【DIY】床の間を開放してみました。
こんにちは。
自立に向けてログハウス・ビルドをはじめたとっとです。
今回、「ゆかのあいだ」ではなく「とこのま」を開放してみたので、シェアさせていただきます。
※約6,000字あります。
神奈川に事業所のある企業を卒サラし、実家のある九州宮崎に戻って約半年になります。
いまは家族で実家に寄生しながら日々ログハウスの勉強中です。
いっぽう、わたしが地元を離れてから約20年後、まさか家族6人になって戻ってくるとは想定もしていない古い実家(とわたしの父親)。
うちの実家は、若いころに大工(や土木や測量や基礎や・・)の経験がある父親が、40年近く前に自前で建てた在来軸組の家です。
部屋数は足りているのですが、床の間は窓もないため真っ暗で、畳はヨレヨレのため物置場と化し、わが家6人は雑魚寝するにも洗濯物の近くで狭苦しい半年を過ごしていました。
そこで今回、家族6人広々と寝られるよう、DIYで床の間をリフォームしてみることにしました。
きっかけ
とくに感染症とかではなかったのですが、子どもたちがヤケに咳をするようになったのがきっかけでした。
とある日の朝、家の外で父親とこんな会話をしたのでした。(実際にはこんな標準語ではしゃべりませんが)
父親:
「最近みんな咳が多いけど、洗濯物の近くだから喉にもよくないんじゃないか?」
わたし:
「そうかもね。でも寝られる場所がないからなぁ。」
父親:
「床の間あるんだから、物片付けたら寝られるんじゃないか?」
わたし:
「うーん、でも窓がないから暗いんだよ・・。壁壊して掃き出し窓つけようかな。」
父親:
「うん、それがいいんじゃないか。」
わたし:
「了解、じゃ物片付けたら、もう壁こわしちゃうよ?」
父親:
「おう、いいぞ」
解体
その日の午前中、まだ誰も入っていないお仏壇を退避させ、実家の床の間を躊躇なくバールで壊しはじめます。
昔ながらの砂壁で、下地は石膏ボードです。素人が壊すとポロポロと崩れていきますが、慣れてくると塊で外せます。
どんどん壊していきます。
父親がこの家を建てた当時は、まだ断熱材を入れるのがデフォルトではなかったようで、内壁を壊すと外壁材の裏側がみえます。
お仏壇のあった場所の左隣には押入れがあり、こちらも壊していきます。
すっきりしました。
構造体の状況を確認しながら、押入れの右側にあった柱も外しました。
この正面にある二間分(約3.6m)の壁を開放して、掃き出しのアルミサッシを二つ入れる計画です。
床の根太張り
最寄りの畳を2枚めくり、床もあらわにして、断面を見てみます。
向かって左側が畳敷きで、右側が押し入れやお仏壇が置いてあったところです。
ぽっかり空いた右側の空洞には、新たに根太を設けて、フローリングにすることにしました。
どのぐらいの高さの根太を用意すればいいか検討します。
考え方としては、左側の畳の高さにフローリングの高さをあわせることです。
畳側は、このような順番で下から構築されています。
大引の天端(上の面)から畳の天端までの寸法をはかったところ、用意したフローリング材の厚みが約15mmであることから、ぽっかり空いた空洞に設置する根太は3寸の高さにすることになりました。
製材所を営んでいる父親が根太を準備し、わたしがそれをカットして設置してみました。
向かって手前側に白い化粧角材を横に一本打っています。これは畳とフローリングの堺になるもので、畳寄せというそうです。
捨て張り
設置した根太の上に、板材を捨て張りします。
これまた父親が製材した板材を、
わたしが張っていきます。
DIY好きが高じて、先日マキタの丸ノコ、インパクトドライバ、ディスクグラインダーを購入したのですが、さすがにまだエア工具を持っておらず、金槌で釘を打っていきました。
捨て張り完了。
フローリング張り
次は、捨て張りした板の上にフローリング材を張っていきます。
フローリング材は裏面にボンドをつけて貼り付けます。
さらに、フローリング材の断面には実と言われる凹凸が加工してあるので、それを互いにはめ込んで実部分に釘をうち、隙間なく張っていきます。
まずは必要なものを近くのナフコで購入。
裏面にボンドをつけてフローリング材を置き、実部分に釘を打ち込みます。
釘を打つのは下の写真にある実の部分です。ここに打ち込むことで、次の材をはめたときに釘が隠れて見えなくなります。
隙間ができないように気をつけながら、どんどん張っていきます。
一通り張り終えました。
張り始めの部分は実が効いていないので、突っ張り棒(と物干し竿)でボンド付け部分を押えています。
アルミサッシ調達
次はいよいよ壁を壊していきますので、事前に掃き出しのアルミサッシを調達します。
われらがジモティーで検索し、シャッター付きの中古アルミサッシを40,000円(1セット20,000円×2セット)の破格で調達してきました。
もちろんガラス戸と網戸も付いています。
壁を開口
台風情報や天気予報を確認し、いよいよ外壁を壊します。
壁を壊したらその日のうちのアルミサッシを取り付けないと、夜がとんでもなく涼しいことになってしまいます。
父親に確認し、間柱と筋交と外壁に丸ノコを入れていきます。
外からみるとこんな感じ。
