肉の花が咲く。
今日は朝からシトシト雨模様、花冷えの一日。
今はまさに卒業式シーズン、四月から新しい環境に飛び込む人は大勢いると思う。
進学や就職で親元を離れる人にとっては期待と不安が入り混じっている時期だろう。
私も高校三年になってから進路を決めなければならない時期があった。
高校時代は勉強よりも遊びに夢中になっていたので成績はとんでもなく悪く親を嘆かせたものである。
テストのたびに赤点を連発し、よく留年しないで進級できたなと不思議に思う。
特に数学が鬼門で毎回テスト勉強をするのだが内容が理解不能で十点以上取れたら大健闘だった。
一応進学校だったので勉強に力を入れている校風で生徒もまじめな子が多かった。
そんな中私のいたクラスは勉強が出来なかったり素行の悪いいわゆる落ちこぼれを集めたクラスで休み時間に隠れて喫煙をする連中ばかりだった。
私はタバコは吸わなかったが友達と一緒に部活棟の裏で授業をさぼってうだうだしている時に大量の副流煙を浴びていた。
友達もノリで生きているような子ばかりで勉強会と称して集まってはエッチなビデオの鑑賞会を開いたりオトナの社会勉強と称して成人映画を観に行ったりと煩悩丸出しで生きていた。
今思い返してみてもあの頃は箸にも棒にもかからないバカチンだったなぁと思う。
まあ毎日は楽しかったがあっという間に受験シーズンがやってきてみんな焦りだした。
私も模試を受けるのだが判定はオールEで途方に暮れた。
その頃は塾にも通っていなかったので成績が上がる要素はどこにもなかった。
やがて迎えるセンター試験。
その日は大雪で受験会場の公立大学まで行くのが大変だった。
いざ試験が始まると内容がちんぷんかんぷんでお手上げだった。
それでも勘と雰囲気でマークシートを埋めた。
その作業はあっという間に終わったので残りの試験時間は呆然として過ごした。
その帰り道友達とお前出来たか?と話しかけると私と似たり寄ったりだった。
なぁんだとその場で心の友よと肩を抱いたものである。
二日目の試験はもう受けても無駄だと分かったので大学の近所のファミレスでモーニングを食べてそれからカラオケに行って勉強のできないストレスを吹き飛ばすよに散々歌い上げた。
今思うと受験をさせてくれた両親に申し訳なくてタイムマシーンがあればこのバカタレが!とビンタの一発でもかましたくなる。
結局センター試験は大惨敗でその後受けた私立大学も全滅だった。
ああ、どうしようと途方に暮れつつ春から予備校生になるのであった。
本当に親には迷惑をかけっぱなしだったなぁ。
今の時期になるとそんなことを思い出す。
そんなことを考えながら昨日の晩御飯のお話を少々。
昨日も冷蔵庫の整理デー。
冷凍庫を漁ってみると少し冷凍焼けした牛肉のブロックが出てきた。
これはお正月に実家で作ったローストビーフを分けてもらったものでそろそろ食べないと思って救助した。
レンジで火が通りすぎないように注意して解凍しておく。
レタスを洗って一口サイズに千切る。
冷凍してあるお米を二人分解凍。
卵を白身と黄身に分ける。
どんぶりにご飯をよそってその上にレタスを敷き詰める。
そこに薄く切ったローストビーフを放射線状にきれいに並べる。
真ん中に卵の黄身を割れないようにポトリと落とす。
これでローストビーフ丼の完成。
続けて副菜をちゃっちゃっと作る。
残った卵の白身にカニカマを混ぜてオイスターソースと昆布だしで味を付ける。
フライパンに油を敷いて熱しておく。
そこに卵液を流し込んで焼いていく。
手首を使って卵を紡錘状にまとめたら白いカニカマオムレツの出来上がり。
汁物はシンプルに玉ねぎのみそ汁。
よっしできたばいとニセ博多弁を使いつつ妻を呼ぶ。
昨日のお酒は日本酒のぬる燗、妻はビール。
カチンと乾杯してツイーッと口に含むとふんわりとお酒が広がる。
うん、日本酒スタートもいいねと思いながらオムレツをつまみにする。
カニカマの旨味と白身だけの卵の淡白な味がよく合っている。
これはなかなかいいなと思ってモグモグ。
みそ汁を間に挟んでローストビーフ丼を食べる。
醤油を回しかけてワサビをのせてよくかき混ぜてパクリ。
赤身肉なのでサッパリしているがしっかりとした力強い味がする。
卵と絡めて食べるとマイルドになって食が進む。
レタスもシャキシャキした食感で口の中をリフレッシュしてくれる。
妻は牛肉が好きなので上機嫌でモリモリ食べていた。
ローストビーフはお酒にも合うのでついつい杯を重ねてしまった。
昨日の食事の話題はテレビでやっていた卒業ソングベストテン。
妻とは同世代なので昭和の歌の思い出で盛り上がった。
ボリュームのあるどんぶりを食べたのでお腹いっぱいになった。
少し食休みをして制服の胸のボタンを~♪と鼻歌を歌いながら片付けた。
さぁて今日は何を食べようかな。
毎日ご飯の事ばかり考えて暮らしております。
どっとはらい。
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