斬り合い

家に帰る途中、道の真ん中で二人の武士の斬り合いに遭遇した。
こういうことはよくあるのだが、だいたい斬り合いはすぐに終わる。
少し見物して、死体を避けながら帰路につくのがいつものパターンだ。
今日もそんな感じかなと思い、見物していたが一向に斬り合いが終わらない。
二人ともかなり斬られているのは間違いない。
誰がどう見ても血だらけだからだ。
しかし、元気いっぱいだ。
早く帰りたいのだが、道の真ん中で斬り合いをしているので通れない。
高速で動く刃物の間を通り抜けるのは危険すぎる。
通してくださいと言う隙もない。
さらに何時間も斬り合いをする二人。
人間よりも刀が先に力尽きてしまい、斬り合いは強制終了した。
二人は十秒ぐらい沈黙した後、殴り合いを始めた。
刀ほどのスピードはない。
僕は隙を見計らって帰路についた。