憧れの地は、憧れのままで|どこにでも住めるとしても
憧れの地、横浜。
1か月前、<アパホテル&リゾート 横浜ベイタワー>に泊まった。
ホテル自体は普通のアパの大型版という感じだったが、部屋の窓からはインターコンチネンタル、コスモクロック(観覧車)、そしてベイブリッジが見え、横浜の景色を満喫できる立地にあった。
みなとみらいのこの景色は、昔から大好きな景色だ。
大好きで尊敬する祖父は、私が6歳の頃から山手の墓地に眠っている。
転勤族であちこち飛び回ったのち、最終的に生まれ故郷である横浜に戻ってきたのだった。
私の住んでいた千葉県から横浜は、決して近くはなかったが、
祖父に手を合わせに行くため、小さい頃から少々なじみ深い場所になっていた。
そのたびにこの横浜らしい景色を見ては、感覚的に好きだなーと思っていた。
成人式の前撮りも、ワールドポーターズの屋上で観覧車をバッグに撮れるお店にお願いした。
(突然一輪のバラを渡され「お母さんにプレゼントしましょう」って言われたの、戸惑ったけどよかったな。お互い泣きながらバラを渡した。いいサービス…)
職場がみなとみらいの友達のストーリーを見ては、あの景色を毎日見れるのか~と羨ましく思っていた。
だけど、よく考えたら私は、コスモワールド周辺以外の地理をよく理解していなかった。
歳を重ねて、遊びやデート、最近なら結婚式でも訪れていたが、なぜかいつもなんとなーく歩いて、目的地に着けてしまっていた。
いつかゆっくり理解したいと思っていた。
というか建物が好きな私は、馬車道あたりをもっと理解したいと思っていた。(だいたいいつも、人といると港の方を歩いてしまうからね)
アパホテルに泊まった翌日は祝日。一緒に泊まった彼も別件の予定があったので、いい機会だ!と散歩してみた。
感覚的な好きや憧れを、まっすぐ見つめてみた。
(▼お散歩した日のギャラリーはこちら)
時間の制限があったので少しだけだったが、それでもみなとみらい・馬車道付近の土地勘が、ようやく少しだけついた気がする。
やっぱり自分の足で歩いて、自分の目で見てみるのが一番いいんだよなーと思う。
土地勘がわかっただけでなく、歴史的建物をたくさん見れて、その土地の歴史も少しは知ることができた。
「おしゃれ~」「海外みたい~」みたいなものではない。
異国との交流が始まり、日本に新たな風がたくさん入ってきた場所。そして関東大震災から一生懸命立ち上がってきた場所。
とても敬意を払いたい場所だと個人的には思った。
憧れの場所は、憧れのままにしたいと思った。
そんなお散歩を終えたあと、noteの「#どこにでも住めるとしたら」を発見した。
そこで思った。
「毎日みなとみらいの風景を見れていいな~」と思ってはいたが、
「住みたいか」と聞かれたらやっぱり「今の私は住みたくない」と答えるだろう。
なぜなら、私は憧れの場所を、敬意を払いたいと思った場所を、特別にしておきたいのだ。
社会をまわす一員としてその街に溶け込むならまだしも、今の私が"帰る場所"とするにはおこがましい気がした。
憧れの場所が、イコール住みたい場所ということでもないんだなと思った。
それも「生活が大変そう」とか言う理由でなくても。(正直山手の方だと坂が多いから住むには大変そう、とは思うけれど笑)
これから年齢を重ねれば、住んでみたいと思うようになるのか。
それとも今の気持ちは変わらず、ずっと憧れのまま、足を運ぶところになるのか。
人の気持ちも環境も変化していくものだから…
これからの私と横浜の関係が我ながら少し楽しみだなと、今回の発見を通して思った。
追記
なんと3月も横浜に泊まった。泊めてもらった。憧れのホテルニューグランドに…!
1927年(昭和2年)に建てられたこのホテルは、マッカーサやチャップリンなども訪れた、横浜の歴史とともに存在してきた格式高いクラシックホテルだ。
その歴史に触れながら、彼が角部屋をとってくれたので、またまたみなとみらいとベイブリッジを眺めることが出来た。あと山下公園と氷川丸も。嬉しい!
ロビーは言わずもがな、お部屋の内装もとても素敵で、ずっと惹かれていたニューグランドブルーを随所に感じることができて感動した。
「格式高いホテル」とだけ聞くと私は、自分は場違いなんじゃないかと少しそわそわしてしまうのだが、
ホテルニューグランドは不思議と心地よい、落ち着く場所だった。
きっと、ホテル自体がお高くとまるのではなく、どうしたら宿泊者が満足するかというのを第一に考え、サービスをしてきたからこそなんだろう。
そしてそのスピリットが令和になった今も受け継がれているからなんだろう。と思った。
気品がありながらも、寄り添ってくれるようなホテルだった。
ずっとここで見守っていて欲しいな。
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