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アブストラクトゲームには「解かれる」という「テーマ」がある。


この記事はアブストラクトゲーム Advent Calendar 2023の1日目の記事として書かれました。

はい、どうも。
珍ぬと申します。
4年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ300本書いています。

去年に引き続き、アブストラクトゲーム Advent Calendarを立ち上げました。

初日なのにも関わらず相変わらず変なことばかり書いております。
よろしくお願いします。


オセロが解かれた

アブストラクトゲーム界隈(こんな界隈があるかは謎ですが)において、今年最も話題になったのは、8×8盤面のオセロが解かれた論文が発表されたことでしょう。

結論は、「弱解析(双方のプレイヤーが最善手を打ち続ける状況)においては、引き分けになる」でした。

この辺のもっと詳しい解説は、以下のサイトやブログなどを御覧ください。

論文のタイトル『Othello is Solved』には、元ネタがあります。
2007年に、8×8盤面のチェッカーが解かれました(こちらも、最善手を打ち続けると引き分けになる)。

この論文のタイトルが『Checker is Solved』です。
再来ということですね。

ちなみに、8×8の盤面より小さいサイズのオセロは、完全解析済みです。
情報処理学会研究報告の『縮小盤オセロにおける完全解析』などが参考資料となります。


解かれるように組み立てたゲーム

去年の「アブストラクトゲームAdvent Calendar」25日目に、こんな記事を書きました。

ざっくりまとめると、

・ニムなどの、いくつかのゲームを数学的に解いてきた(解析してきた)。
 ⇒組み合わせゲーム理論として発展する。
・チューリングが、チェスのアルゴリズムを組み立てた。
 ⇒これ数学的に考えること(数学的要素を抽きだす:抽象化)ができる。

⇒チェスは組み合わせゲーム理論などで数学的に抽象化して解析できるのでは?

です。

とはいえ、何でも数学的な要素を取り込むわけではありません。

アブストラクトゲームの定義のひとつで「二人零和有限確定完全情報ゲームとほぼ同義」がありますが、「零和」「有限確定」「完全情報」などの数学用語に則したものです。

引用:「アブストラクトというボードゲームのジャンルはない」
という仮説を立てて、いろいろ考えてみる。
https://note.com/ztatak/n/nb309d0ccb9ce

(引用ではひとくくりにしているので、ちょっと失敗していますが)「確定」は「サイコロのようなランダムな要素が存在しない」ことなので、ポーカーや麻雀のように不確定(手番で使用する駒(カード・牌)を決めることができない、など)な要素のゲームは、アブストラクトゲームの定義から外れるのです。

で、何がいいたいのかですが、アブストラクトゲームは、組み合わせゲーム理論上からみると、解かれる問題という研究者の飯の種です。

アブストラクトには「組み合わせゲーム理論」というテーマがある、と見ることができます。

……いやあ、屁理屈ですかね?


アブストラクトゲームには「テーマが存在しない」がかつてあった?

Wikipediaの「アブストラクトゲーム」の項目から引用します。

アブストラクトゲーム (Abstract Games) とは、ゲームの分類の1つで、名前通り抽象的(アブストラクト)で、元となった現実の出来事(テーマ)などとゲームの内容とが余り関係のないものになっている(高度に抽象化されている)ゲーム、あるいは具体的なテーマが全く存在しないゲームを指すことが多かった。

文末に注目です。
多かった」。
過去形です。

しかし、いまだに

アブストラクトゲームは、「テーマ」のないゲームだ

が、どちらかといえばマジョリティ(多数派)として流布して、賛否両論を繰り返しています。

なぜ、こんな事になっているんでしょうかね?……って、考えたこともなかった。
これ、アドベントカレンダー最終日にあれこれ書こうと思います。


ということで、モヤモヤしたまま記事を締めくくります。


では引き続きアブストラクトゲーム Advent Calendar 2023、よろしくお願いいたします。


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