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いち宙組ファンの私が「HiGH&LOW THE PREQUEL」を解説してみた

これからヅカローを見る人、または見た人へ。

まずこれからの人へ。「履修した方が150倍面白い」「最低限ザム(THE MOVIE)だけは履修して挑め」と言いたいです!私は夏の間に履修していたおかげで初観劇から役や設定・世界観が頭に入っていたからこそめちゃくちゃ楽しめた。未履修だとなんのこっちゃ?ってなってたと思う。

でも、時間が無いとかハイローデビューはヅカローにしたいとか、乱闘シーンが苦手で見るのが怖いと言う人もいるよね。耐性は人それぞれだから何とも言えないし、動画サービスへの登録・課金が難しい方もいると思う。そう言った方はとにかくYoutubeの公式動画だけでも見ておいて!最低限これだけ見ておけば全く何も知らないよりはマシだと思うので!!

+宙組ファンの私ならではの視点を記しておく。

今回が初観劇の人も多いと思う。配信で見て「あの人誰?」「どんな人?」などの疑問や見て欲しいポイント、この役の人はこんな人だよと言う所も紹介したい。宙組をある程度知ってる人ならイメージしやすいのではないかと思う。

・山王連合会

「俺たちはただ、この街を守りたかっただけだ…」

ガラスが割れる演出からスタートするの、最初からキターーーー!!ってぶちあがりますよね。こうやって舞台化されて思うのは後にも先にも宝塚歌劇団でコブラを演じられるのが我らが真風涼帆しかいないよね。

「宝塚の美し過ぎるヤマト」には宙組のキラキラロイヤルお兄様こと紫藤(しどう)りゅう。1つ前の「Never Say Goodbye」でも仲間達を率先する兄貴分の役。ダンには若翔(わかと)りつ。おじさま役から悪役までインパクト大のお芝居、ショーでは色気むんむんの熱視線にねっとり濃厚な歌声が魅力の男役。流暢な関西弁だけど愛知県出身。テッツがテッツそのまんまでビックリした亜音有星(あのんゆうせい)。見た目・喋り方まるっきりテッツ。テッツのように愛され弟キャラであり、新人公演2度の主演を誇る宙組次世代のトップスター候補の1人。ショーでは甘い笑顔にノックアウト間違いなし。

・White Rascals

FWMで芹香斗亜さんがROCKYを披露された瞬間にヅカローへの不安が一気に期待に変わったと言える。だってさ最初は宝塚ファンもLDHもファンも「宝塚でハイロー…」と疑心暗鬼だったもん。

LDHファンの方におかれましてはKOOの人イケメン!!ってなったと思うのですが、宙組が誇る次世代エース・未来のトップスター候補の1人「風色日向(かぜいろひゅうが)」と言いますお見知りおきを。KOOではクールにショーではエレガントに。あだ名は風の色は何色。

宙組ファン的には、秋奈るい・琥南まこと・輝ゆう・葵祐希の役の本役がゴールデンボンバーである事を踏まえて見て欲しい(笑)、まんま鬼龍院翔やんか!と思う人は秋奈(あきな)るいです。ばかでかいサングラスで顔が隠れてる子可哀そうやねって。葵くんのSHIMURAは樽美酒研二なんだよ?

2番手さんがROCKYなのでWhite Rascalsの場面が多め。White Rascalsを深めに履修しておくのが良いかと。特にROCKYが過去の生い立ちを語る場面のソースはシーズン2の第6話。(Hulu)かなりショッキングな場面があるので要注意だけど、何故ROCKYが「女を悲しませる男は許さない」のか?を深堀するならば要チェック。

