ファストフードにて

ファストフードの店員が困惑している。
フライドポテトを作っていたら、どうやら巨大な1本のフライドポテトになってしまったらしい。
もはや焼き芋である。
客はフライドポテトを頼んでいる。
しかしできたのは焼き芋。
かなり美味しそうなのは間違いないが、そのまま提供していいのかどうか悩んでいるようだ。
メニューの写真とあまりにも違うため、もはや別のメニューなのかもしれない。
しかし、れっきとしたフライされたポテトなのだ。
そもそもファストフードではメニューの写真と実物が大きく違うことがよくある。
この件もその範疇に加えてもいいかもしれない。
いや、しかし今回はあまりにも写真と実物との乖離が大きすぎる。
したり顔でそのまま巨大な1本のフライドポテトを提供するには、あまりにも無理がある。
おっと、そうこうしているうちに店員が巨大なフライドポテトを細かく裁断しようとしているようだ。
たしかにその手はありかもしれない。
しかしダメだ。
ほぼ全てのフライドポテトがホクホクのみで構成されてしまう。
外カリカリ中ホクホクがフライドポテトなのだ。
ホクホクのみのフライドポテトなど、それこそ焼き芋に近づいてしまう。
それは危険な道だ。
考え直せ。
作り直せ。