『生活文化の違いから気付くアンコンシャス・バイアス』ザイナスのちょこっとコラム
先日、中国人の友達の家に遊びに行った。麻婆豆腐に茄子とピーマンの甘酢和え、寒天を使ったデザートまでご馳走してもらった。隣で料理を少し手伝っていたのだが、初めて辣油を自分で簡単に作れることを知った。小皿に、すり下ろしたニンニク、ゴマ、粉唐辛子を入れ、そこに熱々に熱した油を注ぐ。日本では辣油は小瓶に入って売っている。そのため、自分自身で作るという発想が私にはなかった。中国では、即座にまた食事のたびに辣油を作るのかとびっくりしたこと友人に話すと、友人自身が感じた中国と日本の違いについて、興味深い話を始めた。
近年、世界中でコロナが流行り、日本のニュースでは様々な国の実態がニュースで流れている。その中にも、もちろん中国のこともあった。コロナが中国のある地域で広がると、高層マンションごと住民は強制隔離され、その政策に反発してゲートの前で大騒ぎしている映像が流された。中国の政策はとても厳しいのではないか、と思わせるような内容で日本のメディアでは報道されていた。確かに、それは事実ではある。しかし、中国人の友達からしたら、厳しいと一概に言うのはどうなのか、中国の生活そのものの実態を知らないまま、日本人の生活を基準に考えているのではないかと思ったそうだ。
そもそも最近の中国では、相当な田舎に行かない限り一軒家ではなく高層マンションに住むのが当たり前らしい。日本でよく見る3階建てのアパートのような概念はあまりなく、団地のように同じ形をした高層マンションが、当たり前に立ち並んでいるのだ。そのため、一つのマンションで、多くの人がエレベーターを共有しなければならない。マンション内で一人感染していれば、エレベーターを通して、爆発的に感染者数が広がりかねない仕組みらしい。きちんと食料も配給しているし、悪い面ばかりではないのだと。確かに、反発する人はどんな場面でも一定数出てくる。しかし、それだけを大々的に出し、中国の政策は厳しいと報道するのは、偏った考えを促しかねないのではないか、生活の違いを知らないまま解釈されていまっているのではないか、と話してくれた。
確かに、報道されたものを自分の中で落とし込むとき、私達はこれまでの蓄積した経験で物事を判断する。そのため、わざとではなくても無意識に、自分に寄せた偏った考えになってしまうのだ。それが決して悪いわけではないのだが、自分が見ている一面だけではなく、他にも見方が有るということを認識しているだけで、考え方や人に接するときの行動が随分と変わってくるのではないだろうか。恐らく、日本の方だけでなく中国のメディアでも、中国の見方や考え方からの日本についての報道がされていることもあるだろう。中国の友人は、両国に住んだことで偏りに気づき、それはとても面白く、また自分は偏った見方や判断をしないために、注意して報道を捉えなければならないと思ったらしい。
私が、日本で小瓶にして売ってある辣油が当たり前だと思っていたのも、実はこれまでの経験から来る偏った考えや見方なのかもしれない。
自分自身が気づいていない(=無意識)、ものの見方や捉え方のゆがみ・偏り・思い込みのことをアンコンシャス・バイアスと言います。これは誰しもが持っているもので、外からの情報や、それまでの人生経験で培ってきた情報から、物事を判断してしまうためにおこるものです。
私たちIT事業を営んでいるザイナスでは、教育事業の一環で大分県が主催する「令和4年度アンコンシャス・バイアス気づき発信プロジェクト」を委託・運営しております。アンコンシャス・バイアスについて、またこのプロジェクトについて興味がある方は、ぜひこちら👇の記事もお読みください。
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