見出し画像

2023年4月10日の日記

  高層ビルが向こうに見える、けたたましいバイクのエンジン音が晴天の下に響いている、フットサルのゲームのホイッスルが聞こえる、天王寺の駅前に突如として非日常的空間が現れた。日曜日の昼下がり、前日までのぐずついた天気がウソのような、雲一つない晴れ渡った空だ。

 こんな天気の良い気持ちイイ日にマスクなんてつけてられるか、私ははずさせてもらう。でもまぁ、今日くらいは、いいんじゃないか。なんだかコロナ禍前以上に、人の顔をじっくりと見てしまうようになった。

 ところで周回遅れの花粉症に悩まされている。フラワーパウダー・シンドローム。無理やりに横文字にしたらカッコイイ。目がかゆい。

-

 最近、得意先の会社に新しい人が入って来て、その人と打ち合わせで電話をすることがあるのだが、まだ自らが属する会社の社名に慣れていないのか、社名を名乗る前に「えっと…」と一寸間を置くのがとても良い。そういう、一瞬自分が何者かわからなくなること、あるよね。みっともないと笑ってくれ。

 春になると、多くの人が何者かになり、また多くの人が何者かではなくなる。私は、春になると自分のことを見失いそうになる。これから先、歳を取るにつれてステータスの流動性もなくなって、そんな機会が増えていくんだろう。立場に左右されない、圧倒的な自分らしさを見つけたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?