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ロンドンから持ち帰った1番おおきなもの

前回から引き続きホステルについて書かせていただいておりますが、

帰国後に就職面接を受ける際、友人と他愛ない会話ので「海外へ行く前と行った後で何が一番かわった?」と時々聞かれます。

英語力がネイティブ並みになりました! とかそんなかっこいいことを答えられるようになりたい、なんてひそかな願望をもちながら渡英し、帰国をしましたが、いざ何が一番かわったか、と問われると、

コミュニケーション能力でした。

ひとの話したいことを傾聴できる力。ひとに興味をもつことができる力。

養われたのは英語力よりもこの能力でした。

諸事情から、ホステルで暮らしていた私は、ほとんど毎日知らない人に話しかけられました。その度に私は日本人で、仕事をさがしていて、、と話しているうちに彼らに共通している能力として、他人の話を聞く力と、他人に興味を持てる力があり、それが圧倒的に私より優れていることに気が付きました。それから私は少しずつ、彼らから受ける質問を彼らへ返すようにしていきました。

そうして、相手が誰で何を目的にロンドンへやってきたのかを知り、仲良くなれば恋愛のゴシップなんかを話し、時には、シリアから難民になってここまでたどり着いたというシリアスな話を聞き、時には20年間同じホステルで同じ暮らしをしている紳士と話をして、イギリスの福祉は手厚く、働かくないでここにいるほうが人生は有意義だという主張を聞いたりしていました。

そんなこんなで、はじめましての知らない人に興味を持つことをはじめ、話をする回数が圧倒的に多くなりました。

日本にいたころの私は小学生の頃からわかりやすくイジメにあい、中学にも高校にも友人と思える人もいなく、高校卒業後に、急に思いついて1年後に入学した大学で初めて友達はできましたが、青春を通して私が培ったものといえば、話しかけないでください、というオーラを即座に発することができる能力だけでした。
そんな私にコミュニケーション能力なんぞあるわけもなく、なにかにつけて私は人見知りですから、、と言っていました。

コミュニケーション能力は決して、生まれついた能力ではなく、トレーニングした筋力と同じことでした。

それを一度もトライアンドエラーをしない天才しか持ち合わせていない能力だと信じていたのは、そう定義をすることで自分の努力不足を正当化できたからでした。

「人見知りですから(生まれつきのハンディキャップなんだから仕方ないでしょ)」、という言葉がキラーワードだったと思っているのは使っていた私自身だけであって、そのワードを使うことで、努力不足ですから、と公言しているようなものだということにずいぶんと長い間、まるで気がついていませんでした。

今でももちろん、人並みに緊張することもありますが、初めましてが怖いという感覚は一切ありません。

私にとっては、これが1番大きな変化でした。

このNoteは、元々人見知りと無関係な人々へは何の役にも立たないかと思いますが、そうじゃない方たちへ。
話しかけてくる相手は少なくてもあなたに興味があるのです。少し言葉がわからなくても待ってくれます。わかろうとしてくれます。だから逃げたいところを5秒だけ我慢して、伝えようとしてみると、何かが変わるかもしれません。

それを英語でできるようになるのであれば、日本での人見知りなんて一気になくなり、大げさかもしれませんが、その後の人生に大きく影響します。

ホステルで暮らす、ということはこのような思いがけないライフハックにつながりました。というお話。

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