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学生時代と今

この歳になって学生時代のあれこれについて懐かしく思い出すことが増えた気がする。会社員として過ごす今と、自由に学生していた大学時代を比較しして、「あの時は良かった」とか、「あの時の自分はもっと〇〇だった」とか。過去を美化しがちってよくいうけど、この思考がまさにそれであると思う。今は上司や同僚の顔色を伺って日々なんとかやり過ごし泥臭く生きているけれども、昔はもっと自分のしたいように自由に行動していた。「学生なんだから、そりゃ当たり前だろ」とどこかからツッコミが来そうだ。学生と社会人の違いってはっきり言語化できないけど、厳然と違う何かがそこにはある。

社会に出てまもない20代半ばの頃、遠く離れた場所に住む大学の友人と電話していたとき、「なんか人生って、『ジャ●プ』みたいだよね」と話したことがあった。

「ジャ●プ」というのは某有名な漫画雑誌のことで、いくつかラインがあり、王道の「週間少年ジャ●プ」意外に、別冊があったりする。

これを人生に置き換えると、学生時代の人生は、王道の「ジャ●プ」で連載されていた漫画。社会の最先端にいるような感覚を持っていて、フレッシュで、純粋で、怖いもの知らずで、社会でのおかしな「あたり前」に疑問を突き立てることを許されている勢いのある漫画だ。しかし、社会人からの人生は、ちょっとテイストが変わって別冊で連載されるようになった漫画。ちょっと落ち着いていて、華やかさはあんまりなくて、勢いというよりは安定で、なんとなく終わりが見えてたりして、分かる人には分かる、って感じの。

私たちは人生という一つの同じ漫画を描き続けているが、時と共に連載場所は変わり、違う色味を纏っていく。全く異なる漫画に見えるけれど、でも同じ漫画であるという不思議。

人生とは、思っていたより不思議なもののようだ。


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