途中から、父親の知り合いの大工さん(親子)も加勢にきてくれました。
外壁を完全に開口し、サッシの寸法にあわせて上側に鴨居を入れてくれました。
もちろんこの鴨居も父親が製材したものです。
サッシがくる箇所の下側は、追加した根太を隠すように角材を入れ、サッシの受けにします。フローリング材もフチまで追加で張りました。
アルミサッシ設置
重たいので一旦シャッターを取り外し、サッシだけ準備します。
大工さんにマルチツールを借り、サッシについていた古いコーキング材などを事前に除去しました。
サッシを開口部にはめ込み、ビスで留めていきます。
外側のサッシまわりは両面テープで防水シートを張っていきます。
加勢にきてくれた大工さんのおかげで、なんとかガラス戸をはめるところまでできました。この日の雨風はしのげそうです。
ここまでくると、リフォームの8割は終わった気になりますが、実際はまだまだ続きます。
取り壊したところの内装は、床は仕上がっていますが、壁と天井がむき出しです。
壁板張り
とりあえず壁に板を張っていきました。
こちらも父親が製材し、簡単な実加工をして塗装したものです。
こちらもボンド付けし、隠し釘で留めるとのことでしたが、うまく留まらなかったので、フローリング板と同じように、余っていたフロアー釘を実部分に打っていきます。
両側の壁を下から張り上げていきます。
上部までくると、サッシを固定している鴨居に干渉するので、そこだけよけるように加工しました。
桁の追加
次は天井部分です。
今回、邪魔になる柱を抜いたことで、梁を支えていた部分の荷重が、元々ある桁に追加で加わることになりました。
少しわかりづらいですが、サッシ側から室内上方を見たところです。
天井裏の隙間の中をよくみると、左側と右側それぞれに、奥に向かって走る梁があります。
天井の中をのぞくとこんな感じ。
左右にある梁が奥に向かって伸びているのが見えます。
床の間を解体する前は、それぞれの梁の下を支えるように柱があったのですが、室内を広くとるためには邪魔なので取り除きました。
そこで、梁を支えている桁を補強するため、追加の桁を下側に入れることに。
もちろん、このような大きな桁材も父親が製材して加工します。
両サイドの柱をノミで切り欠き、新しい桁材を追加したところ。
中央に立てているのはつっかえ棒です。
このように桁を嵩増しする場合、通常はドリルで縦に穴を開け、ボルトで二つの桁を挟み込んで固定しますが、今回は天井が邪魔でそのような結合方法をとるのが困難でした。
そこで、廃材としてあった分厚い金属片を使って、コーチスクリューで側面を締結しました。
天井板張り
拡張した天井部分は、屋根の勾配に沿って野地板が見えています。
室内側の天井は畳部分の天井より少し下げ、水平に板を張れるよう、下地になる角材を桁方向に3本追加しました。
下地角材の設置位置は、これから張る天井板の面が、追加した桁材の下端に合う位置となるようにしました。
この下地3本に対して、壁板と同じ板材を張っていきます。
1枚目。
壁板同様、ボンドとフロアー釘を使ってとめていきました。
どんどん張っていきます。
最後の1枚。
お気づきでしょうか。
壁板と天井板の色が若干違うことに。
なんと、途中で塗料が足りなくなり、近くのコメリに同じ塗料を買いに走るも在庫がなく、仕方なく少し違う色の塗料で続行することになったのです。
そのため天井が途中から若干黄色味がかっていますが、気にしません。
サッシ上の壁板張り
天井を張り終えると、次はサッシの上に露出している桁や鴨居の部分に板を張っていきます。
こんな感じで張っていきます。
どんどん張っていきます。
張り終えます。
お気づきでしょうか。板材の色が黄色味がかって・・・。
まわり縁とサッシ周りの化粧板を設置
壁板と天井板を張り終えると、両者の継ぎ目となる隅の隙間を埋めるように、まわり縁という細い角材をうち、見た目を綺麗にします。
また、サッシ周りに化粧板を入れて隙間を埋めます。
これで、床の間だった部分の造作は完了です。
畳を新調
このリフォームをはじめるとき、カミさんは言いました。
「和室で寝るなら畳もあたらしいのがいいな〜」
たしかに、○○と畳は新しい方が良いと昔からいいます。
またもやジモティーを検索し、中古住宅をリフォームしているお宅でちょうど新しい畳が8枚不要という方がおり、福岡まで引き取りに行ったのでした。
畳は無料でしたが、高速代とガソリン代を入れても15,000円ほどで、こちらも破格で入手できました。
まずは古い畳を剥がしていきます。
父親によると、畳のサイズは京間や江戸間、さらにはそれぞれの住宅によってほぼオーダーメイドのようにバラバラだそうで、実際ジモティーで入手した畳も、サイズが一回り小さいものでした。
元々入っていた古い畳より、厚みも5mmほど薄いため、先に板を張って嵩上げします。
杉板を張るだけで綺麗に見えます。
畳の向きを確認しながら収めてみると、計算通り四方に隙間ができました。
隙間を採寸して父親に伝えると、きれいな角材を製材してくれます。
わたしはそれをカットしながら四隅にはめ、ビスで留めていきます。
これで室内は完成です。もうこの部屋で寝られます!
