Satisficer ?

アメリカの心理学者バリー・シュワルツは、著書『なぜ選ぶたびに後悔するのか』のなかで、人を「maximizer(マキシマイザー:追及者)」と「satisficer(サティスファイサー:満足者)」に分けています。

動詞の「 maximize」が「最大化する」という意味からわかるように、その人を表す「maximizer」は「最大限によいものを求める人」です。

動詞の「satisfice 」が「最低限度の条件を満たす」という意味からわかるように、その人を表す「satisficer」は「満足しがちな人」です。

あなたは完璧にこだわる「マキシマイザー」ですか?

それとも適度なところでよしとする「サティスファイサー」ですか?

私自身はどう考えても「サティスファイサー」です。

バリー・シュワルツは「Paradox of choice(選択のパラドックス)」などで有名な学者ですが、次のように「サティスファイサー」を推奨しています。

究極を探し求めるのはやめて、大切なニーズが満たされているならその選択をよしとしなさい。

例えば、プレゼンの資料をパワーポイントで作成する場合、あまりに完璧を目指し過ぎて、表現の細部にまでこだわってしまい、必要以上のボリュームになり、かえって内容が十分に伝わらなかったというケースがあります。

また、完璧な品質保持を志向しているのかもしれませんが、商品のパッケージが過剰包装ではないかと疑問に感じる場合があります。

メーカーサイドで余分なコストがかかり、消費者サイドでは開封しづらいようなデメリットがあるかもしれません。

品質とコストのバランスを「サティスファイサー」の方がうまく取れるのではないでしょうか?

もっとも完璧な作品づくりを常に心がけている職人かたぎの陶芸家などは、「マキシマイザー」でなければならないでしょう!

新型コロナウイルスの感染者数が東京都の急増とともに全国へ拡大しています。

やはり感染予防対策に関しては、徹底した「マキシナイザー」にならなければ抑え込みはむずかしいようです。

テレビの占い番組を見ていると、結婚願望のある女性に対して、あまりに自分の理想像を男性に求め過ぎているのが原因で結婚できないと占い師から断言されていました。

仮に、男性側も同じように完璧な理想の女性像を追い求めたらやはり結婚できないでしょう。

もし、このような男女ばかりだったら次世代が生まれ育っていく環境が整わないでしょう!

一方で「サティスファイサー」は「この世に完璧などない」という人生の現実を十分認識しています。

私達は間違ったり、失敗したり、嫉妬したり、後悔したりするのが常です。

「サティスファイサー」には、自分が持っていないものを憂えるのではなく、持っているものをありがたいと思える基本的姿勢があります。

「マキシナイザー」の終わりのない完璧主義をいつも追及していると、後悔や失望、欲求不満などが高まって不幸になってしまいます。

結論として、人生においては「サティスファイサー」を目指した方が幸福になる可能性を最大化できそうです。




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