ポジティブな習慣化におすすめの本
【キャリコンサロン編集部】日曜担当の荒巻令子です。
本日のお題は#推薦図書
本の話は大好きなので、たくさんお勧めしたかったけれど、今回はこの一冊を。
楽しんでいただけたら幸いです。
わたしがリーダーシップ開発を学ぶ中で出会った『質問会議®︎』は、アクションラーニングと呼ばれる、チームビルディングやグループコーチングに使われる学習法だ。
少人数のグループで、参加者の現実の課題を扱い、その本質を明らかにし解決策を考えることで、個人と組織の学習する力を向上させるのに効果がある。
会議を安心安全の場としてファシリテートし学習を推進し、グループをチームに変えるのがALコーチの役割だ。
「コンテンツ」と「コンテクスト」を分けて見る
ALコーチの勉強中に、私が最も苦戦したのは、
「コンテンツ」と「コンテクスト(プロセス)」を分けて見る
ということだった。
質問会議の中では、提示された課題に対して、参加者が双方向に質問をする。
その対話の中でALコーチが注意すべきは、話されている内容(コンテンツ)ではなく、人と人との間で起こっているコンテクスト、つまり表層に現れないその場の空気感である。もともとKY(空気読めない)と言われがちなわたくし。セッション中に変化する空気を読むのも超苦手。コンテンツに引っ張られて、頭が真っ白になることもしばしば。
しかし、ALコーチがコンテクストを問いかけることで、個人とチームの学習が劇的に促進されるハズなのだ。なんとしてでも習得したい。
コンテクストは、個々の問題の捉え方や解釈の微差によって生じるので、まずは何が事実で、何が発言者の解釈であるのかを切り分ける。解釈(意見)を形作るのはその人の経験。経験は感情の積み重ねで作られる。感情はその人の価値観に起因する。
そんな解けないなぞなぞのような課題を抱えて悪戦苦闘していた時に参加した勉強会で、
U理論の翻訳などをされている中土井僚さんがあげていたのがこの本だ。
1日5分 目的・目標を達成させる 4行日記 小林 惠智 (著)
『4行日記』をつけてみた
この本が書かれたのはもう15年ほど前で、一時期流行ったメモ術や日記術の先駆けになったのではないかと思う。内容もシンプルでわかりやすく、毎日4行日記を書くことでありたい姿に近づくための習慣化を促す、というもの。
私がこの本に興味を持ったのは、前述の中土井さんの
「4行日記 を書き、自分の経験の『事実』と『解釈』を切り分ける練習をした。」という発言からだった。
この本で語られている日記の書き方は、毎日4行、以下の項目で書く
■事実
◆発見
●教訓
★宣言
これは心理学に基づいており、起こった事実とそれに対する自分の解釈(発見、ひらめきなど)に分けて書き、その解釈から自分なりの教訓をひねり出す。そして宣言は、教訓を前向きに実行している、できている自分を想像して宣言するのだそう。決して反省したりはせず、ポジティブな言葉で堂々と宣言して締め括る。
宣言をするのは、潜在意識に覚えさせるため。
ある日のわたしの4行日記
■事実 今日も課題の提出が締め切りギリギリだった。
◆発見 余裕を持って提出したいのにできない罪悪感。
●教訓 締め切りも5分前行動で。
★宣言 わたしは時間厳守で約束を果たせる人間です。
正直言って、最初は少し胡散臭い気がした(笑)
「事実」と「解釈」を分け、自分の行動を補正する
その頃のわたしは、好きな学習をしているにもかかわらず、飲み込みの悪い自分に辟易し、スイスイと課題をこなしていく仲間たちを羨ましく思っていた。年齢のせいにしたり、社会経験のせいにしたりして自分を慰め、どこか問題から逃げていた。がんばっても無駄じゃないか。
そんな思いを抱えながら、半信半疑でせっせと4行日記を書いた。
わたしの目的は、とりあえず「事実と解釈を切り分けて見る」ための練習だ。
最初の頃はロジカルとは言い難い4行が並ぶ。
そのうちに気づきがあった。発見(解釈)を先に書くと、事実と切り分けやすい。例えば、良いパフォーマンスができなくて、自分のポンコツ加減にガッカリした時、事実はなんだろう?「いまいちなパフォーマンスだった」も「ポンコツだ」というのも、わたしの解釈だ。事実は基本的な知識の勘違い。
(発見)良いパフォーマンスができずに落ち込む
←(事実)基本的なスクリプトを誤解していた
(教訓)ならば、スクリプトを復習すればいい。などなど
自分の感情が動いた時に、それが何に反応しているのかを考えるようになった。その出来事(事実)に対する自分の解釈が、自分の常識感やさまざまなバイアスによる前提条件から来ていることを意識すると、そこからの行動を考えるようになる。
起こってしまった事実も無意識の解釈も書き換えは難しい。しかし、その次のアクションは自分の意思で変えられる。この目標に近づくためには、こうしたらいいんじゃないかな、と自分の行動を補正することができるようになる。
前向きに宣言してみる
久しぶりにこの本を読み返したら、付録としてたくさんの教訓や肯定語に書き換えるための辞書がついていた。時代を感じさせる内容に、クスッとなる。
著者の小林先生によると、潜在意識はシンプルでリズムの良い言葉しか覚えられない。否定形はダメでポジティブな言葉で記憶させる必要があるらしい。潜在意識の辞書を書き換えるには長い時間がかかるそうだが、強く意識し繰り返すことで、100日余りで書き換えることも可能になるとか。
行動を前向きにするために、自分の潜在意識を教育してみよう。
わたしは常に平常心を保ち自然体でいる人間です
わたしはどんな物事からも学ぶことができる人間です
わたしは幸運で幸せな人間です
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