外壁張り
内装は完了しましたが、外装がまだです。
サッシを取り付けるときに加勢してくれた大工さんが、現場で廃材となった外壁材の切れ端をもってきてくれました。
この端材を寸法見て切り出し、釘で留めていきます。
ひととおり外壁材を貼り付けたら、雨が入らないように隙間をコーキング材で埋めます。
なにも考えずにいきなり隙間を塗り始めます。
全然隙間に入り込まず、めちゃくちゃ汚い感じに。
養生テープを貼るのを忘れていました。
慌てて近くのコメリに買いにいきます。
改めて、隙間の両サイドにテープを張り、コーキング材を塗って木片などで押し込んでいきます。
サッシとサッシの間にも養生をして、
コーキングしていきます。
サッシの下もコーキングして、完了です。
シャッター取り付け
取り外していたシャッターを取り付け、
カバーをします。
軒天張り
残るは軒天井のみです。
まずは下から天井板を張れるよう、下地となる角材を屋根垂木に留めていきます。
室内の天井板を張る時と同じ発想です。
ここが一番大変だったかもしれません。
約3.6mある軒天井の長さに合わせて角材を切断し、角材の両端を片方ずつ、脚立を何度も移動しながら留めます。
しかも採寸したとはいえ、いざ取り付けてみると垂木や雨どい金具に干渉するため、何度も取り外してはノミで削って・・を繰り返しました。
下地ができれば、いよいよ天井板を張っていきます。
父親曰く、石綿板という板を使うそうなのですが、今はホームセンターでもこの名称の板はどこにも売られていませんでした。
名前のとおり、石綿(せきめん=アスベスト)ということから、今ではこの言葉自体、商品名に使っていないと思われます。
ネットで「軒天井」「材料」などと調べると、いくつか出てきました。
その中にでてきたケイカル板(ケイ酸カルシウム板)という板が、宮崎のハンズマンに並べられていたので、1枚購入しました。
ケイカル板をカットして張り付けようと思っていたところに、父親の知り合いの大工さん(親子)が加勢にきてくれました。
ケイカル板を固定するのに、ビスを使うのか釘を使うのかもわからないので聞いてみると、釘とのこと。
外壁材もそうですが、ボード類は基本的に釘で留めます。(ビスだと割れることがあるため)
まさかの金槌で打って行こうかと思っていた矢先、大工さんはおもむろ(?)にコンプレッサーをセッティングし、エア工具でバシバシと釘を打ってくれました。
一瞬でおわってしまいました。大工さんがやると、何故かDIY感がなくなります。
これにて、内外ともに、大工さんの加勢付きDIY床の間リフォームが完了しました。
まとめ
今回、実家の床の間をDIYでリフォームし、明るい寝室にしてみたのでシェアさせていただきました。
毎日作業をできたわけではありませんが、解体を始めてから軒天井張りまで、約二週間半ほどかかりました。
今回父親におしえてもらいながら大工仕事の真似事をしてみての感想です。
いまでは、解体した部分と合わせて約10畳分にひろく明るくなった和室です。
さっそく布団をならべ、毎晩ゆったり寝ています。
次は、今回開放した東側の掃き出し窓にテラスを設置して、居間の東側にあるテラスと繋げたいと思案中です。
長い記事に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
ログハウス・ビルド23年の軌跡をYouTubeでも配信しています。もしよろしければ、こちらもぜひ覗いてやってください!
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