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□□□とボードゲーム(2.1)〜数学と芸術のBridges

前回の記事はこちら。

2回ほど迂回して軌道を整え(?)、これから数回ほど数学詩にアプローチしていきます。


きっかけはアインシュタインタイル?

さて、なんで数学詩をとりあげたのか。
その個人的な辿り方を綴っておきます。

まずきっかけが去年に結構な本数の記事を書いた「HAT」や「SPECTRES」のアインシュタインタイルです。

それらの記事での参考サイトとして「Tiling Encyclopedia」をあげました。

最近になってちょくちょく拾い読みしたりするのですが、ちょっと気になる敷き詰めなどを見つけて、その元となった文献(References)を覗くようになりました。

そこで、むちゃくちゃ気になる団体にぶち当たりました。

The Bridges Organization

The Bridges Organization

The Bridges Organization(以下、「ブリッジズ」と略します)の公式サイトはこちら。

ドメイン名が「bridgesmathart」とあるように、math(数学)とart(芸術)のbridges(橋渡し)が目的のorganization(組織)です。

【引用】
The goal of the Bridges Organization is to foster research, practice, and new interest in mathematical connections to art, music, architecture, and culture. All too often, mathematics can seem disconnected from or even antithetical to these other topics. We believe that mathematics and art can inform and enrich each other, that there are great ideas waiting to be found in mathematical analysis and synthesis of art, and that artistic thinking and activities can enliven the mathematics classroom.
【翻訳】
Bridges Organization の目標は、数学と芸術、音楽、建築、文化とのつながりに関する研究、実践、新たな関心を促進することです。数学は、これらの他のトピックとは無関係、あるいは相反するものであるように思われることがよくあります。私たちは、数学と芸術は互いに情報を与え、豊かにし合うことができると信じています。数学的分析と芸術の統合には素晴らしいアイデアが隠されており、芸術的な思考と活動は数学の授業を活気づけることができると信じています。

引用:https://www.bridgesmathart.org/about/(ブリッジズについて)


英語版Wikipediaにも項目があります。

【引用】
ブリッジズ組織は、数学と芸術の学際的な研究を促進することを目的として、1998年に米国カンザス州で設立された組織です。ブリッジズ会議は、芸術と数学のつながりに関する年次会議です。

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/The_Bridges_Organization

ブリッジズの創設者はReza Sarhangi(レザ・サルハンギ)さん。
2016年に逝去されていますが、遺志は他のメンバーに引き継がれ2024年現在も活動が続いています。

先ほどあげた公式ページのAbout(ブリッジズについて)には、現在の取締役(運営)の役職・氏名・顔写真が掲載されています。
その中のひとり、Communication(いわゆるマーケティング・広報)を担っているのがCraig S. Kaplan(クレイグ・S・カプラン)さんです。

あれ?この人聞いたことあるぞ。

「An Aperiodic Monotile(アインシュタインタイル)」
論文のメンバーの1人じゃないか。

HATを発見したDavid Smithさんが、本当にそうなのか最初に相談したのがCraigさんです。

つながったねぇ。


The Bridges Conference

ブリッジズは年に1回定例会議「The Bridges Conference(ブリッジズ会議、以下「会議」と略します)」を開催しています。

第1回は設立年の1998年、カンザス州ウィンフィールド大学で行われました。
第4回まで同大学で行われましたが、第5回でメリーランド州のタウソン大学、第6回でスペインのグラナダ大学と米国を飛び出しました。
その後、カナダ、イギリス、ハンガリー、ポルトガル、韓国、フィンランド、スウェーデン、オーストリアと世界各国で開催されています(2025年はオランダ)。

公式サイトに、2021年以降に開催された会議の記録が残されています。
さらに、会議のカタログも販売されて購入できるのですが、発表された論文のアーカイブ(PDF形式)が無料で閲覧できます。
しかも、第1回から。

このアーカイブページの作成者はCreigさん。
さすがCommunication。


Mathematical Poetry at Bridges

会議ではさまざまなイベントがあります。
その1つが「Mathematical Poetry Reading(数学詩の朗読会)」です。

上のリンクはブリッジズの公式サイトではなく、朗読会のコーディネーターであるSarah Glaz(サラ・グラズ)さんのホームページになります。
Sarahさんは、コネチカット大学の数学の名誉教授です。
数学の主な研究分野が、ホモロジー代数、可換代数。
数学教育、数学史も研究対象で、詩と数学との関係も対象となります。

会議での朗読会は2011年から始められ、毎年行われています。
毎年ではありませんが、そこで朗読された数学詩をまとめた詩集をPDF形式で無料で閲覧できます。

いくつかかいつまんでみようか、と目論んでいます。


締め

ということで、まだ数学詩が出てきおりませんが、数学芸術ガッチャンコしたブリッジスを紹介しました。

次回は、数学詩を知る情報源として、外せない人物を取り上げてみます。

では。

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