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沖縄の神社と御嶽(ウタキ)

沖縄に神社は在るのは在るけど、数がかなり少ない気もします。
そんな沖縄ならではの神社事情は一体どのようなものなのでしょうか。

沖縄総鎮守・波上宮(なみのうえぐう)の権禰宜・奥原さんに沖縄の神社についてお話を聞いてきました。
(中略)

大小合わせると、全国に8万社以上あるという神社。沖縄(本島)には14社しか神社がありません。
なぜ沖縄にはこれほどまでに神社が少ないかというと、「本土では村ごとに神社があるが、沖縄では村ごとに“御嶽(うたき)”があった」から。本土の神社で行うような祭祀は、御嶽で行われていたのだそう。
御嶽とは、神が祀られている祈りの場のこと。基本社殿に類するものは無く、木々が生い茂っているだけということが多いようです。

奥原さんによると「元々、神社は御嶽のようなものだったと言われている」のだそう。
本土でも、かつては岩や山など自然の中に聖域が設けられていました。時代が下ると聖域にお社が建ち、現在の神社の形になったということ。
対して沖縄の場合は、「祈りの場が原始的な形のまま残った」ということなのです。元々同じような形をしていた信仰の場が、それぞれの場所で違う進化をして残っている。そう考えると、沖縄は“神社が少ない”というより、“御嶽として残っている”と考える方がしっくりくるかもしれません。

引用:祈りと信仰が根付く南の島、沖縄の神社~波上宮で知ったこと~ https://hakken-japan.com/columns/naminouegu/

御嶽
うたき
オタケ,オタキともいう。沖縄で神を祀る聖所のこと。各地域共同体に1つ以上のウタキがあり,その守護神として各種の祭祀が行われることから,ウタキの神と住民との関係は本土の氏神氏子にあたるもののようにも考えられている。字単位のものから国規模まであり,琉球王国のウタキであったサイハウタキ (斎場御嶽) が特に有名で,最高神女であるキコエオオキミ (聞得大君) がこれを祀り,祈願を行なった。ウタキの形式は各所一様ではないが,おおむね森をなしており,びんろうの木が高くそびえているのが特色である。森の中にはウガンジュ (拝所) が設けられ,その一番奥のところをイビ,オブ,ウブなどといい,男子が入ることは禁じられている。そこには香炉が置いてあり,アシャゲと呼ばれる,祭祀を行う建物を設けたものもある。神はニライカナイといわれる海のかなたの他界から,祭りに際してウタキを訪れるものと考えられている。

引用:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「御嶽」の解説
 https://kotobank.jp/word/%E5%BE%A1%E5%B6%BD-40505

沖縄の代表的な神社「琉球八社」のうち安里八幡をのぞく7社は熊野の神をまつっている。これらの神社には熊野から送られたナギの木が植えられている。葉脈が平行で、熊野では神木とされている。

引用:沖縄に広まる熊野信仰 ニライカナイと補陀落が共鳴 https://note.com/fujiiman/n/na3b99c17f0d9

沖縄本島に神社は14社しかなく、代表的な神社「琉球八社」のうち七社が熊野の神(イザナミ)を祀っているとのこと。
またウタキは神道の原始的な形を残しており、祟りだのなんだのは存在せず、神聖な場所は男子禁制とのこと。
日本本土の神道も、元々は同じような形だったと推測されます。

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