記憶を流れる空気

季節や特定の場所を思い出す空気がある。
こんな秋が夏の後ろからひょっこりはんするような時期は特にそれが強くて、朝や夜の涼しくなった風の香りは私にさまざまな出来事を思い出させてくる。

たまに、それはアメリカに留学していた頃の空気になる。爽やかでいてどこか暖かさを感じるそんな香りは、留学先の人の優しい心や美味しいご飯を表しているとも言えるし、夏場も過ごしやすかった現地の空気を彷彿とさせる。だから、香りを感じると、アメリカに戻りたくなるし、アメリカの友人やホストファミリーに会いたくなる。

またある時は、中学時代に経験した思春期のゴタゴタを思い出す空気になる。こっちは少し厄介。ちょうど周りが騒がしくなったのが二学期から先にかけてで、それ以降、毎年この季節は私のメンタルがぐらつく時期になった。今でも毎年、履修登録をしながら、また新しい人と新しく関係を作らなきゃいけないことがすごく不安で泣き出してしまう。今年は9月に入ってこれまで、ずっとバイトに明け暮れたのでそんな余裕もなかったけど、ホッとした時にまたぐらついてしまうのだろうか。友人も仲の良い2人ぐらいしか知らない、私のそんな季節が今年もやってくる。

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