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恋人よ~僕は旅立つ~♪

 巷では卒業式もひと段落して学生さんたちはつかの間の春休みを満喫していると思う。

 昼間に車を走らせていると高校生くらいの集団が自転車で移動している姿を見かけて微笑ましい気持ちになる。
 
 そんな学生さんたちも進路が決まっている人がほとんどだろう。

 私は彼らと同じころに受験に失敗して浪人することが決まった。

 自宅から通える予備校に通うと甘えてしまうと思ったので両親に隣県で一人暮らしがしたいと訴えた。

 そこならば自分を知っている人はいないし、身の回りのことも全て自分でやらなければいけないので自立することが出来ると思ったからだ。

 学費と仕送りの負担をかけることになるので不退転の決意で引っ越しをしした。

 勉強をするのが目的なのでテレビやゲーム機は当然ご法度で布団と簡単な炊事道具と電話、使い古したラジカセのみというシンプルな荷物でまとめた。

 初めて親元を離れる時にはさすがに不安と寂しさがあり少し泣いてしまった。

 引っ越しの日に頭に流れていたBGMは太田裕美の木綿のハンカチーフだった。

 遠距離恋愛の恋人の心の移り変わりを描いた傑作でありこの歌はずいぶん聞き込んだものである。

 

 数々の歌手がカバーしているがやはり元祖が一番だなと思う。

 今でも春の歌は?と聞かれたら真っ先にこの曲をあげるだろう。

 私の初めての一人暮らしは一年間勉強漬けで色恋沙汰とは無縁だったが人生であれだけ勉強したことは無く、自分の礎になっている。

 あれから四半世紀、私もずいぶんと年を取ったものである。

 最愛の妻という伴侶も得たしなかなか恵まれた人生を歩んでいると思う。
 
 妻とは遠距離恋愛の時期があったが私の熱烈な猛プッシュで彼女の気持ちを動かしたので木綿のハンカチーフのような切ない最後にはならなかった。

 あの歌を教訓にして積極的に行動できたのも事実である。

 その点でもとてもお世話になった名曲だ。

 ああ、そろそろカラオケで歌いたいなぁと思いつつ昨日の晩御飯を振り返ってみる。

 昨日は買い物を少しして帰宅。

 まずは手洗いとうがいをしっかりして晩御飯の支度に取り掛かる。

 まずは汁物から。

 玉ねぎをくし切りにして鍋にいれてお湯を沸かす。

 沸騰したらコンソメを入れて塩コショウを少々。

 玉ねぎが透き通ったら仕上げに醤油を少し垂らして玉ねぎのコンソメスープの出来上がり。

 副菜にニンジンを皮を剥いてレンジでチン。

 温まったニンジンにマヨネーズと揚げ玉を混ぜたら人参のホットサラダの完成。
 
 メインは簡単にオムライス。
 
 ウインナーを小さく切って玉ねぎをみじん切り。

 フライパンに油を敷いて温まったらウインナーと玉ねぎを炒める。

 玉ねぎが透き通ってきたらそこに温かいご飯をドカンと投入。

 塩コショウを軽くしてしっかり炒める。

 フライパンの半分を空けてそこにケチャップを流しいれて水分を飛ばす。

 それから全体に良く混ざるように火を通していく。

 炒め終えたらお皿に盛りつける。

 卵を一人二個割って牛乳を入れてよく混ぜる。

 油を敷いたフライパンに卵を注いで半熟オムレツを作る。

 それをケチャップライスに載せて広げたらオムライスの完成。

 ようし、出来たと妻を呼ぶ。

 昨日のお酒はハイボールで乾杯。

 グラスを合わせてグビッグビッと飲み干す。

 さっぱりしていて今の季節にピッタンコである。

 まずはサラダから食べる。
 
 熱を通したニンジンが甘くて揚げ玉の香ばしさが加わってなかなか面白い味である。

 お酒にもよく合うのでパクパクと食べた。

 合い間に二杯目のハイボールを作る。

 ではメインのオムライスを食べる。

 まずはケチャップで定番のハートマークを描く。

 そして萌え萌えキュンと呪文を唱えると妻がキモッと言うナイスリアクション。

 アングリと口をあけてパクリと食べる。

 卵の甘さとライスの香ばしさがいいバランスである。

 オムライスは得意料理なのでたまに作るが昨日のもまずまずな出来だった。

 多めに作ったがモリモリと食べた羅あっと言う間に完食してしまった。

 妻は少し多いと言って残していた。

 明日の朝食べるねと言って冷蔵庫にしまっていたので無駄にはならない。

 お腹いっぱいで洗い物をしつつ鼻歌を口ずさんだ。

 曲はもちろん木綿のハンカチーフである。  

 うーん昭和歌謡が染みるお年頃になったぁと思うとしみじみした。

 さぁて今日もそろそろ晩御飯の事を考えよう。

 何がいいかな~。

 まずはお買い物、お買い物。

 

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