帰国後に1番堪えたこと
1年半前に、3年3ヶ月のスイス留学から帰国しました。
帰国と同時に、家族の事情で地方から東京に越してきました。
だから、ただいまー帰国しました!というより、日本は日本でも新天地にやってきたというわけです。
そして休む間もなく、新しい病院での仕事が始まったのですが、堪えたのが、東京での電車通勤。
満員電車ほどではないけれどもそれなりに混んでいる車内。降りる人は強引に人を押し退けないと降りられない。しかもすごい力で。
仕方ないのですが、人を押し退け押し退けする人から、すみませんの一言を聞いたことはないし、会釈もない。
ぶつかられてもいちいち気にしていたら身が持たないだろうからか、無表情の乗客たち。
人は心が傷つくとき、感情を凍らせて感じないようにする。無関心になろうとする。心を守るため。トラウマからの防衛機制だ。
通勤でちょっとずつ心を傷つけていく私でした。
★★★
留学中は、車内、そして道すがら、目が合えば笑みを交わし、ぶつかれば謝り、たわいもない会話が始まった。
様々な民族が混じっているヨーロッパでは基本的に、他人はわけのわからない不気味なものだから、私は敵じゃないです、大丈夫ですよ、の確認が必要だからかもしれないし、そもそも人が少ないから、余裕があるのかもしれない。
コロナ禍、感染防止のため、政府によりハグ禁止令が発令されたときは多くのスイス国民がうつになった。
人と関わりたい。
ちょっとしたやりとりで感じる生活への愛おしさはどこ?
★★★
今年からフリーランスとなり、通勤もだいぶ楽になった。
朝もずいぶん遅い時間帯になったし、バス通勤になったら、なんだか見知らぬ人同士の気遣いも戻ってきました。
フリーランスになって失ったものも多かろうけれども、心には穏やかさと愛おしさが再び灯りつつあります。
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