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猫友達と井の頭自然文化園に行った話

またしても仕事で東京へ行ったのだった。
それもゴールデンウィーク最初の日曜の浅草に。
目的は猫イベントなので、猫友達のあげ子に声をかけてイベント会場で合流することにした。あげ子は横浜に住んでいる。

急に決めた出張で、あげ子と会うのを思いついたのも前々日の金曜だった。運良くあげ子に予定がなくてよかった。
仕事は多分2時頃には終わるしその後どこ行く?という話になり、揉めた。
豪徳寺はどうか、西新井大師はどうか、西荻窪に行きたいところがある、と二転三転したのち、あげ子が「井の頭公園の動物園はどうだろう」とスマッシュヒットを飛ばした。

「外なら人が多くてもそんな気にならないし、いいね」
「でもリスがさぁ」

リスがどうした、と思ったら、井の頭自然文化園にはリスの小径という展示がありそこのリスがどうやら16時半で引き上げてしまうらしい。
リスが引き上げてしまう…とは…どこかにぞろぞろとリスが帰ってしまうのだろうか。わたしの脳裏に羊飼いのペーターの指笛でぞろぞろと集まってくるヤギの群れが浮かんだ。それはいかん、じゃあとにかく動物園についたらまっすぐリスの小径に向かわねば。

ところであげ子はたいそうマイペースなひとなのだった。おっとりというかとても優しい。声を張ることもなく小さめの声でもちょもちょ話す。四六時中ワーワーキリキリしているわたしとは正反対で、あまりにも他人に気を使いすぎるので、たまにわたしはイラッとしてしまって「そんなのはっきり断りゃいいのに!」と強く言ってしまったりもするのだけれど、それでもあげ子はちょっと困ったような顔で「うーん」と言うだけで。
そして説明がとてもヘタ。
猫イベント会場でも、今どこ?というわたしのLINEに対して返ってきたのは「真ん中あたり」だった。
イベントは2フロアで開催されていた。
真ん中ってどこだよ。

あげ子とのキャッチボールはお互い絶妙に外している気がしてならない。まあそれはそれでおもしろいんだけれど。

そして吉祥寺でもうひとり合流することになっていた。
こちらも猫友達のひとり、ヒヨコだ。ヒヨコに至っては前日、吉祥寺行きが決まってから誘ったので大体の到着時間しか告げていない。待ち合わせ場所はまあおいおい、というスマホありきの合流形態。

ヒヨコは猫友達の中では一番の年若で、知り合った時はぴっちぴちの一見中学生のようなかわいこちゃんだった。もう10年以上前だけど。でも今も見た目はほとんど変わらないゆで卵みたいなつるつるお肌で、この間軽い気持ちでいくつになった?と聞いたらびっくりするような答えが返ってきて猫友達全員のけぞったのだった。や、同じ分だけみんなトシ取ってるのになぜかヒヨコだけは変わっていない気がして。

そんなヒヨコに吉祥寺駅が近くなったあたりで「今どこ?」とLINEすると「おばさまが集う帽子のお店のそばにいる」と返事が来たのだった。
…ってあんたも説明ヘタか!それどこだよ!

3人揃ってから井の頭自然園に向かうのも一苦労だった。
リスの時間のこともあるし腹ヘリだった(早朝の新幹線でおにぎりを食べたっきりここまで何も食べていなかった)せいもあって、とにかく最短距離で動物園に行きたいわたしと、「このへんの道くねくね行けばいい感じで着けるよね」とプラプラ行きたいあげ子と、久しぶりに会えただけで楽しいというヒヨコで、まったくもってテンポが合わない。横浜の人と埼玉の人がいるのに先頭はナゴヤのわたしだ。それもまあまあぶっちぎりで。


あげ子のゾウさん。ほとんどコメ。

動物園に到着したのは午後3時だった。とりあえずリスの撤収時間にも間に合いそうだしということでまずは腹ごしらえをして、園内を回る。
大好きなヤギでテンションがあがるわたくし。
実はうちのねこ、以前、グーグルフォト先生に『ヤギ』『ラマ』というカテゴリーを作られたことがあるのだった。

ヤギのパッションさん
ねこのわっちゃんさん。


撮影しつつヤギかわいいヤギかわいいとうわ言のように呟いていたら、常連ヤギファンらしきオバ様に話しかけられた。

「この子いくつだと思う?」
「……さぁ…」
猫ならまだしもヤギの見た目で年齢などわかるはずもなく。
「知りたい?この子はねえ……………5歳」
「あーそーなんですか」
めっちゃ溜めた挙句にそう言われても、これ以外どう答えたら良かったのか正解がわからない。

「この子はただの5歳。ただの、ね。」
…ただの…とは。
なぜヤギの年齢にそんなに含みを持たせるのか。
「でもあっちの子は……………………………」
間が。
間が長すぎる。
困ったなヤギの年齢にそんなに興味はないし、きっとびっくりするくらいおじいかおばあなんだろうけども。

ヤギのすだちさん(たぶん)
ねこのわっちゃんさん


ちらりと見ると、全く他人のふりをしているあげ子とうまいこと次の檻に移動しているヒヨコ。クソッッずるいぞ!
困った末、すまないわたしは先を急ぐのだという風情を思いっきり醸し出して、オバ様が溜めてる間に「わーー次何〜??」などと大声を出しながらその場を離れた。
申し訳ない。

どこかにいるベンガルヤマネコ

シカ、コウモリ、ミーアキャット、キツネにタヌキとどんどん進むと少し先に人だかりが見えた。ベンガルヤマネコだ。そろそろお食事タイムらしい。
(そうそう、ここにはうち(ナゴヤの東山動物園)から行ったツシマヤマネコの『したる』がいるはずだが残念ながら非公開)
檻の中でうろうろするベンガルヤマネコたち。
お食事タイムを待つニンゲンたち。
なかなか始まらないお食事タイム。

反射しちゃってどう見てもニンゲンが檻の中にいるようにしか見えない

時間を過ぎたのになかなか始まらないので、サクッと次へ移動。

あ!ちょっと待って!とここでわたしの聖地巡礼タイム発動。
ここは確かドラマ『ア・ターブル』で市川実日子さん演じるジュンが中島歩さん演じるヨシヲと出会った場所ではないか!おお!この柵のこのあたりに!

このへんにね実日子さんがもたれてたよね


とひとりでニヤニヤして、その後サルを見学するふたりの元へ戻りようやくお待ちかねのリスの小径へ向かった。


リスの小径に入る前にずいぶん長くなったので
とりあえずここで終了。
続きます〜。
またお付き合いいただけると嬉しいです。










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