・鬼邪高校

95、96、97…と殴られるあの場面は「何の事やねん」となるでしょうが、100発殴られて耐えたものが鬼邪高校の頭(ボス)になれる。100発を耐えたのが鷹翔千空(たかとちあき)演じる村山良樹。あのド真面目優等生の鷹翔さんが、あっかんべーする村山良樹になりきっている。我々こーんなちっちゃい頃から見てる身、こんな世界観のこってぃ今まで見た事が無い!村山ちゃん可愛いんだよ、ヅカローには無いけど押上に好かれてるし。轟とのバトル含め鬼邪高校の沼は深い。

https://www.high-low.jp/cast/themovie/

LDHファンの皆様におかれましては「宝塚で関虎太郎」に驚きがあったでしょう。古屋英人は分かるけど関虎太郎だよ??スキンヘッドやん!ってなりましたよね。このギラギラいかつい関虎太郎を演じたのは雪輝れんや(せつきれんや)。その力強い目力で悪役や一癖強い役がハマる男役。関のギラギラ暑苦しい雰囲気が出てたなぁ。

マメ知識なんですけど、村山良樹と古屋・関を演じている男役は同じ101期なんだよ。ついでに雪組のシティーハンターの海坊主も同期。スキンヘッドは大体バンダナで隠されるのがすみれコード(例外もある)

・RUDE BOYS


予習して無名街を見た瞬間「これは優勝だな」って思ったの。

スモーキーが桜木みなとって時点で勝利宣言。ポスターのビジュアルで優勝間違いない。経験豊富な桜木さん繊細なキャラクターはお手の物だし、無名街のセットや住人の雰囲気なんて宝塚歌劇はああいうの割と朝飯前だったりします。再現されてる~!ってびっくり&感動したけどね。

宙組ファンは、タケシ役が秋音光(あきねひかる)でピーが優希しおん(ゆうき)と言う事を踏まえて履修したら間違いない。秋音さんはその繊細なルックスからは想像出来ない努力と才能の怪物。かつて客席降りがあった頃、限られた時間の中で客席の最後尾まで爆走し最後列のお客様にまでハイタッチをしに行き爆速で舞台に戻っていくエピソードは有名。あきもに出来ないものは無いと言われる努力の人。優希しおんはやんちゃなルックスにアクロバティックな動きなら任せろ!飛んで良し跳ねて良し撃たれて倒れる姿まで美しい。宝塚全体で考えてもピーは優希しか勝たん。

RUDE BOYSのメンバーは身体能力の高いメンバーが選ばれている。イブ役の惟吹優羽(いぶきゆうは)は王子様シルエットの名ダンサー。ダンスシーンには欠かせない男役だった。今回で退団は寂しい。アズサ役の梓唯央(あずさいお)はダンスが得意な個性派でこれからの宙組名ダンサー候補。ララ役の栞菜ひまり(かんなひまり)はふんわり癒し系フェイスに普段はお芝居のイメージ。新たなる魅力発見と言った所か。娘役ではフィギュアスケート経験者・花咲美玖(はなさきみく)がアクセルジャンプを披露。宝塚100年以上の歴史の中、大劇場でアクセルジャンプを飛んだ人って彼女ぐらいだろうね。

・達磨一家

男役10年を過ぎて11年目のベテランだからこそできる役。宙組を背負う立場を自覚しスターオーラを放ち始めた俺たちの「もえこ」こと瑠風輝(るかぜひかる)。日向役の人の愛称は「もえこ」です。ショーでキラッキラしている、その手足の長さ、その顔の小ささ、少女漫画の実写版みたいなルックスの人が日向。びっくりするよね~。ショーでゴンドラ運転してる人が日向で、ロングドレス着てた人がスモーキー。

加藤鷲役の希峰(きほう)かなたは、加藤のトレードマークの赤髪で気合十分。でも不思議と希峰かなたの集大成。アテ書きじゃないのに歴々の役を彷彿させるとっても希峰さんだなと感じる役。笑顔でお客様のハートを射止めるスナイパーぶりはここでも発揮されていたな。花道で待機しながらニヤリと獲物を探してる感が最後まで希峰さんらしい。

