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時代の感覚を掴むことは、流行りものを追うことじゃないんだ。

コピーライター・谷山雅計さんの『広告コピーってこう書くんだ!読本』を読みました。

こんにちは、のんです。

この本は、広告コピーの書き方についてのHOW TO本ではありません。いいコピーやアイデアを生み出すためには、発想法を知るのではなく、自分のアタマが〝発想体質〟になるようトレーニングをする必要がある。そのための方法論が展開されています。

2007年に刊行された本ですが、今読んでも説得力がある、納得できるものがたくさん。私はコピーライターになりたいわけではありませんが、たとえばライターや編集者として、今後活かしていきたいと思う内容がありました。

なかでも一番刺さったのは、「コピーライターにとっての時代感覚」について。

世の中の新しい概念は、つねに最初は「そんなのわかんない」のところに現れて、それがあるときに「そういえばそうだね」に移り、やがて「そりゃそうだ」になっていく。時代の感覚は、つねにそういう方向に移り変わっていかんじゃないかと、ぼくは考えています。
『広告コピーってこう書くんだ!読本』P192 より

「そんなのわかんない(ほとんどの人が知らないこと)」「そういえばそうだね(知っているのに、意識の下に眠っているようなもの)」「そりゃそうだ(誰もが知っている)」は、本著の中で定義された、ある意見を人に言ったとき、それを聞いた受け手の反応を大きく3つに分けたものです。

たとえばSDGs(持続可能な開発目標)は、ちょうど今「そういえばそうだね」のところにあるんじゃないでしょうか。2015年に採択されてから3〜4年は、「そんなのわかんない」という雰囲気があった。けど、今はテレビでも雑誌でも、当たり前のように登場します。あともう1、2年もすれば「そりゃそうだ」のフェーズに入っていきそうな感じが……いや、もう入りかけているのかも。

時代の感覚を掴むということは、ただ単に流行りものを追えばいいということではない。対象に対して、世間がどのような眼差しを向けているか敏感になること。この、「そんなのわかんない」「そういえばそうだね」「そりゃそうだ」のグラデーションを意識できる眼が必要なのは、コピーライターだけに限った話ではないんだろうなあ。

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