右京と左京は102期のいぶし銀名男役の名を欲しい「湖風珀(こかぜはく)」「凰海(おうみ)るの」一癖強い役を任せられるようになってきた彼らにはお任せあれ。特に左京の凰海るのさんは左京そのまんま過ぎて笑った。さすがるの氏やで。宝塚歌劇には「じょ…女性だよね?」と不思議に思う人は一定数います。右京役の湖風さんは無名街でボイスレーコーダーも売ってます。あれ?AIZAWAが鬼邪高校にいる?など、アルバイトと呼ばれ色んな役をこなすのが宝塚の良さ。

・苺美瑠狂

宝塚の作品でこれだけ娘役さんが大活躍な作品は珍しい。どうしても男役さんの役の方が多く、主要な役が付くのはトップ娘役と一部のスターさん。大多数は舞踏会で踊る貴婦人だとかそんな感じ。あんなにセリフがあって出番があって、苦邪組七姉妹と立ち廻りがあって…武器を持って立ち廻りなんて新人公演で頭数足りなくて駆り出されるぐらいだと思う。選ばれた娘役さん達は嬉しいだろうね。舞台化なら純子明日香押上芝の4人でいいのに更に4人のオリキャラまでいて。みんなで歌う「STRAWBERRYサディスティック」はE-girlsさんみたいで可愛いよね。

純子の人、天彩峰里(あまいろみねり)と申しまして、ショーでは黒いドレスでものっすごい声量で歌いながら出てくるホイットニーヒューストンみたいなあの人。トップスター同士でデュエットダンス踊ってる時に「ミ・アモーレ」歌ってる人だからね。

明日香・花宮沙羅(はなみやさら)、押上・夢風咲也花(ゆめかぜさやか)、芝・愛未サラ(あいみさら)は、よく宝塚でそっくりな人が居たよね?って位似てて笑う。一番再現度高いのは苺美瑠狂じゃないか。再現度で言えば仁花・山吹ひばり(やまぶきひばり)がダントツかも。見た目喋り方そのまんまで仁花がひばり?ひばりが仁花?。何でナオミが出ないで仁花なの?と思うよね。単純に琥珀さん達が居ないからだろうけど、これ以上にない仁花が宝塚に居たからだと思う。

寿子・花菱りず(はなびしりず)、Bar小竹ママ・水音志保(みずねしほ)のコンビも良き。YOUと小泉今日子の雰囲気もあるし、娘役のベテランならではの大胆なセリフは花菱さんの得意ジャンル。小竹ママの水音さんはショーでも大活躍の美人さん。

・ナレーター

ナレーター・立木文彦さんには、我らが宙組組長の寿つかさ(ことぶきつかさ)の渋さ前回のイケボがぴったり、組長さんは初日・千秋楽の挨拶などでお馴染み、私達宙組ファンは耳馴染みの良いあの声で始まる事に安心感がある。実家がお寿司屋さんで愛称が「すっしー」さん。無名街の医者もすっしーさんだし、組長さんには珍しくアルバイトが多い。(自分の役以外に通行人や舞踏会の客みたいな役を複数こなす事)

・苦邪組


苦邪組は宝塚のオリジナル設定だけど、九龍グループみたいなものかな。

苦邪組って名前がもう悪役感しかないし、リーダー・リンが留依蒔世(るいまきせ)である時点で間違いないと確信を持った宙組ファンは多かっただろう。留依蒔世退団の為のアテ書きみたいな役。「カルトワイン」のチャポを経ての集大成。ファンでなくとも納得のラスト。

脇を固めるGEN・松風輝(まつかぜあきら)、バイフー・小春乃さよ(こはるのさよ)、SUZAKU・澄風なぎ(すみかぜなぎ)、ロン・真白悠希(ましろゆうき)の配役には期待しかないし、過去の宙組作品を見てもいい味を出している人達。期待以上のクオリティを見せてくれたのはこのメンバーだからこそ。清楚系ヒロインだった春乃さくら(はるのさくら)のセクシー悪役・KIDAも見どころ。シャンパンには苺を沈めて~ってセリフ、あれ苺美瑠狂ぶっ潰す!!って意味だよね。

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